★2024年11月27日更新 『楽園のカンヴァス』原田マハ(株 新潮社)~読後レビュー【選書・ワークスタイル】

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楽園のカンヴァス』原田マハ・著 新潮社

あらすじ

ニューヨークで活躍する鬼才キュレーター ティム・ブラウン。

彼はある日、スイスの大邸宅に招かれた。

そこで目にしたのは巨匠アンリ・ルソーの名作「夢」に酷似した作品だった。

持ち主は、ティムに「正しく真贋決定した者にこの絵を譲る」と告げる。そしてティムにてがかりとなる謎の古書を手渡す。

リミットは7日後。

そしてライバルは日本人研究者の早川織絵。彼女はアンリ・ルソーの研究では第一人者だ。

そして、ルソーとピカソ。二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは。

また、ティムと織絵、二人の名キュレーターが一枚の絵を巡り戦いの火花を散らす。

                 ★

読後レビュー

美術史に関する小説の多くはミステリーだ。

以前、山梨県立美術館の所蔵する「種をまく人」ジャン=フランソワ・ミレー作を見に行った時、その絵画の書かれた歴史をひも解いた解説を読んだのだが、美術館所蔵の作品は大変珍しい「唯一、元の版木に描かれた作品」だった。

要するに油絵の場合、絵自体は何度もそぎ落とすことが可能だ。以前、誰かの描いた作品を削ぎ落して上描きすることも当たり前にできる。

例えば「絵そのものに家系の真実を埋め込んで描き、その上から別の「絵」を描いて隠す」など、謎を仕掛けることや真実を迷宮入りさせる」格好の材料となってきた絵画の存在。

今回、読んだ『楽園のカンヴァス』も、まさに「夢」という作品の持つ謎を解き明かすために二人の名キュレーターが火花を散らす。

ミステリー小説としては、かなりスリリングでもたつかず、一気に読める。

著者は小説家以前は学芸員=キュレーター職だったわけで、美術関係の仕事に関するムリやムダの描写が興味深い。

わたしが面白い!と感じたのは、美術館の部屋にそれぞれ配置されている「人」の話だ。

彼らは「監視員」だそうだ。貴重な美術品を人の手から守るために時間ごとに部屋を巡回しながら一日中、世界の名立たる名画との時間を過ごす。

美術館の「監視員」の仕事は、あくまでも鑑賞者が靜かな環境で正しく鑑賞するかどうかを見守ることにある。

解説をするわけでもなく、案内をするのでもない。ただ「この絵の画家は誰ですか?」などの質問には間違いなく答えられなければならない。そのための作品の背景は勉強しておかなければならない。

その場にただ無機質な表情で座っているだけなんて・・・よく美術館で監視員の方々を見かけるのだが、「つまらないだろな」「あくびはかみ殺してるんだろうな」などと色々勘ぐっていた。

唯一の各部屋への移動だけが、音もなく沈殿する空気を攪拌する役目があるようだ。

そして本書では、監視員はキュレーターではないから、普通のアルバイトやパートで募集されているのだと説明がなされている。

しかし、見方を変えれば、美術館の監視員とは「学芸員よりも、研究者よりも、絵画コレクターよりも、誰よりも、名画に向かい続けている人たちなのだ」と言えよう。

~閉ざされた空間に滔々と靜かに流れる時間。朝十時から午後五時までそこから逃れることはできない。まったくの刺激も変化も事件もない。絶対にあってはならないのだ~

どう?こんな仕事は。

とことん、美術が好きで浸りたい方は、ぜひ美術館「監視員」に応募ください(笑)

• 最後に

母と娘の人間模様も読みどころのひとつ。原田マハ氏らしい、スキッとしながらもどこか切ない心の様子が見事に描かれている名書。

晩い秋にはぜひ!こんな美術ミステリーをどうぞ。


来年やりたいことを思いつく~「行ったことのない街を歩く」~どれだけ訪れることができるかな♪【風景・国内旅】

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来年、やりたいことのひとつに「行ったことのない街を自分の足でぶらつく旅」というのを思いついた。

目的地の山や宿に着いたら、その周辺の街を知るために自分の足で歩きたい。路地や裏道とか歩けるだけ歩き回って、その街のカタチを知るなんていうのがやりたい。

乗り物ばかりの移動じゃあ、なんだか貨物になった気分だし(笑)

そうならないためにも、せっかく出向いた街をひたすら歩くんだ。

歩けば、街の方からこちらに寄り添ってくるようなデジャブ感(行ったことがなくてもなぜか知っている感覚)が湧くだろう。

要するに親近感ってもんかしら。

                  ★

昨日、駅の構内に山梨県の観光大使・ゆるキャラ「ひしまる」がデーンと居た。呼び込みに一生懸命のひしまる(笑)

それは、石和(いさわ)温泉をはじめ、笛吹(ふえふき)市のフルーツを紹介するイベント。

ひしまるが手招きするもんだから(笑)わたしも電車に乗る足を止めて、山梨県の観光ガイドやパンフレット、桃ジュース、サラダせんべい、ハーブキャンディー、桃の入欲剤、武田神社のタオル、山梨県の見どころが刷り込まれたファイルなどが入ったお土産をもらうために行列に並んだ。

全部もらってアンケート記入してもたった5分。

🍑ジュースが美味しい。

石和温泉の旅館の女将もキャンペーンに馳せ参じていた。出会いがしらに「石和はこちら(八王子市)とはお隣りの仲でしょう?仲良くしてくださいね!」と。

わたしも唐突に言われたから生返事で「ええ、子どもの頃から何度も行ってます。あの石和の温泉の質が大好き!とろりとしてるでしょ!」と返したら、女将はたいそう喜んでくれたのだ。

お肌の衰えを感じている人は、一度騙されたと思って「石和温泉」のお湯に浸かってほしい。萎んだ、痛んだ肌がみるみるふっくらしてくるから。

リップサービスじゃなくて本当なのだ。わたしの親族はみな、石和温泉には随分お世話になってきたんだもの(笑)

とまあ、ほんの数分だったけど、何となく旅情を思わせる出会いだった。

                   ★

話を戻そう。

この2年の間、コロナで著しく行動制限を受け続けてきた。第6波にもまだまだ不安があるけど、まだ見ぬ山や街へ出かけられるなんて、喜びははかりしれない。

先日も山梨県の山中湖村に行ったけど、街らしい街を歩くことは叶わなかった。

山に登る場合は、「ふもと泊」を次は入れよう。とか、

こんなことばっかり考えながら仕事で電車を乗ったり下りたり。

2022年は「知らない街に行って自分の足で歩く旅」をする。

知らない山や街の「絶景」に出会えるかもしれない、

初めて行く山や街を「自分の足でしっかりと歩く」ぶらり旅。

まだ、な~~んにも決めてないけど、ワクワクするね。

やっぱり「旅」ってすてき。

★2024年11月25日更新 秋冬の小さなキャンプは椅子から始める~「椅子」と「飲み物」と「小さなテーブル」~お気に入りの場所での外遊びが楽しい♪【風景・冬の外遊び】

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先日、西湖の湖畔でアウトドア入門に最適な「チェアリング」をやった。(この言葉、最近知ったばかり)

実際はディ・キャンプをしたあとの話。

森や湖の夜は早い。暗くなる前、午後4時にはテントなどのキャンプ道具を撤収した。

椅子と小さなテーブルと薄暗いのでランタンだけ残して車に積み込んだ。

西湖では、夕焼けと皆既月食を見るために湖畔の先端に椅子と小さなテーブルとランタンを持ってしばし、場所選びをしながらブラブラと散歩。

同じように湖畔の先端に椅子を持ち込んで、肩を寄せ合って湖を眺めるチェアリングするカップルもいた。

素敵すぎる。

この「チェアリング」という言葉を知ってから、車にいつも「椅子」と「小さなテーブル」は入れておこうと思っている。

ちょっといい場所を思い出して行ってみた時に、車に積んでおいた椅子を出して景色を眺められたら最高だよね。

きっと、物語はこうして生まれるんだろう・・・(笑)

狙いは人がいない・少ない場所。眺めが素晴らしい・騒音などない靜かな場所。

こだわって選んだの(笑)

• チェアリングとは

「チェアリング」とは、山や湖、海など季節折々に楽しめる自然のある場所、またはお気に入りの場所に「椅子」「飲み物」「小さなテーブル」など、大掛かりな荷物ではなく、コンパクトな物を少しだけ持って行き、思い思いにアウトドアを楽しむことをいう。

野外に軽量かつコンパクトに持ち運べる椅子、保温ポットに入れたコーヒーや読みたい本や写真撮影なんかを楽しむのが「チェアリング」の醍醐味。

できれば、低山の山頂、眺めの素晴らしい場所であれば文句なし。ただ、風が強いとねえ(泣笑)

そうなると、湖畔とか林間とかが最適なのかもしれない。

水もに写る紅葉、柔らかい午後の日差しの中で持っていったポットのコーヒーを飲みながらブランケットを膝にかけてくつろぐ。

もちろん、車の心配がないのならお酒もありだろう。

テントもタープもいらない、椅子とテーブルだけの小さなキャンプ。

だだっ広いところに身を委ねるだけで「気分転換」するのは間違いなしよ。

これこそ、普段使いの非日常を楽しむ、ちょっとしたコツじゃないだろうか。

キャンプやってみたいけど、

何だか、流行ってるとね、

気後れしちゃうのね~~~といった人には

チェアリングがおすすめ。何しろ、アウトドアの椅子を買えば、それでOK。今では100均にも売ってるもんね。

また、憧れ?の「Coleman」とかの椅子だって2000円を切る安さでホームセンターで売ってるよ(笑)

「椅子」「保温ポット&ステンレスマグ」「小さいテーブル」これだけあれば、チェアリングができちゃう。

食わず嫌いじゃあ、もったいないから、ぜひやってみて!

落葉のいっぱい落ちている場所とか素敵。思い思いのチェアリングを楽しみましょ。

バームクーヘンVSシベリア~毎日の労働を支える懐かしいおやつの話【暮らし・昔ながらの洋菓子】

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わたしの主な仕事は、営業職だ。出版社の一営業マンとして東京と神奈川の一部をエリア分けしてもらい、平日は毎日、外営業に出ている。

車で動くのが8割であとの2割は電車やバスを使って移動している。

その電車やバスで移動する日には、歩数も軽く2万歩を越えるんだ。だから、かなり疲れてしまう。

帰りにスーパーに寄って、「ザ・甘い物」を手に入れるのが密かな楽しみになっている。

電車やバスの移動は月4日ほどだ。この4日間は自分を甘やかせているのよ。

今日も山崎パンの「三角シベリア」を購入。ひっさしぶりのシベリア。どーしてあんこ&カステラのサンドなんて思いついたんだろう?

• シベリアの由来

洋菓子に部類される「シベリア」は小豆のあんこをカステラで挟んだいわゆる「和洋折衷」のお菓子のこと。

名前の由来は乃木将軍のシベリア遠征に由来するそうだ。すごい古いのね。日露戦争とかか。

とにかく昔懐かしい味わいと見た目が魅力的だ。(わたしの好きな食べ方は、夏に冷蔵庫でキンキンに冷やしたシベリアをガブっとかぶりつきながら牛乳を飲むの・笑)

かつてはパン屋で普通に作られていた全国的に知られている洋菓子だ。

とても手間がかかることから、次第にパン屋でも作られなくなったそうだ。

また、シベリアと言えばジブリ映画『風立ちぬ』だろう。TVでも放送されるたびに話題になるそうだ。

でも山崎パンとはあんこの入れ方が違う!山崎パンはあんこ二本だ!

『風立ちぬ』はこっち。あんこ一本だ。どうぞ、映画で検証してみて(笑)

というわけで、ここまでシベリアを取り上げてきた。お次はバームクーヘンの話。

先日、錦糸町で昔懐かしいその名も「下町バームクーヘン」を買いに、乳糖製菓を訪れた。

工場の入口に小さな販売窓口があり、そこに並んだ出来立てのバームクーヘンを買うことができる。

わたしのお目当ては、「バームクーヘン切り落とし」がたくさん詰め込んである500円の商品を買うことだった。

よーく目をこらして陳列されたバームクーヘンを見て行くと、たった1個「あった!」チョコレート(ミルク・ホワイトの2種)のバームクーヘンが。良かった~~~。

錦糸町まで来たかいがあった。

家でさっそく、濃いめのコーヒーと頂く。みっちりときめの詰まった年輪にフォークを入れると、なんて柔らかいのだろう。口にいれるも「ふわっふわ」じゃん。

ああ~~~、おいしい。

素敵な切り落としはバーになっていて7本入っていた。翌日にも冷蔵庫で冷え冷えだったが、その柔らかさは変わらなかった。恐るべし。

というわけで、わたしの頭の中には甘い物しかない時が結構あるという話。

バームクーヘンVSシベリアの結果は・・・バームクーヘン圧勝。

シベリアは、甘すぎかもしれない。歳のせいか、一気食い出来ず(泣笑)

甘い物勝負は「平和で幸せの丸出し」だ(笑)

また、いつかお菓子の話をしようっと。

秋を告げる薬草「竜胆・りんどう」を探しに野山へ【暮らし・山野草ハンター】

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秋の山で青紫の花をひっそりと咲かせる「竜胆・りんどう」

休みの今朝、今年最後の山野草を探しに、近所の里山を訪れた。もちろん、狙いはりんどうだ。

だいたいめぼしをつけていた山道にあったのだが、残念なこと昨晩の雨に打たれてしおれていた。

そして、枯れ葉舞い散る野草園の中もぐるっと見回してみたら、「あった!」これから咲くと思われるぷっくりとした蕾が一輪。儚い姿で咲いていた。

喜び勇んで、一枚写真に収めた。

山野草ハンターのささやかな使命を果たせた瞬間だ(笑)

                  ★

さて、生薬としての効能も高い竜胆だ。簡単に説明しよう。

生薬としても知られるりんどうは、漢字では「竜胆」、「竜胆」と書く。呼び名の由来は「竜胆・りゅうたん」が訛ってりんどうになったとされている。

りんどうの根っこの部分に深い薬効成分が含まれている。おもに胃腸薬として使われてきたそうだ。

また、龍の胆(胆のう)という名称は、同じく生薬として知られる熊胆(熊の胆脳)と同等もしくはそれ以上の苦味成分があることから名づけられた。

(資料先→https://www.aoyamahanamohonten.jp/blog/2021/09/30/rindou/ 竜胆の名づけや歴史

秋の花の代表としてはコスモスや菊、ダリアなど色とりどりの美しい花が多い。しかし、青系は数少なくりんどうがその代表格じゃないだろうか。

品種改良がなされて切り花は6月頃から店頭に並ぶ。さらに9月、敬老の日あたりが商用りんどうの最盛期だ。

また、野山で咲く、自生の山りんどうは涼しくなった9月後半から11月まで楽しめる、息の長い花だといえよう。

今年も出会えた。

山野草ハンターはわたしの超地味な趣味だ。しかし、絶対に外せない希少な花たちとの出会いの「場」なんだ。

                    ★

• 最後に、近所の里山、都立公園の秋を。

この連休中には「山cafe/ハンモック・たき火・ブックコーナー・キッチンカー」など、落葉を踏みながら楽しむイベントが開催されていたようだ。

里山とこの都立公園では、大好きな山野草が四季折々、豊富に咲き乱れる。

そして、秋の落葉を想う存分踏んで楽しめる。素敵な空間がすごそこにある幸せ。

何だか、感謝しちゃう(笑)

★2024年11月22日更新 明日「勤労感謝の日」を前に思うこと~働く人を尊び、皆で感謝し合う~将来の労働についても考えたい【仕事・勤労感謝の日】

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明日は、飛び石連休の「勤労感謝の日」だ。

特別、何をするのでもない日になるだろう。それこそ日頃の疲れを癒しつつ、美味しい物でも頂く日。

そして、先日このブログで紹介したばかりの『LIFE SIFT2 100年時代の行動戦略』をじっくりと読もうと考えている。

その前に、大変興味深いアンチエイジングと労働を研究する第一人者デビット・A・クレシア著『LIFE SPAN 老いなき世界』を紹介しよう。

• 『LIFE SPAN 老いなき世界』~ベストセラーレビューからの本文引用~

人生100年時代。人類はかつてないほど長生きするようになった。だが、より良く生きるようになったかといえば、そうとも限らない。

わたし達は不自由な体を抱え、様々な病気に苦しめられながら晩年を過ごし死んでいく。だが、もし若く健康でいられる期間を伸ばすことができたらどうだろうか?

いくつになっても若い身体や心を保ち続けることができたなら、刻々と過ぎる人生時間を気に病むことなく、何度でもやりやいことに再挑戦できるとしたら、あなたの人生はどう変わる?

                   ★

かの、リンダ・グラットン氏の提案した人生100年時代『LIFE SIFT』は、超高齢化の日本では受け入れやすく、瞬く間に浸透したように感じている。

しかし、『LIFE SPAN 老いなき世界』では、人生100年時代を見据えた社会システムの構築がなされれば、人生120年時代もありうると。

身体の衰えを著しく抗わせる「アンチエイジング」を取り入れ、生涯労働年数が今後大幅に変化するであろう将来図が見え隠れしている現在に、早急に必要な思考を取り入れた一書だ。

この先、労働意欲の高い高齢者が軒並み増加してゆくだろう。そうなると、国の主幹では幅広い世代が生き生きと働ける社会を創らねばならない。

また、働く側もより能動的に世論だけではない、ものごとの本質を見極め、「読み解く」力が必要になるだろう。

今までの考え方や技術、常識と考えられてきたことは、もう大事じゃなくなっているのかもしれない。

だから、勉強、勉強が一番必要じゃんね(笑)

わたしも、今の働き方を今後も続けて行くのか?これまでの労働人生を振り返りつつ、「勤労感謝の日」に感謝しながら、休息をしようと思っている。

それでは、飛び石連休前で勤労意欲はとっても低いが、大事な仕事に行ってこよう。

では、また!

★2024年11月20日更新 我が街のいちょう~「いちょう祭り」は銀杏を食べる日と決まってる【暮らし・銀杏ぎんなん】

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昨日と今日、わたしの住む街では「いちょう祭り」が開催されている。

我が街の「いちょう祭り」の歴史をちょこっと。

1927年(昭和2年)に、多摩御陵造設の記念樹として宮内庁より贈呈された770本のいちょう木。

八王子市追分町からJR高尾駅までの約4㎞にわたる甲州街道の両脇に植樹されたのだ。

その後、これらのいちょうが毎年晩秋の甲州街道を黄色く染め続けている。 毎年11月中旬には「八王子いちょう祭り」が開催され、銀杏を拾いながら地元の商店街をぶらつく市民の憩いの祭りとなってきた。

先週、仕事のおりに多摩御陵を通って、黄色く色づいたいちょうを写真に収めてきた。

さすがに、あの臭いの凄さに「銀杏」は拾わなかった(笑)

で、今日は「いちょう祭り」には行かないが、一年に一度の「銀杏」を塩茹でして食べる日なのだ。

塩茹でして食べるのが一番好きかも。

封筒に入れてレンチンするのは、水分が抜けてしまってミイラになった体験から辞めた(笑)

丘若芽のむかごを手に入れたんで、バター醤油焼きとか作りながら、銀杏も煮る。明らかに酒のつまみよ。

写真の花ゆずは小さいけれど、香りが抜群によい!明日の朝、パンのお供のジャムも煮よう。

わたしには子どもの頃から、遅い秋からの贈り物だった銀杏。

そして、舌に残る「我が街の味」なのだ。

まあ、酒の肴だけど(笑)

「西湖・福住オートキャンプ場 山梨県」波のない靜かな湖畔の小さなキャンプ場【風景・オートキャンプ】

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富士五湖のひとつ、西湖の超穴場ともいえる小さな湖畔のオートキャンプ場に行ってきた。

緊急事態宣言が明けた現在、関東近郊のキャンプ場はどこも予約でいっぱい。

キャンプブームかあ・・・。

それでもスノーピーク社長の記事によれば、今年2021年は、全人口の約7%がキャンプやそれに伴うアウトドアを趣味にしているという統計があると。

たった7%!少ないじゃん!と思ったら、流行しているかどうか?の目安は全人口の3%だというのだ。

だから、すでに7%をさらに超えるブームならば流行間違いなしってわけ。

何が、言いたいのかと言えば、キャンプ場の予約が取れない、または、取れにくいのだ。

そういった時、わたしが良く取る方法は「予約なし」で利用できるキャンプ場を選び攻略するのである。

その攻略の絶対的なポイントは「早く行く」これしかない(笑)

誰よりも早く現地に着くことだ。あとはキャンプ場の指示を待てばいい。キャンプ場にもよるが、先着順でどんどん入るところもあれば、渋滞対策で順番のチケットを指定時間に配布するとことろもあるそうだ。

で、昨日わたし達が利用した「西湖 福住オートキャンプ」(デイキャンプで利用時間は17時まで・注;湖畔から富士山は見えない)は、な~んの縛りもなく、ただ好きな時間に行って、適当な場所が空いてれば、そこに車を停めてキャンプをするだけだ。

管理人さんが、お昼ごろ湖畔のテントやタープなど設営場所をグルっと回って「あなたは泊まり?日帰り?」と聞き、その場で集金するシステムだ。

昨日も、その優し気なおじさんは「日帰り?だったら、18時にお帰りで大丈夫よ!」と。

わたしは「えっ?17時じゃないんですか?」と聞き直したら、おじさんは「キャンプ自体は17時までで、撤収はそれからでいいから!」と、優しいお言葉。

要するに夕方の焚火や、暮れなずむ夕日が素晴らしい富士五湖を存分に「堪能」して欲しいという計らいなのかも。妄想が激しいね(笑)

で、実際に昨日は、素晴らしい夕焼けが見られたんだ。おじさん、ありがとう。

料金だが、ディキャンプの場合は(一人700円、車代500円)で1900円支払った。滞在7時間で驚きの安さ。

                ★

明神山から下山後11時に到着した。

河口湖・西湖 の湖北ビューラインという富士山を眺めながらドライブできる道路沿いに「福住オートキャンプ場」はあった。

途中、河口湖「紅葉回廊」の素晴らしい紅葉も眺めながらのドライブは最高!

到着後、湖岸に車2台分ぐらい開いたスペースを見つけてすぐに設営を開始。今回はディキャンプのフル装備を積んできたので設営に少し時間をかけた。

お腹が空き空きで、大きなマルゲリータピザを急いで炭火で焼く。それを頬張りながら段々かたずけが済んで落ち着いた「我が家のにわかリビング」でくつろぐ。

スーパードライのノンアルが美味い(笑)

今日は、ずうっと前に買っておいたダッチオーブンで「かぼちゃの蒸焼き」を作った。

オリーブオイルと岩塩だけの超シンプル料理だ。10分ぐらいでほっくほくの出来上がり。このかぼちゃの蒸し焼きを食べつつ餃子や厚切りカルビを焼いたりドリップコーヒーを淹れたり。

一通り食べたら、待ちに待った「お昼寝」だ。

今日はテントの中にコットをひとつ、厚手のシートと寝袋の寝床をひとつと、二人分の休憩場所を作った。

朝5時に家を出発してからの旅路を思い起こしていたら自然と眠っていた。しかし、驚くほど靜かだ。

キャンプ場のテントは10張りほど。平日だからか、お子さんはまったくいない。ソロのおじさんや、若者。またはカップルか夫婦。

みな、それぞれの好みのギアで設営していた。はじめて「鎌倉天幕」のソロリストやhide out C2の設営風景を見た。 
なんてかっこいいんだろう。

ここは、平日ゆっくりと大人の靜かなキャンプが楽しめる穴場なんだと知った。

で、一時間寝て起きた時、テントの中から撮った写真はこれ↓

ああ~そうだった。湖に来てたんだ。

こんな風に非日常を過ごすのが「大人の休日」なんだろうね。

さて、昨日は皆既月食が夕方16時20分から始まると聞いた。

湖で月食を見られたらいいと願いながら、少し寒くなってきた湖畔を夫とぶらぶら歩く。椅子とランタンを持って移動した。

月食は湖畔からは見られなかった。しかし、燃えるような夕日を見ることができて満足しながら撤収。無事に帰宅した。

一日中、自然の中に身を置くと、小さな悩みはほぼ消滅する。

そして、心の底から活力が沸き上がってくるんだ。

自然の力を借りながらしなやかに生きて行こうと思った「秋ディキャンプ」の話。

「明神山 みょうじんやま 標高1291m」雲海をみるためにパノラマ台へ登る~山梨県山中湖村にて【風景・富士五湖登山】

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山中湖パノラマ台から30分ほどで絶景の頂きへ。

晩秋から初冬にかけて黄金に輝くすすきが見頃を迎えていた。

晴れ渡った空へ、黄金の野原が広がる。

                ★

富士五湖登山をご存知だろうか?

富士山を取り囲む山々にはうってつけの名山が数多くある。気軽なハイキングが楽しめる山があれば、本格的登山が味わえる山もあるのだ。

そして、極めつけは「どの山からも壮大なスケールの富士山が見られる」ことだろう。

で、今朝は、山中湖パノラマ台に早朝7時に出向いた。

驚くほどの「絶景」

それは、クジラの「形」をした山中湖湖面と山中湖村を覆い隠す「雲海」に圧倒される一時だった。

パノラマ台まで、下界の霧の中の運転は怖い!の一言。だって1m先さえまったく見えないほどの深い霧だったんだもの。

尚、パノラマ台までは車で行ける。7~8台ほどしか停められない無料パーキングがある。

パノラマ台の標高はすでに1000m。明神山の山頂へは、このパーキングの中にある登山口から300mほどの急勾配をすすきの林を登ってゆくんだ。

                   ★

さて、今回の「明神山」登山では、頂上を目指さなかった。理由は、早朝の登山道に延々と積もる「霜柱」の道がダメだった。

300m弱の登山道がすべて霜柱となっていると現地の方から聞いた。

早朝は常にマイナス気温だ。

しかも、今日は大変な秋晴れ。下山時には気温も上昇し、滑りやすい足元に怖くてとても登山を楽しめる心境じゃなかったんだ。先を登る夫に「リタイアしよう!」と提案し、瞬く間に承認されたのだ(笑)

山頂を目指さない理由は2つある。一つは明神山はほぼ変化のない、すすきの群生地からなる稜線を歩く。であればパノラマ台の絶景で充分だと気がついた。

もうひとつは、今日、明神山のあと、富士五湖でのディキャンプを予定していたから。

今日は、1100mぐらい登ったが、ほとんど遮るものなど何もない。ただあるのは「まばゆい太陽の光」を存分に浴びる己だった。

最後の一枚は、「朝7時過ぎに雲海を眺めながらコーヒーとコーンスープを淹れる」

さて、明日はオートキャンプのレポートを書く予定。

では、おやすみなさい。

★2024年11月18日更新 キャンプに持っていく本はこれ!~ザ・料理人の本から美味しさの技を盗む♪【風景・キャンプで読む本】

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非日常を存分に味わえるのがキャンプの醍醐味だ。

自然の中であーだこーだしながら、一生懸命揃えた好みのギアで、自分たちの移動リビングや寝室を建ててあつらえる楽しみは計り知れない。

そして考えた通りのリビングが出来あがったら、ゆっくりと深煎りコーヒーを入れて、しばし読書する。

大好きな本も、こっそり車に積んできたから。

もちろん、小難しい本はダメよ。

「食」に関する本がおススメ。

それは、美味しい物がどんな風に作られるのか?どんな人が作るのか?とか、ミシュランのことなんてほとんど知らないとか・・・そういった、今までスル―してきたことがらを知るのがいいんだ。

そして、にわかキャンパー料理人としてその技の一つでも盗めたら最高!でしょ(笑)

そんな「優雅」な時間にぜひ、読みたい料理職人の本を2冊紹介しよう。

ビゴさんのフランスパン」塚本有紀・著(晶文社)

• 簡単レビュー

パンの神様と呼ばれるビゴは、神戸に「ビゴの店」を構えるパン職人だ。日本にフランスパンを伝えた人。本物の味を広めてきたのだ。

そのビゴの真骨頂は「発酵」にある。「発酵」を何より大切にするビゴ。保存料や添加物は使わず、飾り立てもしない。

「パンは人の命の糧だから」これがビゴの哲学だ。

14歳で修行の世界に入り、クロワッサンの「ドンク」での活躍。職人仲間との出会いや天然酵母パンが日本で受け入れられるまでの長い道のり。

第二次世界大戦下のフランスに生まれた一人のパン職人が、フランスの味で日本人の舌を変えるまでの波乱万丈の半世紀を書き起こした。

必見は「ビゴの秘蔵レシピ」だ。

                   ★

もう一冊は「シェフ、美食の大地をめぐる」アラン・デュカス・著(株式会社 原書房)

• 簡単レビュー

『ミシュラン』の8つ星に輝く、フランス料理界の帝王アラン・デュカス自らが筆を執った一書だ。

トリュフ、フォアグラ、チーズ、ワイン、オリーブオイルなど、フランスを代表する食材は、豊かな自然の恵みから育まれて、伝統的な製造法を駆使することで「極上の「食材」に生まれ変わる。

その「極上の食材」を探し求めてアラン・デュカスが作りてや職人を尋ね歩いた紀行書だ。自然と人との対話が織りなす「美食ガストロノミー」の秘密を解き明かす「本物の味」に出会う旅書籍だ。

                  ★

以上、2冊が現在、手元にある料理職人の書籍だ。

フランス料理の星などにはまったく興味はない。しかし、読めば読むほどフランス人の「食」に対する貪欲さが迫りくるんだ。

わたしは、さほど食べ物には欲が低く、とりあえず「美味しいパン」と「チーズ」と「赤ワイン」があれば幸せ。

だから、キャンプの非日常感には、この本を携えて行こうと思う。

森や湖で美味しい焚火料理を作り、ゆらゆらと昇る火を眺めながらの読書は、

贅沢極まりないだろう。

うん、それ、やって来よう!