『火山のふもとで』松家 仁之・著(株式会社新潮社)【選書・文化】

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『火山のふもとで』松家 仁之・著(株式会社新潮社)

大事なことは、聞き逃してしまうほど平凡な言葉で語られる。
日本語の美しさを限界まで引き出した、鮮烈なデビュー作。

簡単レビュー(文中引用)

「夏の家」では、先生(フランク・ロイドの弟子)が一番早起きだった。物語は1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。

ぼくが入社した村井設計事務所は、ひと夏の間、北浅間にある「夏の家」へ移動する。そこでは稀有な感性をもつ先生のもと、国立現代図書館の設計コンペに向けての作業が行われていた。

もの静かだけれど情熱的な先生の下で働く喜びと、胸に秘めた恋。そして大詰めに迫った中で訪れる劇的な結末。

ただ夏が過ぎても物語は終わらなかった。かけがえのない記憶と生命の瞬きを綴る。

               ★★★

美しい日本語が読みたい!と思っていたところ、とある建築関係のWEB雑誌から、この名作を知った。

発刊からすでに、12年が経っていたので、書店で探す前に図書館で蔵書を調べてリクエストを出していた。

忘れていたところ、GWの後半に届いたので早速、読み始めてみたら、何しろ一つのシーンに費やす文章がな・が・い(笑)

GWや夏休み、飛行機や新幹線の移動のお供にぴったりだ。

ありと、あらゆる手段を使って表現しているという感じが面白い。

しかし、上品で美しい表現は、読み込むほどに芳醇な薫りを放つ。そして読むのを止められなくなる(笑)

東京の建築事務所が夏の間は、群馬県の浅間山のふもとに仕事場を移すというシチュエーションが物語を一気に旅気分にさせてくれる。

建築のうんちくや専門用語が満載の一冊。

建築好きにはたまらない書籍かもしれない。

そして、浅間山を浅間山とも日本百名山とも書かず、「火山」と表現したところがわたしの肝を抑えた。

そのものをどう、表現するか?

小説を読む喜びが、ひとつひとつのディティールに満ち溢れた、類まれな書籍だといえよう。

なるほど!と、唸ってしまった一冊を紹介。

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2020年5月7日記事

ブログ10年を迎えて~GWこそ小説を読もう!~自分の想像を遥かに超えた小説で思考の扉を開けている♪【暮らし・読書と本について】

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昨日、5月4日でブログ10年目を迎えた。

これまで4つのブログサイトを運営して、2000本以上の記事を延々と書き続けてきた。

どんなことでも、10年がっちりとのめり込んでやれる物事に出会えたことは、「幸せ」の極みだ。

戦う相手を持たず、わずかな読者様とともに作り上げてきたわたしの世界は、まだまだ色褪せる風景ではなく、10年書き続けてきたからこそ味わえる言葉の豊かさと自由さに溢れていると自画自賛している(笑)

特に、書籍のレビューに関しては特別な思いがある。

わたし自身60代を迎えて、子育ても親の介護や看取りも終えて、ようやく仕事の資料ではない本=好きな本を読む時間ができた。

電子書籍など到底かなわない、紙の本には余さず言葉を楽しめる良さがある。

そして、大好きな本たちをレビューするとき、毎回「この単語の次にこんな思いもかけない言葉や形容詞を持ってくるのか!」と、自分の想像の扉を開けてくれた本を紹介するのがなにより楽しくて仕方がない。

図らずも、世間で賞を獲ったなどのきらびやかな背景がない本ほど、思考の扉が開きやすいと、兼ねがね感じてきた。

このGWに出会った小説も、そんな一冊だ。どうか、レビューをお楽しみに!実はまだ読書中なのだ(笑)

やっとわたしも文学の醍醐味を味わえる年代になった。

そっれでは、また~!!

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『SunTAMA Style』2020年5月5日記事 ①

「道の駅」めぐりは道を楽しむ道楽~群馬県で泊まったお宿と立ち寄った道の駅♪【風景・北関東企画4】

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※ 今回、1泊で利用したお宿。「ヘルシーパル赤城

利根川の清流、そして目の前に広がる雄大な棒名山を眺める露天風呂からの景色は格品。

静かな和室はとても落ち着く。

「ふるさと創生1億円事業」の一環として、敷島温泉を掘削し地元民が気軽に利用できる源泉一棟宿を建てたのだと、温泉場には案内されていた。

お宿に到着(17時過ぎ)すでに外は薄暗い。

チェックインが夜になること、チェックアウトが朝早いことなどから、素泊まりを選択。

途中で、買い込んだ夕食をお部屋で頂き、ここでも温泉三昧した。

10畳和室。とてもきれいで、夜18時ぐらいに、お若い女性が「お布団敷きに参りました」と。

疲れているので、お願いして敷いて頂く。懐かしくも有難いサービスだった。

最近のTVで知った情報だが、ホテルで「トコジラミ」が多く発生しているそうだ。実は、インバウンドの影響ではないか?とも言われている。

(スーツケースのコロコロ部分にも相当の菌がついてくるらしい)

特にトコジラミは、ベッドのマットレスなどに付着したまま増殖するのだと。マットレスに米粒程度のシミが点々とある場合は疑う余地があるそうだ。

ということで、気分的に、お布団利用の和室に回帰中。

翌朝、5時30分、お宿のロビー。

そこからの一番風呂。夜には、バブルジェットバスにずっと入ってしまい、露天風呂には行けず。露天風呂がすごく混んでいたし。

朝、リベンジを果たす(笑)

誰もいないので露天風呂のショットを撮る。そして入湯。

(今回の素泊まりは旅のWEBサイトで有料会員限定セール特価、一人1150円+入湯税150円で合計1300円だった。駐車場無料)

                 ★★★

さて、一般道での車旅が中心のわたし達にとって、「道の駅」は本当に心強い存在である。

その道の駅だが、ここ数年、大幅リニューアルを施しどんどん素敵に生まれ変わっている。

「道の駅らしからぬ・道の駅」2つに寄ってきたので取り上げてみようと思う。

八ッ場ふるさと館~緑と水、四季折々の八ッ場の自然に囲まれた道の駅~

美しい湖、足湯温泉、イベントでは餅つきに舌鼓し、お昼に食べた焼きたてパンはダムカレーパン!居心地よくて長居した道の駅。

ダム湖の美しさには目を見張る。

お昼にラーメンも頂き、ダムカレーパンと八ッ場名物くるみの入ったクリームパンを食べる。

丁度、イベントが開催されていた。そのひとつの餅つき大会で頂いたつきたてのきな粉餅。めっちゃ美味しかった~♪

足湯に入って、食べてばかりの休憩だった。これまでの道の駅よりずうっと、美味しいものが多く、温泉もあり、軽い登山道もあり、湖もある・・・すごく楽しかった。

川場田園プラザ~大自然と食を満喫!川場の魅力がぎゅっとつまった道の駅~

現在、道の駅全国1位の来訪者数を誇る川場田園プラザ。名前からして、道の駅らしからぬ今風のハイソな雰囲気がプンプンしている。

TVで芸能人がよく中継しているから認知度は上がってきているかと思うが、すごい田舎だった。

その田舎に突如現れた、「一日中、家族で楽しめる道の駅」ができた!

特産品の清酒の店。迷ったが買わず。

オシャレなパラソルの下で休む家族連れ。

池で遊ぶ白鳥をしばし眺める癒しの時間。

現在、群馬県には「道の駅」が33駅ある。

今回は、その中で14駅を訪問してスタンプを頂いた。

昨年4月に発売された「関東・道の駅スタンプブック2024年版」を手に入れてから、旅先でお土産がわりにスタンプを頂いてきた。

そのスタンプも50個を超えるまでになった。長野県と山梨県で多くスタンプを集めてきたが、今回の群馬旅で一挙にスタンプが増えてきた!

スタンプ集めは期間限定の「ゲーム」でもあり、すでに15個達成して応募済みだ。道の駅で使える商品券が賞品だ。どうか、当たるように(笑)

そして、道の駅道楽はスタンプ集めだけじゃなくて、置かれている現地の情報ペーパーを集めることも大事にしてきた。

で、今回2泊3日で、どっさりと情報ペーパーを集めてきたので記念にすべてをテーブルに並べて写真撮影した(笑)

まだまだ紙が生き残る旅情報の世界だわん。

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この1枚、1冊を眺めながら、お酒を頂きつつ「旅の後」を夫婦で楽しんでいる。

というわけで、今回もリーズナブルな満足旅ができた!

次はどこに行く?万博かな?

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2021年5月3日記事

『SunTAMA Style』2022年5月3日記事

『SunTAMA Style』2023年5月3日記事

『SunTAMA Style』2024年5月3日記事

日本百名山・赤城山(標高1828m)~いくつもの顔を持つ複雑な形の火山・3つのカルデラ湖巡りを楽しむハイキング&ドライブ【風景・北関東3】

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赤城山の山頂は、標高1828mの黒檜山。

赤城山は、群馬県前橋市富士見町に位置する複成火山で日本百名山でもある。

県立赤城公園からのながめ。

今回は、県立赤城公園(標高1828m)から、赤城山の山頂部分に広がる豊かな自然とカルデラ湖をトレッキング&ハイキングしてきた。

公園内には、大沼、小沼、覚満淵などの火口湖や湿原、そして登山道などが整備され、多様な動植物が生息している。

ただ、今年はビジターセンターが改修のため休館していたり、県立赤城公園内のサントリービアホールも改修中とあって、ちとさみしい。

が気を取り直して、まず、赤城山最大のカルデラ湖である「大沼」へ行き湖岸ドライブとしゃれこんだ。

暴風対策で、車での湖岸寄り付きはここまで。それにしても、寒いのなんのって!

長七郎山とわたしの車を撮る。湖岸から見る湖は大きく波打っていた。

湖岸を楽しむ余裕は一切なかった。

ずっと「爆風」が吹き荒れて湖が大荒れだった。

さすが、群馬!「~と、からっかぜ」がハンパなく吹き荒れる。

県立赤城公園内にある、ミツバツツジがきれいな岩山。ここをよじ登って降りてくる猛者がいっぱいいた!わたし達はやらず。暴風だったから。

くしくも、この日赤城山で、70代女性の滑落(死亡)事故が起こった。

どこから、どう登ったのか?よくわからないが、無理は禁物だと改めて思い知らされた。

1828mの眺め。晴天だったが、やはり遠くは煙っていて、東京スカイツリーや東京タワーは拝めず。

県立赤城公園」まで車で登り、そこから外輪山に囲まれた神秘の湖「小沼」(1472m)まで下山した。

若干、暴風もおさまって、小沼の湖畔をゆっくりとハイキングできた。

しらびそや白樺の木立も美しく映えて、ロマンチックな雰囲気のあるスポットだった。

そして、一番楽しみにしていた、小尾瀬と呼ばれる「覚満淵 かくまんぶち」湿原へは、熊ガードを越えてハイキングに勤しんできた。

熊ガードを開けてハイキング道に入る夫。(熊に見える?・笑)

対岸に見える木道バルコニーまでハイキングを楽しんだ。

木道バルコニーへ到着。

延々と敷き詰められている湖畔木道をゆっくりと歩く。鳥の鳴き声だけが響き渡る。

2000m近い山の上部にある漆黒のカルデラ湖と、美しい木道がぐるりと取り囲む湿原を歩けて心底、幸せな気分だった。

気温も歩くには丁度良く「ハイキングって最高に気持ちいい!」と思えた半日だった。

下の写真はそんなわたしの独り言が聞こえてきそうな一枚を撮ってもらった。

登頂しないで歩くことに注力した登山。

改めて、歩くことの楽しさに目覚めた火山湖ハイキングはこれにて終了。

よく歩いた。

軽登山を終えて、一路「めんたいパーク」へ。(入場無料)

小っちゃい子どもがかわいい!と、夫。

店内は凄い混みようで、でっかいおにぎりはほぼ売り切れ(泣)

それでも1個(420円)手に入れて、明太子ぶたまん(400円)と一緒に買った。明太子がぎっしりと入ったおにぎりは極旨~~♪

めんたいパークから急いで家路に。午後18時無事帰宅。

2泊3日のGW旅終了。

宿泊した「お宿」と「道の駅」を取りまとめて次の回にアップする予定。

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2021年5月2日記事

『SunTAMA Style』2022年5月2日記事

群馬県・草津温泉~ゆるりと過ごす癒し旅【風景・北関東旅2】

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4月27日(日)草津温泉の夜。午後19時頃。

湯畑のライトアップが美しい。

忙しい日常から離れ、心と身体の赴くままに草津温泉にやってきた。

当初は、赤城山麓に一軒宿を予約し1泊2日の予定だったが、どうも4月28日(月)の天気が思わしくない。

お天気が悪いと、ドライブも登山も何もかも楽しくない。

そんなわけで、お天気のよい4月27日、1日前倒しにして、予定を大幅変更し2泊3日に組み直してみた。

1日目→桐生~富弘美術館~明智平(栃木県)~草津温泉(車中泊)

2日目→草津温泉~六合(くに)~吹割の滝~赤城山麓の一軒宿に宿泊。

3日目→赤城山トレッキング・ハイキング~めんたいパークでランチ後帰宅。

と、こんな感じで、メインの旅先とサブの寄り道ポイントを決めてみた。

目的を繋ぐ道路は「日本ロマンチック街道」をひたすらドライブする旅となった。

道中、道の駅に寄りながら情報を経て、トイレ休憩やご飯も頂き、ロマンチック街道特有の「日本の原風景~豊かな自然・癒しの温泉・地産地消の美味しい食べ物」を求めながらのドライブは、本来の自分を取り戻す新しい旅の仕方、まさしく「リトリート」じゃないか?とか、旅の企画の段階でワクワクしていたのだ。

で、1日前倒しした「草津温泉」は、わたし達には初めての旅先!

まず、その日泊まる「湯畑観光駐車場」を目指す。(15時~翌日10時まで車中泊可能。トイレあり、場内ライトあり、屋根付きで1000円!)

15時を少し回ったところで、目的地に到着。すでに3台ほど入庫待ちしていたのだが、5分も待たずに入れてほっとした。(ここは事前予約はなし)

大通りにあり、目の前に24時間ローソンもあるので、朝のコーヒーも容易に頂ける。

一応、駐車場の料金表も撮ってきたので貼っておく。

まず、明るいうちに、草津というか温泉大国群馬県のシンボル「湯畑」周辺を散策。

駐車料金も時間も気にせず、赴くまま自在に温泉探訪できるって、なんて幸せなの?!

毎分4000ℓの温泉湯出量だとか。街中が硫黄の匂いに包まれている。舞い上がる湯けむりは圧巻の一言!

昼間は爽やかに、そして迎える夜は幻想的な湯畑の異なる表情を楽しんできた。

駐車場から徒歩で3分ほどの湯畑までの路地には、目的地への道しるべがあり迷わず行ける。

途中で、温泉饅頭の老舗、本家「ちちや」で温泉饅頭を買い出し。(ふわふわでめっちゃ旨い!)

次に、湯畑でまず、足湯に入り旅の疲れをほぐす。

そして、今晩入湯する「白旗の湯」をロケハンしつつ、群馬名物「おきりこみ」を試食したり、街の標高を見に行ったりした。

平打ち麺の味噌煮込み。かなり美味しい。

温泉饅頭を食べ、名物の試食もして、足湯にも入って観光気分は最高潮!

夕食の買い出しはセブンとローソンで。車中で1時間ほど仮眠を取り、飲食という宴を施し、それぞれが行きたい時間で夜の温泉に出向いたのだ。

まず、わたしが19時に。

湯畑のライトアップをしばし堪能して、無料で入れる共同浴場「白旗の湯」へ。

おそる、おそる入口を開ける。

暖簾をくぐり、引き戸を開けると、なんと、脱衣場と湯船が一緒になっている作りだった。(なるほど、これなら盗難防止になるわね)

本来は靴まで持って脱衣場所へ入るようだが、わたしは玄関で靴を脱いで入った。

湯船には、2人の女性がゆっくりと首まで温泉に浸かっていた。

その温泉の熱いことったら!一度で入れず、少しづつ身体を慣らしながら3回目にやっと、首までしっかりと浸かることができた!

めっちゃくちゃ濃い白濁湯。源泉かけ流し・・・というか、管からどんどん流れてくるの(笑)

そして、誰もが「黙湯」を励行していた。

こういうのを「まったり=のんびり」というのかな。なんだか非日常的で良い空間だった。

それぞれが温泉を堪能したら出ていく。きっと、心の中で「無料温泉に感動と感謝」をしていただろう。

しっかり温まって、車中泊もさほどきつくなく朝を迎えた。

そして、朝ご飯を車中で頂き、今度は「地蔵の湯」へ入りに裏草津へ。

こちらは駐車場から5分ほど歩く、今、話題の新スポットだ。顔湯やカフェなどがあり人気。

で、こちらも無料の共同浴場「地蔵の湯」では、一番だったので湯船だけ撮影してから入湯した。

というわけで、思いつきで来てみた初めての草津温泉はこれにて終了。

このあと、少しだけ朝の草津温泉を散策して、午前8時30分過ぎには駐車場をあとにした。

途中で残雪の白根山をカメラに収めて。

湯畑中心の草津温泉探訪。それなりに温泉と現地の美味しいものを頂き、圧倒的な温泉の泉質に大満足だった。

                ★★★

28日は曇天の中、日本ロマンチック街道のドライブ。

道の駅「日本で最も美しい村・六合(くに)」へも寄る。花桃の里は、遠くに残雪が美しい白根山が見える村だった。

 そして、この日宿までの最後の立ち寄りスポットは沼田市「吹割の滝」ここもお初。無料駐車場に停めて川底へ降りる。

丁度、滝見学を終えて、駐車場に戻ってきたところで雨。

最終日の赤城山が晴れることを願いつつ宿に向かった。

明日につづく。

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