燃え尽きたいと望み叶わなかったボクサー・栄光の背番号3によって消えた三塁手/勝負の世界に何かを賭け喪っていった者たちの物語『敗れざる者たち』沢木耕太郎・著【選書・文化】

【ブログ新規追加426回】

オリンピック5日目、アスリートの誰もが、喉から手が出るほど欲してやまない金メダルを早くも掴んだ選手がいる。

一方で、なぜだか、不安が的中した・・・という金メダル候補、まさかの予選落ち。

それぞれの戦いが明暗を分け始めたオリンピックの晴れ舞台。

TVで観戦する側もハラハラドキドキしつつも、アスリートたちがコロナ禍の中どんな思いで戦ってきたのであろうかと、心中を察するあまり「すべての選手が全力を出し切って戦える」ようにと、願ってやまない。

そんなスポーツ一色の中、ずいぶん前に図書館で予約をしておいたノンフィクション作家でありスポーツライターである沢木耕太郎氏の著書『敗れざる者たち』が届いた。

さっそく、オリンピック中継を観ながら読み始めた。

敗れざる者たち』沢木耕太郎・著(文春文庫)

もくじ

1、クレイになれなかった男たち

2、三人の三塁手

3、長距離ランナーの遺書

4、イシノヒカル、おまえは走った

5、さらば宝石

6、ドランカー(酔いどれ)

                 ★

読後レビューする。

               

『敗れざる者たち』見事なまでに名著である。

実在の人や動物(馬)による実話を、著者 沢木耕太郎氏の手にかけると、まるで魔法がかかったみたいに、活き活きとした作品に仕上がるのだ。

それぞれのアスリートたちの戦い切った後の姿が爽やかなこと、この上ない。また、著者自身がその気持ちに浸り切った文章に圧倒されもする。

ここでは確かに、ボクシング、野球、競馬、マラソンで華麗にチャンピオンとなり一流と呼ばれ頂点に立つことが「叶わなかった」アスリートたちの、「報われない」競技人生がこれでもか!と描かれている。

しかし、敗者の気持ちに浸り切った著者、沢木耕太郎氏の描くアスリートには微塵たりとも暗い影はない。

あるのは、無冠の帝王とも言える「終わった者たち」の清涼感だけだ。

これは、いったいどういうことなのであろうか?しばし、本を置いて考えてみた。

そして、かすかだが答えを導き出せた。

それは、沢木耕太郎氏の描くアスリートは、その人本来の持つ人生を「生き切る」ことに「夢中」だったのだ。

著者は「夢中」さをコアに戦いを描き切った。

そこには感動秘話や涙も汗もすべてを飲み込んで戦ったアスリートの昇華した姿があっただけだ。

「夢中」はすべてに通じる魔法なのかもしれない。

                ★

今朝、近所のヒマワリ畑に撮影に行った。

まだ7月だというのに、すでに花びらを枯らしたヒマワリも多く驚いた。

しかし、その横には、すくすくと太陽を浴びて伸びる真新しいヒマワリたちの姿もあった。

花の世界も戦いのまっただ中。 まさに「光と影」だ。

メタ認知を学ぶ~いかに客観的になれるか?~主観的すぎる日常を見直す(新刊紹介有り♪)【自己啓発・メタ認知】

【ブログ新規追加410回】

ああ~〇〇しなきゃ・・・!あれも!これも!と詰め込むのが得意だ。

しかし、詰め込んだ先が義務的なモノゴトだったりすれば、義務に駆られた行動は失敗しやすい。

今、ほぼ治ったから言えるのだけど、病気にかかりやすい時はたいがい、何等かの目的に向かって驀進している最中だ。

誰も、わたしなぞの驀進に「待った!」をかけられない。

それはそうだろう。本人はある意味必死でそのモノゴトに向かっているのだから。

激励こそすれ、とても「止め!」なんて言えないだろう。

この止め!と言える賢人が「超客観的」にモノゴトを推しはかる資質の持ち主だと言える。

そう、「メタ認知」能力のことだ。

ここで、簡単にメタ認知の説明をしよう。

• メタ認知とは

メタ認知とは、自分が認知していることを客観的に把握し、制御することだ。

要するに「認知していることをさらに認知する」ということ。

• メタ認知提唱者の紹介

ジョン・H・フラベルがメタ認知の基本となる概念「メタ記憶」を定義したのは1976年のこと。

その後、A・L・ブラウンによって「理解への理解」である「メタ理解」や「注意を注意する」「メタ注意」など、「メタ」の概念についての研究が盛んに行われ深まって行ったのだ。

• メタ認知の定義をごく簡単に説明

メタ認知の定義は「認知していることを認知する」である。つまり、「人が認知するに至ったきっかけから結果に至るまでのすべての事がらを、自分自身で把握する」ということにある。

たとえば、自分が何かをしている。その姿を少し離れたもう一人の自分が冷静に見ている・・・こんな感じを経験したことのある人もすくなからずいるようだ。

こうした、「自分が能動的に行っている事がらについて、もう一人の自分が客観的な立場から、その事がらを調整したり、調和したりする能力を「メタ認知」と定義しているのである。

• メタ認知の機縁はソクラテスから

メタ認知概念の起源をさかのぼると、古代ギリシャの哲学者ソクラテスに辿りつく。

無知の知」・・・要約すると、「彼らは何も知らないのに、知っていると思い込んでいる。私(ソクラテス)は何も知らないということを知っている」と。

まさに「自分が認知している内容を認知している」ソクラテスはメタ認知が進んでいたからこそ、生まれた「無知の知」という名言だそうだ。

この考え方がメタ認知の機縁となっているんだと改めて知った。

参考資料→【メタって何?】https://www.kaonavi.jp/dictionary/metacognition/

冒頭の、〇〇しなきゃ!という義務感むちむちじゃあ、とうてい客観的にはなれない。

今朝、まだ病後ゆえ週末の買い出しの時間を遅くして、夫とともにゆっくりと出かけた。

梅雨の晴れ間で、溜まった洗濯や湿ったマットなんかを先にサッサと干したい!のはやまやまだけど、洗濯機を回す時間に買い物をしよう・・・と、いつもより気持ちゆったりめに構えて出かけた。

一つ二つは捨ててもいいくらいが丁度いいのだとわずかに思えた。

これまでは、ぜ~んぶやってから次へ行く、強行スタイルだった。

たぶん、詰め込まずにこうした緩急のつけ方を普段から取り入れていれば、先日来の病気にもかかりにくかったのかもしれない。

反省・反省。

最後に

メタ認知を科学者の視点からギュっと取り入れて、「映画と脚本のしくみ」を解き明かす新刊(2021年/1月30日発行)を紹介しよう。

脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』ポール・ジョゼフ・ガリーノ+コニー・シアーズ著(フィルムアート社)

• 書籍概要(今朝、読んだばかりのほやほやレビュー)

映画を見る時、頭の中では何が起こっているのか?

一本の映画にのめり込むために観客には何が必要か?

認知神経心理学をフル活用した、一歩先に進むための脚本術!

☆彡

目や耳などの現実の情報を知覚する器官の機能から、感情や意思決定と複雑に結びつく脳神経にいたる、人間の知覚認識のプロセスを順に詳細を明らかにして行く内容だ。

これまでにない新しいアプローチの脚本術。

映画「スター・ウォーズ」を例に取り上げながら、「映画を見ている時に心と脳には何が起きているのか?」を科学的に説明する。

必見なのは、「物語を語る手法=ストーリーテリング」の原則とその戦略を明かしているところだ。

映画脚本だけでなく、小説、漫画、ゲームなどあらゆる物語に関わる分野においても多大なヒントとなるだろう。

本書〆のことば

~人間の知覚の限界と脳の認知プロセスの無限の可能性を理解すれば、あなたの脚本は「完璧」になる!~

                 ☆彡

さて、土曜日の夕方、少し病後の疲れが残るところで、「エイ!」っと、ブログは書いてみた。

わたし的メタ認知を働かせてみると、このブログは義務でやってはいない。

なんでもいいから書いてアップするなんてことは絶対にしない。

それゆえ病気の時は休みを取った。

ちょっとだけ客観的になれた(笑)成長できた話。

皆様もど~か、しっかり休んで良い週末をお過ごしください。


『1Q84 BOOK1 4月-6月』村上春樹・著(新潮社)【選書・文化】

【ブログ新規追加409回】

あなたの本棚には、「村上春樹」の本ってある?

あるとすれば、「ノルウェイの森 上・下」とか?

そうそう、あの一世を風靡した「1Q84 1/2/3」もあるんじゃない?

でも、それって読んだ?

わたしの、周りの読書家も、そうでない本好きでも誰も読んでないのよね。

わたしの友だちが言ってたの。

「ああ、あのタイプは本棚のオブジェよ」と。

いうなれば飾り。

現代では、むつかしい世界の文学全集とか、ほぼ見かけなくなった。

それだったら、当代きってのノーベル文学賞にこの数年、毎年ノミネートされ続ける希代の作家「村上春樹」のベストセラーが、部屋の本棚に並んでいるというのが、現代のアカデミズムなんじゃあないんだろうか?

たとえ、読んでなくても「持ってる」ことに意味があるのかも(笑)

              ★

1Q84」→推定部数(シリーズ3作)300万冊を売り切った。要するに大ヒットベストセラーとなった。

こぼれ話だが、2006年に「フランツ・カフカ賞」を受賞して以来、毎年「ノーベル文学賞」を受賞するかもしれない、という話題がある。

その中、この「1Q84」は2009年5月に発売された。当時は発売前の事前注文も空前の冊数を記録したし、どこの本屋でもピラミッドやトーテムポールを狙ったかのようなオブジェを「1Q84」商品で作り、世間をあっと言わせる購買戦略を取った書籍である。

そうそう、売り方もオブジェさながらだった。

書店営業を始めて1年がたった頃だった。

で、わたしもその大ベストセラーを購入しようか?と、ずいぶん迷ったが、なぜかスル―してしまった。

その理由が、「ノルウェイの森」を読んで、気分が悪くなったトラウマからだった。

以外なほど、村上氏の作品には、男女の営みが多く描かれている。その辺だけでも受け付けにくかったのもある。

でも、書かれている場所が新宿だったり、国分寺だったり、知っているというのは馴染みが良く、JAZZの話、バーや喫茶店での過ごし方やJBLのスピーカーから醸し出されるJAZZの音色の話はわたしをときめかせたりもした。

やっぱり、トラウマになった決定打は、この作品全体の持つ「暗さ」だ。「自殺」をテーマにしてるのもねえ。

わざわざ自殺するために読むような本だったとは。(あくまでも個人的見解ゆえ)

でも、「ノルウェイの森 上・下」で村上春樹という作家を認知した人は多いだろう。

で、問題なく大ベストセラーとなり、映画化された。

わたしの気分が悪くなろーが、イヤだろーがそんなのカンケ―ネ~だった(笑)

                ★

先日なぜだか、夫がブックオフオンラインでこの大長編作「1Q84」全3巻を買い求めた。(大人買い・笑)

理由は、内容だったようだ。
(リーマンショック後の金融と経済資本主義の行方などから)

わたしは、とっさに「いよいよ、読む時が来た!」と、勝手に夏休みの読書スケジュールに入れようと考えた。

しかし、今回の皮膚細菌感染症の悪化から股関節炎に罹り、丸三日なにもできず、家に籠る日ができたことから「1Q84 1」を読んだのだ。

希代の作家の作品を13年ぶりにひも解いた。

本の帯には「Q なにが起こっているのだろう。」という一文が書かれている。

まるで、わけのわからない細菌に感染したわたしの心境みたいだと思った(笑)

そして、ダブル主人公の青豆(29歳女性)と天吾 (29歳男性)という二人の数奇な運命に翻弄されつつも、スリル満点のサスペンス仕立ての文章がなにより素晴らしい。

エンターテインメントとして、最高に楽しい読書ができた3日間だった。

              ★

簡単レビュー

主人公は2人だ。

青豆(あおまめ)女性で29歳、仕事はスポーツクラブのインストラクターだ。もう一人の主人公である天吾(てんご)男性も29歳。予備校の数学講師をしながら小説を書いている。

これで、何をいわんとするか?といえば、二人が同じ町の同じ小学校に通っていた過去がある。

第1巻の途中にその場面が出てくる。

父子家庭だった天吾。NHK視聴料を集金する父親。その父親に日曜日は集金で一日中連れまわされる。そんな過酷な生活が小学5年生まで続いた。

意外なほど天吾は体が大きく、浅黒く勉強もできたことから、クラスでは一目置かれる状況。しかし、NHKの集金で父親と町中を歩いていた時、クラスメイトにその姿を見られてから友だちはいなくなった。

一方の青豆は「〇〇〇の証人」という新興宗教の信者だった母親に連れまわされ、週末は電車で様々な街へ布教活動に出ていた。それも5年生まで。クラスでは、親しい友だちもいなく、いつも一人でいた。

ある日、理科の実験中に同じテーブルの男子に「こいつんち〇〇〇の証人でさ、手術も輸血できないんだってよ!」と、みんなの前で青豆を非難し始めた。その騒ぎから青豆を救ったのが天吾だった。

同じ境遇を感じたのだろう。

そんな天吾と青豆は孤独な10歳の少年少女として、誰もいない放課後の教室で黙って手を握り見つめ合う。

10歳になった時、天吾は父親に「もう集金には行かない」と宣言した。時同じくして青豆も母親に「もう布教活動に行かない」と宣言し、家を出た。それから行く当てのない青豆の壮絶な人生が始まった。

しかし、そのまま二人はそれぞれの事情で別れ別れになってしまう。相思いながら互いの消息を知ることなく月日は流れていった。

青豆は、いつかどこかで天吾とすれ違う日(出会う日)を願って生きてきた。

1984年4月、2人は個別にそれまでの世界と微妙に異なる「1Q84年」の世界に没入していく。

ある老婦人から依頼を受け、人を始末する殺人鬼となっていた青豆。自分で開発した武器を使って29歳ですでに3人をあっちの世界へ葬った。

小説家になるため、ある編集者から依頼を受け「新人文学賞」ノミネート作品の総書き直しを仕事とする天吾。

青豆は某カルト教団(〇〇〇真理教)のトップリーダーの暗殺を依頼され企てる。

一方の天吾は書き直した小説が見事新人賞を獲るも詐欺行為だと心底思い悩む。

そこから新人賞元作者と元作者の育ての親から聞かされる某カルト教団の胡散臭いというか血なまぐさい活動の全貌を知るのだ。

書き直した新人賞作品に書かれているのは、某カルト教団の真実なのか?

青豆と天吾の距離が少しづつ近づく超大作サスペンス。

ここまでが第1巻。

次も読むか?

当然でしょ!



                

細菌の次は毒出しで~昨日はたくさん励まして頂き、感謝のお返し~🎶【選書・自己啓発】

【ブログ新規追加402回】

毒出しのやり方は、「一日2~3回、40度ぐらいの白湯を飲む」これだけで体のすみずみまできれいになるそうだ。

体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』矢城 明・著(サンマーク出版)

毎日、毒をためているってこと?ものすごく驚きながら読んだ。

食べた物が体の中で腐敗するとか、考えるだけでも憂鬱なものだ。

今や新型コロナウイルスの感染不安は続いているのだから細菌に関してもスル―できない状況よね。

今のわたしは、その細菌に軽くやられてしまった。だからこそ、細菌に対する向かい方を昨日は病院でのアレコレと共にここに書き残しておいたんだ。

一時は大事にする教えも、のど元過ぎれば忘れるって。

忘れないように書くブログの重要性に改めて気づかされた。

で、昨日のブログがこれ。

              ★

また、昨日は本当にたくさんの方々から、温かい励ましの言葉も頂いた。

わたしは心からはほんわかしたし、「よし!しっかりと治して行こう!」と、弱っていた気持ちがみるみるうちに、前向きになれたの。

「励まし」の力ってすごいパワーがあるのだ。

だから、自分の体にも「励まし」のパワーを送っている最中。

細菌に打ち克つパワーを具体的な言葉、例えば「がんばれ!」とか「大丈夫!」とかなるべくシンプルな言葉かけで注入している。

そして、少しでも良くなったら、存分に褒めてあげるのだ。「やるじゃん!」とか(笑)

ご自愛とか言うけれど、たんに自分に好きなモノやコトを与えるのではなく、

しっかりと、言葉にして与えてあげるべきだろう。

体は、その言葉を聞いてしっかり受け取り、そのように動いてくれるものなのだから。

             ★

今日、皮膚細菌感染症で仕事を休んでいる。

体にいいとかばかりじゃあなく、言葉をかけられるところを見つけて、

言葉かけの日にしているよ。

たとえば、今月で退職されるおふたりの大先輩への言葉とか。お誕生日を迎えた方へとか。

「言葉」は何より精神的安定と健康を促進する薬のようなものだ。

さて、お昼(ニラとチーズのお好み焼き)食べたら、健康促進の薬を送る人を見つけようっと(笑)

『日本で、ヒュッゲに暮らす』イェンス・イェンセン PARCO出版【書評・文化】

【ブログ新規追加394回】

日本で、ヒュッゲに暮らす』イェンス・イェンセン・著(PARCO出版)

ヒュッゲって何語?デンマーク語だそう。綴りは「Hygge」と書く。動詞でも名詞でも使え、「Hyggelig(t)」と書けば形容詞にもなる。

この言葉の意味は、「嬉しい・悲しい」などの人が感じる気持ちを端的に表している言葉なのだそうだ。

ちなみに、みんなでお酒を呑んで、ワイワイやるのはヒュッゲとは言わない。

要するに「楽しい」という感情は違うのだそうだ。何やらめんどくさ・・・。

• チルってる?とヒュッゲは同意語かどうか

そこで、少し前に、日本の若い人の間で流行った「チル」という表現を思い出したのだ。

このチルとは、「のんびり・まったり」や「癒し」などの心身のリラックス状態を表す言葉。

若い人の間で特にネット上で流行ったスラング(俗語)だ。

テンポの遅い曲をチル系と呼んだり、そういったゆるいライフスタイルを好む人たちをチルアウト系と呼んだりするのだそうだ。

これって、デンマークのヒュッゲに似てない?ひたすら心地よい空間を求める生き方や仕事の仕方が日本でも若い人の間から沸き起こっていたのを思い出した。

• 著者のいうヒュッゲの実現には時間が必要

日本とデンマークの決定的な違いは時間の使い方だという。デンマークのライフワークバランスの取り方はこうだ。

1日を3つのブロックに分ける方法(①仕事8時間 ②自分の時間8時間 ③寝る時間8時間)だと。

日本人はもっと働いているように思うとも。その仕事時間革命を奥さんと始める著者。

そういった人間本来のあり方をデンマーク人でありながら日本に住んで体現している様を一冊にまとめた書籍だ。

• さっそく読後感想を。

たしかに、ちょっとおしゃれだが、著者自身の文章に男性特有の無骨さがある。

まず、仕事の時間配分について、日本人である奥さんの働き方に異論を唱え徹底的に話し合う。

その結果、奥さんが仕事を辞めて、本来やりたかった手仕事を始めるというくだりでは唖然としてしまった。

「すごく話し合った」のだという。すべてにおいてこの繰り返しだったら・・・。

ちょっとわたしには合わないと率直に感じた。

「日本人は仕事が命」そう言い切る著者。だが、どうだろうか?今の日本で先ほど取り上げた「チル」する若者の存在を知っているのであろうか?まあ、4年前だから仕方ないか。

じわじわと、周りが変化しているかもしれないよね。

自分の親世代の生き方をどこまでも大切にする著者。わたしには「圧」を感じる文面が多かったのも事実。

しかし、何か生き方の柱のようなものを求めている場合には、大いに取り入れるのもいいのかもしれない。

一冊の本から生活規範を学ぶのも悪くはないだろう。

この書籍は2018年刊行された。それから約4年の間にコロナをはじめ、大きく世界は変わったのだから、「今までの生活習慣がすべて正しい」とはとても言えないと感じた。

                 ☆彡

もくじ

はじめに

1章 ヒュッゲなインテリア

2章 おいしい時間のヒュッゲ

3章 心がふれあうヒュッゲ

おわりに

•さて、 簡単レビューを書く

~北欧デンマーク流ライフスタイル“ヒュッゲ”で心地よく暮らすアイデア。

家具・食事・時間の工夫で変わる。

日本で“ヒュッゲ” を感じて豊かに生きるヒントがいっぱいデンマーク+日本の混合ヒュッゲで暮らしをもっと楽しもう~

                ☆彡

徹底的に「心地よく暮す」に注力した本だ。

子育て、パートナーシップ、コミュニティの在り方、仕事の仕方など様々な範囲を網羅している。

しっかし、おしゃれな北欧ばかりじゃないよ!と、小さなパンチを喰らった一冊。

たまには合わない本も紹介したくて登場させた。

興味があればぜひ!

『建築家になりたい君へ』隈研吾(河出書房新社)【書評・ワークスタイル】

【ブログ新規追加384回】

建築家になりたい君へ (14歳の世渡り術) 2021/2/26発刊

まだ、刊行されて4か月に満たない新刊のレビューを書く。

~10歳で建築家を志し、国内外で多数のプロジェクトをてがける今もっとも注目の建築家が建築知識満載で綴る10代へのメッセージ。

今年、後半に隈研吾氏の設計したところへ行く予定を立てたばかりで、せっかくなんで前持って勉強しておこうと手に取ったのだ。

建築家とは、そしてこれからの建築とは――。

もくじ

はじめに

隈研吾と主な建築物(写真)

第1章 動物好きから建築好きへ
はじめて出会った建築家
教会と「ぼろい家」
ものすごい「高さ」の衝撃
建築の「追っかけ」になる
家族の設計会議
高さの時代――1964年
食べ物と建築家
建築家と蝶ネクタイ
父の社会訓練

第2章 人間を知らないと、建築は作れない
キャラの濃い神父さんばかりの学校
3日間誰とも話さない強烈な「黙想」体験
「建築を作る」という最大の罪
期待を裏切られた大阪万博
アフリカへの夢
建築と学園闘争の関係
建築の奥にひそむ社会問題
日本の高度成長を支えたnLDK住宅
人間を知り、建築を知る

第3章 夢のアフリカ旅行が教えてくれたこと
偉大な先生との出会い――在来木造と建築保存
変わり者の先生と誰もいない研究室
アフリカへ行きたい
行くまでの準備で学んだ「大人」との喋り方
アフリカで学んだ「人を信じる」こと
建築家をそばで見る大切さ

第4章 アメリカ留学で気付いた日本の魅力
「大人」の勉強をした6年間
時代の変わり目のニューヨークで学ぶ
建築界の神様達の人間らしさ
直接会ってみないとわからない
アパートに敷いた2枚の畳
日本の伝統建築の再発見

第5章 はじめての建築――“脱衣所”みたいな「伊豆の家」
スタートに出遅れたことが役に立った
はじめての建築――脱衣所みたいな家って?
建築は芸術か
脱衣所を現代の茶室に

第6章 予算ゼロの建築――「石の美術館」
「仕事がない」ことこそ大切
建築家は長距離走者
予算ゼロの建築依頼
エンジニアとのチームワーク
恥をかくことは挑戦の第一歩

第7章 日本の田舎から世界の田舎へ――中国の「竹の家」
中国への初挑戦
建築は「流れる」もの
現場で浮かんだ「竹の長城」のイメージ
熱意に応えれば、何倍にもなる
短所も大事な個性のひとつ

第8章 ハコの先の建築を探して
「小さい」事務所から「大きい」事務所へ
キャラ立ちした建築って?
いい建築は、まわりの人に愛されてこそ
建築家とは待てる人
新たな時代の「低い」国立競技場
世界へ飛び出すおもしろさ
「小さな仕事」をやり続ける
「傘」で挑んだ新たな時代の家

ここからはいくつかの章からのレビューをどうぞ↓

● 第1章レビュー

~初めて出会った建築家とは?

1964年の東京オリンピックの時に、父親に連れられて、丹下健三先生の設計した国立代々木競技場を見た時、建築家になろうと決心したという。わずか10歳だった。

その日、初めて建築家という職業があることを知ったのだ。それまでは、漠然とだが、ドリトル先生の影響や猫との暮らしから将来の職業に「獣医」を思い描いていた。

10歳、小学校4年生の時に獣医から建築家への道が開かれたのだ。

● 第5章レビュー

~スタートに出遅れたことが役に立った~あの建築家を超えるエッジとは?

1986年、設計事務所を東京に立ち上げた。当時の日本はバブル経済の真っただ中。土地の値段はグイグイ上がり続け六本木のクラブではボディコンギャルが毎晩踊り狂うという異常な感じの日々だった。

当時、最も流行った建物は「コンクリート打ちっぱなし」というおしゃれというかクールで無機質な建築を大手ゼネコンが次々と建てて行った。

「コンクリート建築」といえばあの人をおいて他には見当たらない。安藤忠雄氏だ。高卒で元ボクサーで、独学で建築家になった類を見ない非凡な安藤氏。

安藤氏、衝撃のデビュー作「大阪・住吉の長屋」は研ぎ澄まされたコンクリート打ちっぱなしの住宅だ。(1976年)時代の先端に立つ安藤氏の建築に誰もかれもが酔いしれた。

「都市ゲリラ」というのが、当時の安藤氏のキャッチコピーだった。消費社会のうわっついた中身のないペラペラな世相に対し、飾り気のないコンクリート打ちっぱなしという素材でクサビを打ち込んだのだ。

そんな孤高の存在感に隈氏のまわりの建築家志望の仲間が、どんどん安藤信者となって行く。その中の一人がある日、安藤氏にダイレクトでコンタクトを取り、住吉の長屋を見せて頂ける機会を得たのだ。

もちろん、隈氏も同行した。友人たちは住吉の長屋のディティールの美しさに大絶賛。一方の隈氏は終始白けたムードだった。確かにシンプルで美しい。ただ、すでに住まわれている方は広告代理店勤務の高収入エリート。大阪のど真ん中に土地を持ち、あの建築を建ててもらう、言わば勝ち組だろうと。

隈氏はとっさに感じた。

「どこがゲリラなんだ?!」

「反体制、反資本主義とかポーズじゃないのか?!」

庶民に寄り添う建物の概念がまったく違う建築を目の当たりにして、一気に白けてしまったのだった。

ただ、当時の安藤氏は「住吉の長屋」「光の協会」などコンクリート打ちっぱなし建築においては氏の右に出る者などいない状況だ。

安藤作品との出会いが、独自の路線を歩み始めるきっかけとなった。

ここから、隈氏の一歩出遅れた巻き返しが始まる。透徹した木材や紙など身近な人に優しい素材を用いた建築に没頭していく。

その数年後、石を使った教会を建築するが、基本的には木材を筆頭に竹や段ボール、トタンなどの安い素材も資材として大いに使用していった。

隈氏の一環している建築への着眼点は、ただひとつ。

それは「普通の人、謙虚な人」この目線を持ち続けてきたのだそうだ。

~建築家自身が徹底的に普通の人、謙虚な人でなければならない。独特の考えや美意識を押し付ける人は神であっても建築家には不向きなのだ~

ここまで、読み進めて建築家は神様でも変人でもなく普通の人だったのだと、誤解が解けたような気がした章だった。

● 第6章レビュー

~「仕事がない」ことこそ大切~

1980年、東京でいくつかの都市計画に準ずる建設を依頼されて意気揚々と挑み続けていた矢先、1990年バブル崩壊を迎え、依頼されていたすべての仕事が瞬く間に無くなった。

それから、東京での建築依頼を受けるまでなんと、10年を要するのだった。

しかし、この10年があったからこそ、己の建築技術を磨く最高の暇を天から授かったのだと、心から言えるのだそうだ。

今、建築家を目指す若い人への「メッセージ」を上げるとすればこう言ってあげたい。

~仕事がないことが建築家にとって一番重要です。仕事があると、ついつい仕事に追われてしまう。仕事がないと、いろいろ考えることができ、自分の方法、自分の建築を見つけられるかもしれません~

隈氏の仕事観で最も重要な観点は、「常に長距離走者であれ!」と言い続けているところだろう。「人とモノに興味を持ってしんぼう強く、遊ぶように走り続けよう!」と、若い建築家志望へのエールを贈っているのだ。

最後に

久しぶりに一気読みをした。写真の先週借りた本はすべて目を通すも、レビューを書きたい!と、思えた本はこの隈研吾氏の本だけだった。

わたしが、レビューを書きたい!Amazonの広告を載せたい!と感じる書籍に共通してる視点は、「本の中に埋蔵金=人生の宝が隠されている」と、感じた場合のみ。

誰にでも簡単に埋蔵金を見つけるのはちょっと難しいかも。

それでも、一度騙されたと思って読んでみて!

わたしでも見つけられなかった、埋蔵金を見つけられるかもしれない。

可能性しかないよ(笑)

読書はまったくもって計り知れない、

エルドラドだね。




エルドラド(黄金郷)なのだ。

おすすめシネマ~ブックセラーズ~NYブックフェアとは売買と発見の間を走るジェットコースターだ【書籍の文化】

【ブログ新規追加383回】

ブックセラーズ 簡単レビュー

~味わい深くてクレイジー。希少本の世界へようこそ!~

「NYブックフェアとは、売買と発見の間を走るジェットコースターだ」

品揃えで個性を競う老舗書店やブックディーラー、希少本コレクターが集結。その舞台裏を追いながら、ブックセラー奥深い世界をひもとくドキュメンタリーだ。

登場人物は皆「味のある変人」ばかり。

「世の中にはコレクターと、コレクターを理解できない人の二種類が存在するものだ」と、変人たちは口を揃えていう。

見た事のない本、それにまつわる逸話、伝説のディーラーやコレクターのエピソード満載。普通の書店だけが本の流通する世界じゃない。まったく知らない世界が暗躍する。

気のきいたかっこいい編集で99分あっというま!だそう。

しかし、緊急事態宣言下の東京では上映会場が激少ない(泣)

ヒューマンシネマトラスト有楽町とかキネカ大森・・・だけ。

早くTSUTAYAとかのレンタルDVDがリリースされないかな。まだ映画上映中じゃあ、無理だよね。

というわけで、「本好きコレクターが挑む希少本の世界」といったディープな内容の映画の紹介だ。

わたしが日頃感じているのは、本屋は基本的に本好きが勤めている場所なのだ。

本の話ならもれなく聞いてくれるし出版社の話を聞く義務ともいえる使命が存在する。

ああ、この人は本が好きなんだな~と感じる書店員さんに出会えると「同胞感」を感じるほど一定の安心感が漂う。

だから、この映画、本を売るわたしが観なくて誰が観る?

わたしもまだ観ていない。観たらこのページを更新する使命があるとさえ思っている。

監督 D・W・ヤング

製作 ジュディス・ミズラキーダン・ウェクスラーD・W・ヤング

製作総指揮 パーカー・ポージー

キャスト

~この映画に登場するブックピープルの顔は、どれも例外なく美しい~



『本を読む人だけが手にするもの』藤原和博(著)~本を読む人・そうでない人の階層社会【書評・文化】

【ブログ新規追加371回】

「これから先の日本では、身分や権力やお金による階級社会ではなく、本を読む人とそうでない人に二分される階層社会がやってくるだろう」本書、奥付より抜粋

『本を読む人だけが手にするもの』藤原 和博・著(日本実業出版社)

【本書レビューと雑感】

本書は、「なぜ、本を読むといいのか?」について考える本である。

わたし達は、子どもの頃から、親や学校の先生に「本を読みなさい!」と言われてきた。

しかし、「どうして読まないといけないのか?」「読むといいことがあるの?」など、疑問がいつでも沸き起こっていた。

「どうして本を読むのがいいの?」と、子どもに正面から問い返されたら、あなたならどう答える?

・・・理路整然と、答えられる大人はなかなかいない。

そもそも、子どものころに親や先生に言われて「何となくいいから」で、本を手に取ってきた幸運な人はそれで万事OK。

厄介なのは、親や先生から読書を勧められ過ぎて、イヤになった人だろう。そういった読書に苦い経験を持つ親は、そう簡単に子どもに本の必要性を伝えるなんてまず、無理だ。

そうした、本についてビターな経験を持つ方にぜひ、手に取って頂きたい本である。

この本では、いわゆる「速読術」や「読書法」などの読み方スキルについては一切書かれていない。

書かれている本筋は、「読書で人生を磨く」これに尽きる。

現在、コロナ禍で外出を控える人が増え続けている。毎日書店営業に出ているが、お客様はかなり戻ってきている感じ。

長い自粛生活では、食料の次に本が必要とのデータもある。皆、本を求めているんだ。こんなグレーの時代を生き抜くために本は不可欠な存在なのだ。

本書で読書や本について深く考えるきかっけになってもらえれば幸いだ。

                 ★

【本書概要】

本書は、東京都の義務教育では初となる民間企業出身の校長を務め、現実社会と教育をリンクさせた「よのなか科」という大人気の授業や、ベストセラーで知られる藤原和博氏が、「人生における読書の効能」について語る。

目次から、要点をひも解いてみよう。

• 序章「成熟社会では本を読まない人は生き残れない

現代は「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に二分される階層社会になりつつあると警告。

• 第1章「本を読むと、何が得か?

「読書量と収入の密接な関係」「読書によって身につく、人生で大切な2つの力」など、読書のメリットを答えていく。

• 第2章「読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること

「1冊の本にはどれほどの価値があるのか」「本を読むことは、2つの『みかた』を増やすこと」など、本を読むことの本質に迫る。

• 第3章「読書は私の人生にこんなふうに役立った

「自分の意見をつくり上げるための読書」「読書で人生の鳥瞰図を獲得する」など、人生と読書との関連性がリアルに綴られていく。

• 第4章「正解のない時代を切り拓く読書

21世紀の成熟社会に不可欠な「情報編集力」とそれを構成する5つのリテラシー「コミュニケーションする力」「ロジックする力」「シミュレーションする力」「ロールプレイングする力」「プレゼンテーションする力」を、いかに読書で磨いていくかを解説。

• 第5章「本嫌いの人でも読書習慣が身につく方法

読書嫌いの子も少なくなかった中学校の校長時代の経験なども踏まえ、いかに読書を習慣化させるかを、現実的な側面からポイントを押さえていく。

• 巻末「藤原和博の「これだけは読んでほしい」と思う本・50冊

ビジネスパーソンに読んでほしい14冊」「学校では教わらない現代史を学ぶ10冊」「小中学生から高校生の子を持つ親に読んでほしい15冊」「子どもといっしょに読みたい11冊」という著者のおすすめ本も紹介している。

                  ★

久しぶりにがっちりと書評を書いた。3年のあいだレビューライターを兼業でやっていた頃の自分を回想した。

当時のわたしは、朝5時~7時をブログ執筆、7時~9時を一日分の家事、9時~17時を本業で外出、17時~21時を夕食、風呂(団らん)、21時~23時をブックレビュー執筆、その後就寝。

これでみると、執筆と言える部分は朝の2時間と夜の2時間の計4時間。少ないような丁度いいような。絶妙なバランスかもしれない。

2時間あれば、一本書けるし、推敲もわりと丁寧にできる。しかし、ブックレビューを書く場合、対象本の熟読が必須だ。

では、その熟読をど~していたのか?

それは、一週間で多い時は5冊のブックレビューを書くため資料は前もって届けてもらって、前週の土・日にはすべての本をざっと一読みして、キーポイントを見つけて付箋をつけておいた。

キーポイントに貼った付箋を手引きに、毎日一冊づつ書き上げて行く。そしてすぐに納品せず、5本書き終わったら土・日に全部推敲し、文章のアレコレを精査して翌日の月曜日の朝に納品。

そして、納品後、午後には次の5冊の指示(次書いて!)が届くので、同じルーティンで書き始める。

この方法で、3年間で250冊ぐらいのレビュー記事を書いた。

と、書き出してみたが、どこにも熟読していた形跡はない(汗)

年間、約300冊を読書してきた習慣が役に立った仕事だった。暇さえあれば、いつでも本を読んでいる生活だからできた仕事だね。

今では、ブックレビューもこのブログで書くだけで、小さな自分仕事に落とし込んでいる毎日だ。

深く読める日常が戻ってきてからは、わたしなりの「ベストセラーの読み方」とか、「古典の読み方」など、新しい着眼点を持てるようになってきた。

仕事も出版営業だし、ブログも本を中心に書いている本から離れられない「本の虫」だ。

ブログは自分流「かわら版」だと思って気楽に書いている。しかも、気持ちも書評も自分の言葉で書く。

どこかの誰かの借り物じゃない文章を書く毎日。

どうか、わたしのブログから「本好き」が伝染するように願う(笑)

『人より20歳若く見えて、20年長く生きる! 』澤登雅一・著(ディスカヴァー携書) 新書 の紹介【書評・健康/自己啓発】

【ブログ新規追加364回】

日本人男性の平均寿命は79歳。

ということは、この本のタイトル通り、20年長生きすれば99歳まで生きられる?

久しぶりの書評は「アンチエイジング医学」の名医、澤登雅一氏の『人より20歳若く見えて、20年長く生きる! 』(ディスカヴァー携書) 新書を取り上げてみよう。

アンチエイジングの興味のない人なんていないだろう。誰でも「いつまでも美しく、長く生きたい」と願ってやまないものだ。

本書で著者はなんと、125歳まで健康で行きたいという視野をお持ちだ。

そうなると、わたしは、まだ人生の半分も生きていない!

そうそう、わたしは何歳まで生きたいとか、現実的に考えてはいないけど、こうなったら、125歳を目指してみようかな(笑)

しかも健康的にだ。

12年前に脳出血を患って命拾いした。それから、身体の悪い血や水を総入れ替え(オーバーホール)ができた。

今では、ウォ―キングやトレッキングを楽しめるほど健康的になった。夫の糖質制限も一緒にやっていて、贅肉のつきにくいカラダを目指して地味にトレーニング中なのだ。

要するに病気をした12年前(40代)より、今のほうが、ずっと健康的だし、実際回りからも若いね!っと、言われて気をよくしている。(でも、それ相応に歳はとってる・笑)

血圧も中性脂肪も肝臓機能も軒並み数値は良好。

本書では、男性の健康寿命を延ばす研究が主流だ。50年前の日本人男性の平均寿命は58歳程度だったそうだ。

それが、この50年でなんと、79歳まで延びてきた。

79歳はあくまで、平均的だという。もっと若くして亡くなる人もいるし、100歳を超えてなお健康で活躍される人も少数だがいるはずだ。

そして、本書で著者が唱える、歴史を翻って考えれば、今後、20歳延びるという現実が起きる可能性は十分にあるようだ。

ただ、長生きをすればいいというものではない。「健康」で生きなければと誰しもが考えるだろう。寝たきりで20年延びたらゾッとするよ。

                 ★

だから、本書では、アンチエイジング医学からひも解く、「血管、脳、栄養、メンタル」この4つに注力してより良い生き方を解説されている。

【書籍レビュー】

あなたはお寿司は好き?

ほとんどの日本人はみ~んな大好きではないだろうか。

マグロに水銀が多く含まれるため、アメリカの食ジャーナリストなど一部のひと達がお寿司をジャンクフードと呼び、食べないように推奨しているという事実を初めて知った。

その理由はこうだ。人のカラダが水銀や鉛などの重金属を溜め込んでしまう性質があるというのだ。

そして、重金属がたまってしまう科学的根拠の証明が参考文献と共にきちんと表記されている。表記があれば読者を迷わせることもない。

日々規則正しい生活、運動を続けて、栄養バランスの良い食事をして、ストレスを溜めないことが、もっとも大事だと。

さらに、読んで頂ければわかるが、「これだけはダメ」というものがある。

やっぱり、本当に長生きしたいのなら、デトックスやサプリメントでの栄養補給など、積極的に取り組むことがらがあるのだと言われる。

実年齢以外に、バイオロジカルエイジというのがあるのを知っていますか?と、問いかける。


血管年齢や神経年齢、筋肉年齢など、若さの度合い(あるいは老化の度合い)は人それぞれ。

実年齢はコントロールできないが、それらを総合して出すバイオロジカルエイジは、コントロールできるのだ。

日進月歩の勢いで進歩するアンチエイジング医学の最先端のクリニック院長が、安全で正しく、効果的なアンチエイジングの方法をご紹介!

※ 本書は男性のアンチエイジングを基本に書かれている。知識として蓄えておけば役に立ちそうだと考えて登場させた。

                 ★

自分の寿命を知ることはできない。

わからないのは幸せかもしれないけど。

ただ、自分の大切な寿命を延ばす可能性を高める努力はして行きたい。

健康であり続ける人生を得られたら素晴らしいでしょう。

可能性を引き出す知識を本書は与えてくれるだろう。

『基本は誰も教えてくれない日本人のための世界のビジネスルール』青木恵子・著ディスカバー・トエンティワン【書評・ワークスタイル】

【ブログ新規追加342回】

 GWだが、ちょっと視点を変える仕事の話をしよう。

 これから先、日本は人口がどんどん減り、市場が縮小していきます。 ・・(中略)・・ もし日本で雇用を得られなかったり、キャリアアップが叶わなかったとしたらどうするか?そんな時は簡単です。テリトリーを外に広げればいいだけです。青木恵子(著者)

と、こんな見出しの書籍を紹介する。2015年の発刊だが、今でも充分、考え方を変えるのには役立つ良書だ。

基本は誰も教えてくれない日本人のための世界のビジネスルール

書籍概要

海外でビジネスをするなら知っておきたいルールがある!
日本を飛び出し、世界展開戦略で成長し続けるベニハナ・オブ・トーキョーのCEOが、誰も教えてくれない世界のビジネスルールを教えてくれる。


「差別があることを理解する」

「パーティーに参加する」

「会議では必ず発言する」

「タブーを心得る」


「ワイシャツの下に下着は着けない」

「日本人であることをウリにする」

「謙虚は悪と考える」など、
著者が知らなかったばかりに余計な遠回りをしてしまった体験の数々が本書のもとになっていいる貴重なビジネスエッセイだ。

私たちが日本で培った仕事のノウハウは世界でも十分に通用するとも書かれている。


あとは世界基準のルールを理解すれば、世界でも十分戦える。

                 ★

徹底レビューを

ルールとは?
文中から~これからのビジネスパーソンに求められるのは、「郷に入ったら郷に従え」を実践できるフレキシビリティ(柔軟性」だ。

そしていったんこれがわかってしまえば、行く先々で違うルールに従うことも、案外難しくはないものだ。~


ここで感じたことは、相手のルールを覚える大切さは、日本国内でも日本人同志であっても同じだということ。

どんな時にも自分を優先するのではなく、相手のルールを理解しそれに乗ってしまったほうがビジネスでもコミニュティでもうまく行くということだ。

会議では必ず発言する
私も、ミーティングで黙っていると参加価値が低い!と思われがちな場面を経験している。

あまり自分に関係ない地方の事例だったりランチ後で眠かったり(笑)と、外に出ている時にはない緊張感が走ることがあってつくづく内勤は合わないなあ〜と思う。

やっぱり、しっかりとした意思表示をしなければそこにいないも同然なので、私自身、日頃から次のことに気を付けながら会議に出るようにしている。(1~4の項目にまとめた)

1.とにかく発言する。
   どんな課題でもいいたいことの1つや2つはあるはず。
   「意見というほどのものじゃないけれど・・・」といいながら
   早めの時間帯で提案型の発言をしてしまう。そうすれば、
   その提案で議論し、そこからの展開があるかもしれない。
   感謝されること請け合い。
 2.賛成・反対・同意でもすべて声に出す。
   アイコンタクトでなく、声に出して意思表示するとはっきりする。
   黙っているより遥かにマシだと思う。
 3.どっちつかずの意見は言わない。

   グレーゾーンや問題先送りの意見は言わない。
   回りに迷いを生ませて、無駄な時間を使わせてしまうから。
 4.出し惜しみをしない。

   温めていたアイデアなどはどんどん出しすことにしている。
   出し惜しむことを日常的にしていると、中途半端な考え方
   しかできなくなってしまい、全力で問題解決に取り組めない。

様々な地域の集まりなどでも、合意形成で悩んでいる人が多いと聞いた。どんな場面でも世界基準の振る舞いを心掛け、オープンマインドでフレンドリーに問題解決に取組んでいきたいものだ。

                  ★


世界と闘うためにはどんなスキルが必要だろうか。

思うに、世界のどこでもよほどのことがない限り、暗黙の了解の元に仕事もコミニュティの現場も成り立っている。慣れ合いではなく、しっかりと意思表示できて現場に活かせることが、「世界基準の人」の一番の条件だろう。


 ● 最後に

世界基準ともいえる「孫子の兵法」の一節、かの武田信玄が旗印とした名文~「風・林・火・山」の内容を記して筆を納める。

 「疾(はや)きことはのごとく」〜決断はすばやく〜
 「徐(しず)かなることはのごとく」〜無駄に騒がず〜
 「侵掠(しんりゃく)することはのごとく」〜燃えるような情熱で〜
 「動かざることはのごとく」〜ゆらぐことがない信念をもつ〜