『花を飾ると、神舞い降りる』須玉フローラ・著(サンマーク出版)【選書・自己啓発】

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すてきなタイトルに釘づけ!

あらゆる角度からの「お花」の持つパワーと、「お花」を飾ってしあわせをつかもう!という趣旨の書籍だ。

花を飾ると、神舞い降りる』須玉フローラ・著(サンマーク出版)

では、目次と簡単レビューをどうぞ。

• もくじ

◎なぜ花を飾ると、神のエネルギーが運ばれるのか
◎初めての妖精との出会いはパリ・モンパルナスの老舗花屋
◎「見えない世界」と「癒し」と「美しさ」の驚くべき関係
◎見えない世界から見る、この世の始まり
◎花と妖精は、見える世界と見えない世界の境界線にいる
◎お金の問題、健康の問題、人間関係の問題…… すべてはひとつ
◎エネルギーを動かす唯一の方法「観察」
◎愛由来と不安由来
◎死の瞬間、大きなエネルギーが流れ込む

• 簡単レビュー

花はそこにあるだけで抜群なリラックス効果を発揮するものだ。
また、華やかな気分にもさせてくれる。
うれしいときだけでなく悲しいときもまるで、昔からの友人みたいに気持ちに寄り添ってくる。

花には、なぜそんな力があるのか?


じつは、すべて花には花の妖精がいて、その妖精の仕業だから。
すべての花や木には、妖精がいる。

妖精は、この世を構成する5%の「見える世界」と、
95%の「見えない世界」を自由に行き来することができるのだそうだ。

妖精が、見えない世界から見える世界にやってくるとき、
見えない世界のエネルギー、つまり「神のエネルギー」も一緒に運んでくるらしい。


だから、「花を飾ると、神舞い降りる」なのだ。
花は、「見える世界」と「見えない世界」をつなぐ、
世界でいちばんかんたんな魔法。


著者は、音声配信サービス「Radiotalk」公式番組の
大人気パーソナリティーの須王フローラ氏。
フランス・パリの老舗花屋で修行をされたフローリストであると同時に、
この世を「見える世界」と「見えない世界」の両面から紐解く人生哲学「エネルギー哲学®︎」を伝えている、エネルギー哲学の学者でもある。。

本書では、「妖精」や「植物の秘密」だけでなく、「あの世とこの世の仕組み」「生と死」……といった「幸せになるための人生哲学」をお伝えしている大変珍しい書籍。

                  ★

お花がきらいな人はまず、いないだろう。

ただ、あまりに美しすぎるその姿から、きっちりと咲き切って朽ちて行く姿。まるで人の人生のようだ。

その花をあらゆる角度で、分解して「お花」の魅力を最大に伝える書籍だ。

わたしは、須玉フローラ氏をラジオ番組で知った。もちろんこの書籍も。

「お花」を愛するすべての人に読んで頂きたい一書だ。

サンマーク出版は自己啓発やスピリチュアル系の書籍が多い出版社から発刊されているが、怪しい宗教などではないからご安心を。

著者は、お花は「見える世界」と「見えない世界」を繋ぐ存在だという。

お花のパワーに触れたい方はぜひ、どうぞ!

※ 春先に撮った我が家のご近所のモッコウバラ。ため息がでるほどすてきなの。

2022年 8月11日「山の日」~この旗日をどこの山で過ごすか?~ラクな高山・キツイ低山~この考察を続けている【文化・山選びの手引き】

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わたしの趣味は山岳トレッキングだ。

末永く、楽しめる趣味にしたいと思い、登る一辺倒の登山ではなく、「眺めて楽しみ歩く山」(もちろん撮影も)という視点を盛り込んだ趣味の構築に余念がない。

今年も半年が過ぎた今週、8月の山の日にどこで過ごすか?どこを起点にどこを歩くか?登るか?など、ひとつ、ひとつ決めているのだが、これが結構大変!

なぜなら、山頂まで車やロープウェイで行けてしまう「高峰」「観光名所低山」が日本には200ヵ所以上も存在している。

その中から、今の自分たちのトレッキング技術で登れるか?アクセスは?危険な箇所はないか?泊まりか?日帰りか?天候(雨、台風)が悪い場合の代案は?などなど。

さながら、トラベルツーリスト顔負けの内容に自分でも驚いている(笑)

今では、書籍だけでなく、You Tubeという必殺動画が無数にある。行きたい!と思った場所のレポートはたいがいあるものだ。

注目するのは、山や高原・湿原の場合、現地の足場だったり、歩く本人の息づかいだったりする。

無用に「はあ~はあ~」が続くとか、「暑い!」「急登!」こういった発言が多い場合は、そこの箇所を何度も見て検証している。

たんに景色がきれいとか、〇〇が美味しいとかいうのではなく、登山道の状態を知るにはYou Tubeはまさに先生そのものなのだ。

わたしもまだまだ、登山初心者(ヤマケイ文庫で読んだのだが、2000m級の山を30回踏破したら中級?だそうだ)だから、憧れの高峰にはロープウェイやゴンドラをフル活用したいものだ。

様々な交通手段を使って現場で迷わず、移動時間を短縮して、山頂で過ごす最高の時間確保にも事前の登山計画が何より大切なものなのだ。

しかし本音は、タイムコース通りに登れなくとも、時間に余裕があれば、少しでも自力で登りたい。

高山はロープウェイを使って天空散歩を楽しめばよい。一方の低山(1000m以下)は、「お手軽ハイキング」と宣伝される最近の登山ブームに一役買ってはいる。

その低山という言葉を一気に押し上げた大内 征氏。

低山トラベラーの大内征氏の書籍も紹介しておこう。多数あるなかで、山と周辺への歴史的見解が素晴らしい一書。

低山手帖~四季に触れる山旅手記~』大内 征・著(日東書院)

• 簡単レビュー

山は、人の生活にも密接なつながりがあるもの。 たくさんのことを教えてくれる。 時には厳しく、時には優しく。
山を歩き、自然と触れ合うことは人生を豊かにしてくれる。そんな気持ちを忘れないように書き留めた1冊。

「ここがあの歴史小説に出てきた山か! 」そうつぶやいてから、超個人的な知的好奇心を満たす山旅を始めて早10年が過ぎた。 以来、「低山トラベラー」と名乗り、歴史や文化を辿る山歩きの面白さを分かち合いたくて、メディア発信などを生なり業わいにしている。


いつしか高峰の尾根から眺めた姿の良い低山や営みの濃い里山の方に心を奪われ、そっちに足を運ぶ機会が増えた。そんな低山里山で発見したのが、歴史小説や神話・民話の舞台となった山や、絵画のモデル地に映画の撮影地など。


日常生活の中で触れた文化的な情報を非日常の山の中で発見する意外性たるや。

いわば知識の“点”が、山に行くほど“線”になっていく喜びが、そ こにはあると思う。そうしてあちこちの低山里山を訪ねながら書き留めたメモがこうして『低 山手帖』になった。


個人的な旅の手記のようなものですが、この中に高山のピークを目指すだけでは味わえない、低山歩きを楽しむヒントを感じてもらえたら嬉しい 。

低山トラベラー 大内 征 ~はじめにより抜粋~

                  ★

さて、登山人気の発端である低山だが、ど~して意外とキツイ。「低山=ラクに登れる」じゃないのをとことん知ったトレッキング初心者だ。

実際に登ってみてわかるのだけれど。低山(500m前後)でもロープウェイやゴンドラが待っている観光の名所などは、意外なほど「急登」な山が多い。

山は最後の100mぐらいがもっとも厳しい登りなのだ。だから、クライマックスだけ楽しむのなら、ロープウェイで正解だ。

それでも、自分の足で登ってみて山カンを鍛えたら、帰りはロープウェイでの下山もいいよね。わたしはこっち派で、よくやる手段のひとつ(笑)

しかし、この数年、寒い時期に登山をするのが増えて、霜柱や寒さ、防風に山頂を目指せなかったことが何度か続いた。

もう、消化不良気味(泣笑)

とはいえ、霜柱がびっしりだったりする登山道では、下山時に溶けて信じられないほどのぬかるみを発生してとても危険だ。

なにもピークハンターではないのだから、常に慎重に構えて入山したい。自然に対する畏敬の念から言えるものだ。

今年の春から登山シーズンが幕を開けたが、毎日のように、滑落、ソロ登山行方不明などのニュースが飛び込んでくる。

わたしも、山の日を目指して、ルートの確認や地図の携帯、当日のお天気を長期予報で見る、食料計画など、書籍を中心に知恵を蓄えて、身体もほどほどに調整する予定。

わたしの基本的な登山のスタイルは、あまりに背の低すぎる身近な山は足で登り、壮麗な憧れの山ではロープウェイやゴンドラなどを使ってピーク付近まで到達できればOK。

また、憧れの美しい山々を眺めに行く旅も計画中。と、その山の持つ歴史と地域性を学んで、品格や個性の際立った山々にTRYしたい。

「山の日」に目指すのは、きっと山道銀座(人が多い)と、なっているハズの高峰ルート。

よって、基本は、無理なく、しかしアグレッシブに!

なにしろ、4回目のコロナワクチン接種対象者(予約は7月で接種は8月)だもんで(笑)

ああ、楽しみな山の日。

梅雨にこそ楽しむ風景画家の作品~展覧会で見たあとは作品集でもう一度見直す【選書(文化)・風景画家】

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風景画家 吉田 博(明治9年9月15日 生まれ~昭和25年 4月5日没)は、日本の洋画家、版画家である。

自然と写実そして詩情を重視した作風で、明治、大正、昭和にかけて風景画家の第一人者として活躍した。

資料元→https://ja.wikipedia.org/ 吉田 博 Wikipediaより)

                   ★

梅雨の楽しみ方がまたひとつ増えた話。

5月のこと。

偶然、とある展覧会で知った「風景画家」というジャンルの作家たちの作品に、一舜で魅了されたのだ。

それは、油絵ではなく木版画だった。

何層にも刷られた八ヶ岳の山々は、まるで神がのり移ったかのような美しさだ。

その作風がこれまた驚いた。

作品集の中に書かれていた、一文を抜粋する。

~吉田 博 作品の魅力を一言で語るとすれば、それは、自然に対する独自の姿勢と真摯な取り組みにあると言えるだろう。

自然の中に溶け込み、自然と一体となり、「仙骨」を自負して自然の中に自らを埋没することで、初めて人を感動させ得る風景画が描けるのだとする、生涯を貫いた信念である~

この一文は、風景画家の写生旅行に同行した、安永幸一氏の文章で彼がまとめた吉田 博 作品集には、驚きの作風が書かれている。

例えば、日本の屋根と呼ばれるアルプス連峰や八ヶ岳を登りながら、その山々の美しさを吸収していくのだが、雨が降り続いた時は、森林の樹木と一体になった気持ちで、丸一日その場に立ち尽くす。

雨に打たれ続けることで樹木になったような一種の錯覚が生まれるのだそう。

ただただ、樹木と一体になることで、八ヶ岳の一部に成り得るのだと。

こんな写生旅行を2ヵ月も続けていると。

そして、写生旅行から戻り、信念のままに、木版に山々を彫り込んで行くのだそうだ。

森の一員になる・・・という行動が彼の画風を極めさせたのだろう。

吉田 博 作品集

                  ★

梅雨の間は、山登りはしないでこうして、風景画家の作品を見に行ったり、作品集を眺めたりして楽しんでいる。

梅雨が明けたら、パッ!っと、飛び出すための力を蓄えている。

わたしも、吉田 博画家の姿勢を学んで、心は八ヶ岳に向かっている最中だ。

あまりに美しい八ヶ岳。

ピークを目指さないわたしが、楽しむのは、その姿を麓から写真に納めること。

厳しい山登りばかりじゃあ、身体がもたない。

だから、「眺める山」という視点を育てているのだ。

次の山は決めてある。

最後に。吉田 博画伯のひとこと

「われ山の美とともにあり」

梅雨明けが楽しみだ。

『エコな生活 少しの工夫でおいしい毎日』マキ・著(KADOKAWA)【選書・文化】

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エコな生活 少しの工夫でおいしい毎日

図書館でこの本の表紙に目を奪われた。

野菜いっぱいのかごを持っているのだろう・・・と。

でも、よ~く見ると野菜は野菜でも野菜くずだ!

(これで野菜のスープストックを作るのだそうだ)毎週一回のスープ煮だしデーの話。

ああ~~、これも今、流行りのSDGsかあ。

「何もかもではないけど、自分で作れる」

「自分で作ることで、安心、安全を手に入れる」

「おしゃれはやっぱり高い。だから手をかけて長く使う」

自家製味噌や梅干しなどは、比較的できる人が多いだろう。

わたしが、最も注目したのは、「自家製バター」だ。

作り方はいたって簡単。

用意するもの(生クリーム200ml/乳脂肪分45%以上のものが好ましい、塩 小さじ1分の3)

たったこれだけ!

でも、ブレンダー持ってないよ。(攪拌するために必須の道具)

そこで、Amazonや楽天に飛んでブレンダーの価格を調べる。

ふ~ん、最安値は2980円。

前から欲しいかも?と、思っていたブレンダー。

すぐには手が伸びなかったの。自家製バターだけじゃあ、買わないよ(泣笑)

そこに、夫が100均で買ってきたカワイイ蓋つきボトル。

「野菜の酢づけ」とか作ってよ!と。

キッチンに並べてもきれいじゃん!とか。

そうだね。

梅雨の間は野菜の酢づけを仕込んでおこう。

あと、一品欲しい時に重宝だよね。

と、働きwomanの休日は終わったのだ。

ほぼ、自分で作りたい方は、どうぞ、本書をご覧ください。

バターもレーズンバター、いちじくのバターなどがとてもおしゃれ!

はあ、ブレンダー買って、バターを作るかどうか?

迷いの境地だわ(笑)

最後に書籍の簡単レビューを。

『エコな生活』少しの工夫でおいしい毎日


きなこは大豆からできているのを知っている?

たぶんお読みの皆さんは知っていると思う。

では子どもたちはどうでしょう?

きなこはベージュの粉。

そんな子どもたちが多いのではないだろうか?

子どもとの会話の中で、

きなこって何でできてるか知ってる? 大豆なんだよー、納豆とおんなじ。
すごいよねーえへへー

って言いながら、
目の前で作って見せて、ぺろって味見して、甘ーい!って言いながら笑顔になるのが、幸せなんじゃないかと思っているそうだ。

そして、完全な消費者になると、バターがお1人様1個までと制限されたら焦ってカゴに入れてしまうかもしれないけど、
バターの作り方を知っていれば陳列棚を素通りできる。

お金を出せば何でも買える時代だけど、逆に売っているもののほとんどが自分で作れることも確かなのだ。

自分で作ったほうが簡単で美味しい!

そして材料が明確で安心できるという発見はとても楽しいし、大切だと思っている。

便利な世の中なのだけど、なるべく自分の手を使いながら、昔の良いところを取り入れてみたら、暮らしの満足度はぐんと上がったそうだ。
その方法を、皆さまにもお伝えできたらと思って書かれた一書である。

『佐久間 宣行のずるい仕事術・僕はこうして消耗せず会社でやりたいことをやってきた』佐久間 宣行・著(ダイヤモンド社)【選書・自己啓発】

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佐久間 宣行のずるい仕事術・僕はこうして消耗せず会社でやりたいことをやってきた』佐久間 宣行・著(ダイヤモンド社)

簡単レビュー

就活生、新社会人からベテランまでどの業界でも役立つ、佐久間宣行氏からの62のアドバイス。
天才ではなく普通の人こそ本書を取り入れれば、一目置かれる人になる可能性は高い。


佐久間宣行氏が22年のサラリーマン人生の集大成として本気で書いたビジネス書。
特別ではない人こそ特別になれる珠玉の1冊だ。

サラリーマンでありながら、「オールナイトニッポン0」のラジオパーソナリティをつとめ、ファンイベントを行えばリアルで5000人が集まってしまう、45歳の普通のようで普通じゃない、いま話題の人、佐久間宣行氏が教える「誰とも戦わず、好きなことで効率的に成果を出す62の仕事術」なのだ。

佐久間宣行プロデューサーとは?

熱狂的ファンをもつ「ゴッドタン」「あちこちオードリー」などの他、ドラマのプロデュースも手掛け、2021年4月にテレビ東京を退社。独立後もまれに見る円満退社で、引き続きテレビ東京の番組プロデュースを続ける佐久間 宣行氏。

「なんでこんなに好きなことばかりできるのか?」

「なぜ敵がいないのか?」

「なぜ熱狂的なファンをつくることができるのか?」

「どうしてネタ切れせず、これだけの仕事をこなせるのか?」

その秘密を62の項目にわけて公開している。

「限られた時間」と「自分の得意」で付加価値を生み、ムダなことはやらずにコスパよく、ムダに戦わずして、ラクして速く成果を出すための力の入れ方、力の抜き方を教える。

                ★

書店でこの本を見つけ、パラっと中身を読んでみた。

驚くほどの「読みやすさ」だ。

文章をこねくり回すなど微塵もなく、言いたいことをそれこそ、ズバっと書いているのだが、

なにせ、ソフト路線的な優しさというか、ゆる~い雰囲気のする人物像が文章の端々から見え隠れする。

わたしが、一番感動しちゃったのが「結局、人生の最優先はメンタル。仕事は二の次」というくだりだ。

昔、大病をした時、女性の上司がわたしに言った言葉がある。

それは「身体が第一。仕事なんてどーにでもなるよ」と。

病気の後遺症が重く、この先どうしよう!っと、会社側の上司の心境を勝手に推し量り、きっと「困ったな、やっかいなお荷物」になったのだろうな・・・と、勝手に思い込んで心底悩んだのだった。

それが、こんな優しい言葉をさら!っと、下さった上司。

彼女のこれまでの仕事の仕方がすべてこんな「優しさ」で溢れていたんだと悟った。

本当に大事な時に本当に大切な言葉」をさら!っと言えるか?

ここが人との関わりで肝心かなめだと思い知ったの。

で、この佐久間氏にも上司のような、わかりやすさと優しさを同時に感じたのだ。

                 ★

本書の 「なりたいポイント」を4つほど挙げておこう。

消耗せずに仕事がしたい。

限られた時間でムダに戦わず成果を出したい。

取り換え(差し替え)の効かない人になりたい。

一目置かれる人になりたい。

こんな感じを目指している人に向けた62のメソッド。

ね、いいでしょ?

『旅のつばくろ』沢木耕太郎・著(新潮社)~GW3日目は家掃除と旅エッセイでくつろぐ【文化・旅エッセイ】

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GW3日目。

午前中、ずっと溜めていた家のあらゆる場所の掃除に勤しんだ。

お風呂、キッチン、トイレ、洗面台・・・水回りばかりだね。

こんながっちりした掃除を梅雨明けまでは毎月やりたいなあと、願ってはいるのだけれど実際は難しい。

フルタイムの仕事がで~んとあるでしょ。週末は買い出しだけで最近ではちょっと、ヒーヒーになってきちゃってるし(泣)

夫は「掃除って溜めてやるんじゃなくて、こまめに!が鉄則でしょ?」と。

まあまあ、いいんだけど。

多分、この先も溜めてからやるんだろうな、わたしは。

で、やっと掃除人から解放された、GWなのに雨の午後。

ずっと、読みたかった沢木耕太郎氏の旅エッセイを手に入れたんでさっそく読んでいる。

それがねえ、驚くほど読みやすく、話の展開の上手さに舌を巻きっぱなしだ。

たとえば、「歌手の井上陽水は旅先を決めない」というこぼれ話を実に痛快に書き上げる。

成田空港に着いた陽水氏が開口一番に言った言葉は「さて、どこに行こうかな?」とか、言ったとか。

こんな話が満載の初エッセイ。

面白くないわけ、ないでしょう!

一気に読んでしまったので、熱が冷めないうちにレビューしよ。

• 簡単レビュー

ルポライターで作家の沢木耕太郎、日本中を旅する。

それは、まるでつばめのごとく、軽やかに。

そう、人生も旅も。

沢木耕太郎氏、初の国内旅エッセイだ。

旅のバイブルと呼ばれた『深夜特急』で、世界を縦横無尽に歩きまわった。

沢木氏の初めての旅とは、16歳の時、行き先は東北だった。

あの頃のように、自由にきままに日本中を歩いてみたい。

日本という国を、ただ歩いただけだし、歩きたいだけなんだ。

この作品はJR東日本 新幹線車内誌「トランヴェール」で大好評を博した連載だ。

満を持しての単行本化となった。

※ 今回、Amazonで書籍を紹介するにあたり、電子版無料の広告を載せてみた。ぜひ、利用してみて!電子オリジナル版では、沢木耕太郎氏撮影「旅のフォト」も収録されていて秘蔵版ともいえそうだ。

•目次(すごく多いがいいタイトルばかりなんで羅列した)

夢の旅/縁、というもの/贅沢の効用/近くても遠いところ/皮膚が変わる/絵馬の向こう側/朝日と夕日/点と線と面/がんばれ、宇都宮線!/心の華やぎ/終着駅/風の岬/なりつづける/人力飛行機/赤と青/最後の一瓶/ごめんなすって/太宰の座卓/初めての駅、初めての酒場/兼六園までI/兼六園までII/床しさや/小さいけれど/葉桜の季節に/情熱についてのレッスン/今が、時だ/旅の長者/子ネズミとばったり/臨海と林間/もうひとつの絶景/水で拭く/寄り道の効用/過去への回路/浄土ヶ浜から/あの夏、私は……/書物の行方/車中の会話/駱駝に乗って/一瞬と一瞬/雪/夜のベンチ/あとがき

さ、まだまだコロナ禍、慎重に国内旅に出よう!



★2024年4月5日更新 『過剰な二人』林 真理子・見城 徹 (講談社)作家と編集者の仲直り対談~16年間の不仲を越えて書かれた名書【選書・文化】

【ブログ新規追加677回】

『野心のすすめ』の林真理子さんと、『たった一人の熱狂』の見城徹氏。

作家と編集者二人のカリスマによる「生き方の教科書」だ。

才能を見い出し、見い出され、また刺激し、磨き上げた編集者と作家の関係が濃密な名言の応酬となって一冊に凝縮された「とてつもない」一冊である。

過剰な二人』林真理子・見城徹 / 著 (講談社)

簡単レビュー

まず、目次が目を引く。

対談  過剰な二人の「失われた16年」

第一章 人生を挽回する方法

第二章 人は仕事で成長する

第三章 最後に勝つための作戦

第四章 「運」をつかむために必要なこと

目次を書いてみたが、どうだろうか?ハッとさせられる項目ばかり(笑)

一つの章の中に林さんが5本、見城氏が5本のエッセイや体験談をしたためている。

どう読んだって面白過ぎるし、やはり「事実に勝る物語はない」と感じさせる圧巻の文章だ。

さて、優秀な編集者に巡り合えたら、賞を獲得できるような作品が書けるのであろうか?

答えはYES。

しかし、それはどうやっって賞を獲れるか?をテキスト的に作家に伝授しまくって手練手管で書かせるのとは、全く違うものなのだ。

優秀な編集者は作家に戦いを挑ませるものだ。かの名女優の岸 恵子さんの作品「わりなき恋」は彼女が51歳の時に書かれた名作。日本文芸大賞受賞作品。

この作品もどっぷり見城 徹氏が関わったことで有名なのだ。その関り方とは・・・。

何かのTV番組で観たのだけれど、見城氏は岸さんのことを「文章は上手いけど、いつもきれいごとしか書かない」と一刀両断した。

このコメントをTVでたまたま観ていた岸さんはカッ!となって、「じゃあ、書きます!書くわよ!」となったという、彼女の執筆に対する熱量を上げるというか、闘争心を湧き立たせて名作を書かせたのだそうだ(凄)

岸さんが観るかど~かなんてわからないTV番組でのちょっとした話のネタに使ったわけ。ある意味確信的だなあと思った。

なんと、鋭い編集魂だろう。

わたしの拙い経験をちょっとだけ書いてみよう。

わたしは、書籍のレビューを小学館系列会社で毎週5本書くという仕事を約2年半続けたのだ。

その時お世話になった編集者(TSUNAGUさんという)彼には本当に文章の何から何まで教わった・・・と、書きたいところだが、実は、それほど教わってはいない(笑)


編集者TSUNAGUさんの一番得意とするコミュニケーション力は、とにかく書き手を「褒める」ことを実にスマートにやってくれたことだろう。

必死で書いた文章を褒められたら、誰だって飛び上がるほど嬉しいものだ。しかも彼は、どこがどう素晴らしい!のか?をちゃんと提示してくれた。

レビューを書き始めて2ヵ月が経ったころ、毎日にように記事に対するお褒めのコメントが届き始めた。

その内容は「〇〇さんの豊富な情報量と、文章の長さに圧倒されている、ダラダラ書いているように見えてちゃんと収拾されている!」というもの。

で、最後に「もっと、もっとたくさん書いてください!」と。

要するに情報とエピソードの両輪づかいで書いていたから、毎日わたしの小さなストーリーを書籍レビューと一緒に読んでいるのだと。(一粒で二度美味しいとも言っていた)

わたしにとっては、書籍は記事の本ネタであって、それを彩る周辺の情報だったり自分が体験したエピソードを散りばめるのは、今のブログの書き方とまったく同じ。

「短いストーリーを含む書籍のレビュー」は、わたしだけのオリジナルなわけ。

その部分を大いに褒めちぎってくれ、わたしの自信と書き続けるやる気に小さく火を灯し続けてくれたんだ。

やっぱり、編集者ってすごい!

見城氏は「人たらし」と言われているらしいけど、本当のことしか言わない鋭さは、何ものにも代えられない価値があると思えて仕方がない。

もう、何十回も読んだ「過剰な二人」を一度手に取ってみてほしい。

書く人もそうでない人も。

必ず、人との繋がりを濃くしたくなるよ(笑)




『カンブリア宮殿 村上龍の質問術』村上龍(日経文芸文庫)質問するって?質問の核を見つける重要性を説いた一書【選書・自己啓発】

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人気番組「カンブリア宮殿」のインタビュアーとして、300人以上の経営者と対談し、その人間的魅力と成功の秘訣を聞き出してきた村上龍氏。

対談相手や企業の歴史を「文脈」として把握し、本質的な質問、疑問を発見する作家ならではの手法をまとめた稀有な一書。

著者初の文庫版書き下ろし。

「カンブリア宮殿 村上龍の質問術」 (日経文芸文庫)

17人の経営者に対して、実際に村上氏がどんな想定質問を考え、そこから「核となる質問」を用意し、どう聞くことで、相手の本音を引き出してきたかを紹介するいわゆる番組の根幹を披露した名書だ。

例えば、自動車メーカーのスズキでは、タイトルに「安さと品質の追求」を掲げ、当時、ワンマン経営と名高い鈴木修社長が本当にワンマン経営者だったのか?との疑問に迫る。

鈴木社長が対談中に何度も「おれは中小企業のおやじで、あちらは大手さんだから」と言っていたのを引き合いに話を進めて行った。

村上氏「あちらとは?」

鈴木氏「トヨタ・ホンダとか」

村上氏「スズキにとってトヨタ・ホンダはどんな存在なんですか?」

鈴木氏「そりゃあ、あんた!雲の上の存在だよ!」と。

この時点でスズキはインド進出後売り上げ3兆円を記録していた。しかし、鈴木社長はいつだって、「町の中小企業のおやじ」だったというのだ。

人柄が企業を作る・・・この人柄を的確な質問で見事に引き出す村上氏の「質問術」がぎゅっと詰まった一書。

こりゃあ、読むしかないでしょ?

ライターさんから、作家さん、ブロガーさん、物書きと言われる職業の人にはぜひ、手に取って頂きたい書籍を紹介した。

わたしも、質問の名人になりたい!

『103歳になってわかったこと ~人生は一人でも面白い』篠田桃紅・著(幻冬舎)【選書・文化】 

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103歳になってわかったこと~人生は一人でも面白い』篠田桃紅・著(幻冬舎)

• 簡単レビュー

現代美術家・篠田桃紅(故)とは。(2021年3月4日で107歳の天寿を全うされた。)

「いつ死んでもいい」なんて噓。

生きているかぎり人間は未完成だとおっしゃる。

大英博物館やメトロポリタン美術館に作品が収蔵され、一〇〇歳を超えても第一線で活躍を続けた現代美術家・篠田桃紅。

(2022年は、東京オペラシティでの展覧会が開催中)

「百歳はこの世の治外法権」「どうしたら死は怖くなくなるのか」など、人生を独特の視点で解く。

生きるのが楽になるヒントが詰まったこれぞ珠玉のエッセイ集だ。

                   ★

文中のお話に「これは!大事な視点」だと思ったところを引用する。

~「真実は皮膜の間にある」という近松門左衛門の言葉のように、真実は求めているところにはありません。

しかし、どこかにあります。

雑談や衝動買いなど、無駄なことを無駄だと思わないほうがいいと思っています。

無駄にこそ、次のなにかが兆(きざ)しています。

用を足しているときは、目的を遂行することに気をとられていますから、兆しには気がつかないものです。

無駄はとても大事です。

無駄が多くならなければ、だめです。

お金にしても、要るものだけを買っているのでは、お金は生きてきません。

安いから買っておこうというのとも違います。

無駄遣いというのは、値段が高い安いということではなく、なんとなく買ってしまう行為です。

なんでこんなものを買ってしまったのだろうと、ふと、あとで思ってしまうことです。

しかし、無駄はあとで生きてくることがあります。

私は、3万円だと思って買ったバッグが30万円だったことがありました。

ゼロを一つ見落としていたのです。

レジで値段を告げられて驚きましたが、いい買い物をしたと思っています。

何十年来とそのバッグを使っています。

そして、買ってしばらくしてから、そのバッグの会社オーナーが私の作品を居間に飾っていることを雑誌で知って、あらお互いさまね、と思いました。

時間でもお金でも、用だけをきっちり済ませる人生は、1+1=2の人生です。

無駄のある人生は、1+1を10にも20にもすることができます。

私の日々も、無駄の中にうずもれているようなものです。

毎日、毎日、紙を無駄にして描いています。

時間も無駄にしています。

しかし、それは無駄だったのではないかもしれません。

最初から完成形の絵なんて描けませんから、どの時間が無駄で、どの時間が無駄ではなかったのか、分けることはできません。

なにも意識せず無為にしていた時間が、生きているのかもしれません。

つまらないものを買ってしまった。

ああ無駄遣いをしてしまった。

そういうときは、私は後悔しないようにしています。

無駄はよくなる必然だと思っています~『103歳になってわかったこと』からの引用。

                   ★

さて、わたしは今月また1つ歳を取る。

篠田桃紅さんからみれば、まだまだはなたれ小僧でしかないが、世間では「人生一区切り」などと言われ、引退や定年などを考えて、実行に移す人も多いお年頃だ。

無理はたくさん積み重ねてきたけど、無駄はしないように生きてきた。

無駄を推奨する桃紅さんとは真逆の生き方(笑)

こういっちゃあなんだけど、人の生き様って「ムダとムリ」から生まれるものかもね。

浪費なんて大嫌い!といいつつ、好きなお酒を飲むことやダラダラと文章を書き綴る時間、これら「浪費と言う名の矛盾」がわたしを彩るのだから。

桃紅さんのおっしゃることはきっと、こうだろう。

「人生に無駄なことなんか何ひとつないんだから」

「ま、せいぜいお楽しみなさいよ!」

はなたれ小僧の解釈だわん(笑)

★2024年3月13日更新 積み立てNISAを始める前に読んでおきたい書籍『』ディスカバー・トゥエンティワン【選書・ワークスタイル】

【ブログ新規追加654回】

積み立てNISAを始めたいと思い昨年だったか、WEB決済の楽天証券のアカウントを入手したがど~も、運用が面倒くさくてなかなか始められてはいない。

そうするうちに、だいたい積み立てNISAってなに?

どこが有利なの?

と、目的やなぜ利用したかったのか?あやふやになってたんで、ここでもう一度確認をしようと、思いたった。

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つみたてNISAとは、長期の積立・分散投資を通じた資産形成を後押しするために創設された税制優遇制度です。 毎年40万円まで投資することが可能で、最長20年間、投資から得た利益が非課税となります。

年間投資上限額: 40万円

非課税の対象: 非課税口座で保有する公募株式など

非課税期間: 最長20年間

投資方法の制限: 積立投資

資料先→https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/nisa/tsumitate/index.htmlみずほ銀行

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分散投資に対する税金非課税のこと。まあ、「持っている人」からすれば、こりゃあ積み立てておけばムダに税金を支払わずに済む有利な制度というか商品だ。

わたしは「持っていない」ので(笑)非課税をどーの・こーのとする場面が未だにないけど、知っておいて損はないなと、改めて週末勉強に組み込んでみた。

金融の知識をシュッと、頭に入れるために用意した教科書がこちら。

普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』山崎俊輔・著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

FIREとは、Financial Independence Retire Earlyの略で、「経済自由を達成して早期リタイアする」という意味。

わたしの知り合いは、経済的自由は達成したが早期リタイアはせず、今もガンガン働いている。

経済的自由というのは、投資や不動産などからの不労所得が日々の生活費を上回った状態を指す。

ここで、本書の一部を引用する。

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早いリタイアを希望するなら資産形成のピッチをかなり早く行う必要があります。自分がどれくらいの年齢でFIREを目指すか、取り組む早い段階でイメージをつくっておかなければいけません。

また、最後のゴールを決めるのもまた自分です。ある程度資産が貯ったなと思ったら、自分でFIREのタイミングを見極め、決断する必要があります。50 歳代後半以降であれば、計算は比較的簡単ですが、40歳代でのFIREであれば、そこまでつくってきた財産で本当に一生やりくりできるのか真剣に考えないといけません。

アーリーリタイアに入ったあと、やはり資金ショートの恐れがあるからと、再就職をして普通に稼ぎ直すのは難しいでしょう。

FIREは40歳で実現するという決まりはないのです。

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たんに、早期リタイアを目指す・・・とはちょっと視点が違う。

徹底的に金融や世界の情勢を勉強しつつ、投資家として慎ましく生活をするという姿勢を身に着けるための名書であることは間違いない。

わたしはまだガンガン働きたい人間だ。早期リタイアする気もないし、運用する資産もない。

しかし、こうも考える。

「働かなくても増えるお金の方が多い状態」がFIREで叶えられるのなら、知識と方法はいくらでも詰め込めるのだと。

しかも、こういった資産形成に準ずる知識を持っていれば、きっとどこかで自分や家族を救えるんじゃないだろうか?

50代の終わりにふと、そんなことを頭の片隅で考え始めている。