山岳小説の金字塔『エヴェレスト 神々の山嶺』夢枕獏・著(角川文庫)1076ページもの文庫を読み始めた【選書・文化】

【ブログ新規追加506回】

山岳小説を読みたい。

さっそく、夢枕獏氏の超大作ベストセラー『エヴェレスト 神々の山嶺』を図書館で借りた。

みたことのない、その分厚さ! それでも読者の感想では、圧倒的に読みやすく、まるで「こってりとんこつラーメンをペロって食べちゃう」ぐらい読了しやすいのだそうだ(笑)

図書館のカウンターでその分厚い文庫を差し出された時に、あぜん・・・としたよ。

まるで星乃珈琲店の名物ホットケーキか!って。

(画像;星乃珈琲より)

この本を手に入れて、ものすごく読書欲が沸き上がったのは言うまでもない。

しかも読み始めたらするすると物語に入り込んでしまった。素晴らしい読みやすさ!文章の天才!だと感じてしまった。

やばい・・・。

こんな小説に執りつかれてしまったら、それでなくとも仕事が増えて多忙なのに、仕事に行けなくなっちゃうじゃん。

焦る。焦る。

でも読み始めてしまったのだ。1076ページのロングトレイルが始まった。10日間で読了する予定よ。

山をやる人も、山なんて嫌いな人でも(笑)誰にでも読める本格山岳小説だ。

わたしがいくらトレッキング好きでも、8848mのエヴェレストに登りたい!とか、ネパール(カトマンドゥ) エヴェレストの現地まで行きたいとかはまったく考えていない。

そんな登山初心者も、この本を読めばまるで自分も一緒にエヴェレストに登っているかのような錯覚を受けることは間違いない。

なぜ、小説でそこまでの臨場感が出せたのかは、夢枕獏氏のエヴェレスト現地での取材や、数々の著名な登山家への取材力と圧倒的筆力の賜物であろう。

この小説に出会えれば、誰でも世界最高峰の登山疑似体験ができるのだ。

それならやりたい!やらない手はないよね(笑)

で、昨日からまず100ページづつ読み始めたってわけ。

では、文庫の奥付からのあらすじを簡単に紹介しよう。

                ☆

エヴェレスト 神々の山嶺』夢枕獏・著

• あらすじ

ネパール(カトマンドゥ)で、カメラマンの深町は、伝説の登山家である羽生丈二と出会う。

羽生の登山目的とは「エヴェレスト南西壁の冬季単独無酸素登頂」なのだと聞く。

羽生の目的に興味を惹きつけられた深町は、羽生の足跡を追うため、その壮大な挑戦をカメラにおさめようとする。

一方で、「そこにエヴェレストがあるからだ」と語った世界初のエヴェレスト登頂者である登山家ジョージ・マロリー。

しかし、マロリーは登頂後、エヴェレストで姿を消してしまう。その後エヴェレストでマロリーの物と思われる、古いコダックが見つかった。

長い年月を経て、マロリーのコダックを日本のカメラマン 深町が手に入れるのだ。

しかし、そのカメラも現地で何者かに盗まれてしまう。

マロリー自身もコダックも深い闇に葬られてしまうのか。

ただ、ひたすら最高峰に挑む「男たち」のドラマがこれでもか!というほど展開される。

羽生と深町「男の友情」にも目が離せない。

キーワードを上げれば「誰も登っていない山」「誰も登っていないルート」「誰も登っていない時期」「登りづらい山に単独で登る」だと。

なんと、天邪鬼なんだろう。

しかしだ。きっと「男のロマン」を無性に掻き立てるのが神の山「エヴェレストの正体だ。

そして、そこに挑戦を続ける男たちのドラマなのだ。

なぜ、山に登るのか?

そこに山があるから。

(ジョージ・マロリーの言葉)