「大阪・関西万博2025年6月24日」~イタリア館~3時間待ちの至福【風景/大阪・関西万博1】

【ブログ新規追加1367回】

大阪・関西万博1

約2~4時間待ちという列に並んだ瞬間、背中に流れる滝のような汗を感じ、最高の芸術に遭える高揚感という「至福」に包まれた。

炎天下や雨でも立地条件で、そのまま並ぶパビリオンも多い中、イタリア館は大屋根リング沿いという好立地が功をなし、大屋根リングの一部を完全に順番待ちのブースに切り替え、最低雨・風をしのげるホスピタリティに感動した。

特に、長蛇の列をたくみにさばいていたスタッフが好印象的だった。

• 待ち時間にふっと、見上げて撮った大屋根リング。

あの順番待ちを越えたからこそ、最高の芸術に出会えたのだろう。

とにかく、事前予約の取れないパビリオンでも、何とか前向きに好機を見出し、最後は肚を決めて、「長蛇の列に参戦」できた。

並んだ時間は、PM13時30分~16時30分で、当初の4時間はかからず入館できた。

それでは、イタリア館&バチカン館の入場から退館までを写真で紹介しよう。

映画「グラディエーター」兜のオブジェ。下の写真はバチカン市国の展示「石の声」6月28日まで展示されている。

• このあたりまでが3時間待ちの道のり。

入館したら、サルディーニャ地方の工芸品を職人さんが制作するコーナーを眺める。この方とってもイケメン(笑)

そして、画像を観るシアターへ。5分程度のイタリアの古代遺跡~ダヴィンチの創造~現代をギュッとひとまとめにした映像を観る終わると、スクリーンが4分割され回転、次のコーナーへ移動する道順だ。

• 回転スクリーンの扉。(ビジターエクスペリエンス)

回転扉の先には、イタリアの至宝が。

1585年ドメニコ・ティントレット作『伊東マンショの肖像』(背景の画像で修復の歴史が観られる)

この肖像画は、イタリア館全体を巡るツアーのイントロダクションとしての役割を果たしている。ルネサンス期のヨーロッパに派遣された日本初の外交使節団の団長である伊藤マンショの姿は、イタリアと日本の文化交流において極めて象徴的な意義を持っている。

• 古代ローマ 「ファルネーゼのアトラス」日本初公開

世界的な文化遺産として知られる古代ローマ時代の大理石の彫刻、「ファルネーゼのアトラス」
日本で公開されるのは初めてとなる。

イタリアのナポリ国立考古学博物館が所蔵する大理石の彫刻だ、

古代ローマ時代、西暦150年ごろの作品とされ、高さおよそ2メートル重さおよそ2トン。

ギリシャ神話の神「アトラス」が天球儀を肩に担ぐ様子を表している。

イタリア政府代表のマリオ・ヴァッターニさんは「熱心に何かを手で作ったり、創造したりするのは、イタリアのトレードマークだと。

未来の社会を考えたとき、人間の力は大事であり、つまり「本物が大事ということだ」と話されたそうだ。

• 心臓のオブジェ

パビリオンに展示される「循環器系」いう彫刻家ジャゴ(Jago)の作品を紹介。 陶器を使って30個の心臓の鼓動を表現しイタリア館テーマ「アートは生命を再生する」に沿った展示で科学と文化の対話を強調する。

• ミケランジェロ「キリストの復活

開催から遅れること5月18日、ルネサンス期の芸術家ミケランジェロの彫刻「キリストの復活」の公開が始まった。

 彫刻は、約2メートルの大理石の彫像で、右手で受難の刑具である縄や十字架をつかんでいる。

 首都ローマがあるラツィオ州バッサーノ・ロマーノの教会所蔵。

フランチェスコ・ロッカ知事は、彫刻が普段は観光地から離れた小さな町にあることに触れ、「イタリア芸術を象徴する『隠れた秀作』だ」とアピールした。

 イタリア館によると、「キリストの復活」の日本公開は2回目。ミケランジェロが1514~16年に制作を進めたが、彫像の顔に黒い筋が現れたため途中で放棄し、17世紀に別の彫刻家が完成させた。

2017年にこの作品を公開した「三菱一号館美術館」(東京)によると、近年になってミケランジェロの作品と認定されたという。

 東京芸術大の越川倫明教授(西洋美術史)は「体の構造の表現は、代表作・ダビデ像に通じる。ミケランジェロの大型の彫像を日本で見る機会はほとんどなく、見応えがあるだろう」と話した。

木製飛行機の復元骨格…100年前にローマから東京へ飛んだ「命がけの大冒険」

 「ローマ―東京間飛行」は友好親善などの目的で企画された。

1920年(大正9年)1月以降、ローマから11機が飛び立ったが、故障や不時着で次々に脱落。同年5月31日、陸軍のアルトゥーロ・フェラリン中尉らが乗った2機が代々木練兵場に着陸した。

 3か月間の飛行距離は約1万8000キロ。

• カラヴァッジョの名作『キリストの埋葬』ヴァチカン市国パビリオン。

バチカンパビリオンは、イタリアパビリオン内に設置されている。

「美は希望をもたらす」をテーマに掲げ、館内では、愛、献身、信仰の変革の象徴となったカラヴァッジョの名作『キリストの埋葬』が展示されている。

パビリオンのロゴはサン・ピエトロ大聖堂と日本の太陽を融合し、キリストを「世界の光」として表現。

この空間は、再生と団結の世界共通言語として、芸術と信仰を称えている。

レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿

イタリア館の目玉の作品は、なんといってもレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿と呼ばれるノート。

ノートといっても、1枚1枚切り離された状態で保管されており、何千ページある中の2枚が展示されている。

ちょっと残念だったのが、「ガラスケースには触れず足を止めずに撮影を!」と、とても厳しいアナウンスで、前の人が映り込んでしまったり、ブレてしまった(泣)

とここまで、古代ローマやバチカンの遺跡、や歴史、音楽などを実演や画像でも紹介があり、本当にどっぷりと、イタリアに浸れる空間だった。

蛇足だが、わたしは音大時代イタリア語を選択していて、今でも、最低限の会話や文章の解読はできる。

そんなことも手伝って楽しいパビリオンだったことは間違いない。

途中には、現代イタリアの製品展示など(フェラーリ・タイヤ部門)があり、「特許の国」の説明を興味深く拝見した。

最後に木製の階段をひたすら登ると、そこは屋上自然庭園。新進気鋭のイタリアデザイナーの作品が展示されていた。

「No Name」

約1時間の滞在。

イタリア本土ではそれぞれ別の場所に所蔵されている銘作が、万博では一度に観られる幸せ。

最後にミケランジェロの作品アップを。

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2020年6月25日記事

『SunTAMA Style』2021年6月25日記事

『SunTAMA Style』2022年6月25日記事

“「大阪・関西万博2025年6月24日」~イタリア館~3時間待ちの至福【風景/大阪・関西万博1】” への4件の返信

  1. 「時鳥 再生の道 遠からず」 清流子
    時を告げる鳥、ホトトギス。世界情勢不穏の中で行われた万国博覧会の意義は深い。様々な世界の知恵の歴史を一堂に集め、これからの未来を見据える。人間が幸せを突き詰める限り、平和への求道は続く。共通の価値観を模索し行動する中にこそ、希望の光は見えて来るのだろう。

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