暑中お見舞い申し上げます(東京都立小宮公園)【暮らし/植物・夏花】

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猛暑続きの7月初旬、皆様すこやかにお過ごしでしょうか?

わたしといえば、やはり人の子、あまりの暑さに危うく熱中症にかかりそうな毎日です。

車の移動で、何がそんなに厳しいのか?と、言えば

直接浴びてしまう冷房によって、だいたい夕方ぐらいには、喉が痛くなり、体に微熱がこもるようになります。

一方、食欲は衰えず(笑)モリモリ食べてがあ~~っと寝てしまえば

だいたい、翌朝スッキリなんです!

しかし、これも3日ほど続けてくると、さすがに体も悲鳴を上げてきます。

そこで、やっと薬(漢方)を飲むんですね(遅笑)

と、そんなこんなの7月上旬です。

どうか、皆様方、コロナ明けの夏を存分にお楽しみください🎆

(こんな感じで暑中見舞いを書いてみました・笑)

              ★

で、今朝、思い立って夏の野草を見つけに、都立小宮公園に行った。

徒歩で5分程度の道のりも、瞬く間に汗びっしょり。

しかし、いったん森に入れば、野鳥の鳴き声とさらさらと流れる水の音だけ。

その静寂さに汗も引っ込む。さっそく、初夏の野草「チダケサシ」のほぼ終わり花の群生に出会う。

ちょっと遅かったようだ。

夏の花「オカトラノオ」も少しだが見つけたので一枚載せた。

「オカトラノオ」は、白色の小さな花を茎の先に総状につけ、下方から開花していく。花穂の先端が虎の尾のように垂れ下がる。

自然への回帰をどうぞ、ご近所の公園などで感じてみて。

それでは、梅雨の晴れ間から。

では、また!

★2025年4月14日更新 「スプリング・エフェメラル」春は野山で山野草ハンターになる~3月後半から4月上旬までに咲く期間限定の花たち🌸【植物・山野草】

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スプリング・エフェメラル」という言葉をご存知?

スプリング・エフェメラルとは「春のはかない命」という意味だ。

早春に花を咲かせ、夏から秋には枯れ、地下で養分を蓄え(たくわえ)、来年の春に向けて一年の大半を地中で地下茎(ちかけい)や球根の姿で過ごす植物を総称してスプリング・エフェメラルと呼んでいる。

※参考資料→https://www.city.sapporo.jp/museum/ouchimuseum/0319.html 春のはかない植物たち・札幌市WEBより)

3月も中旬に入り寒さが緩み、暖かい日が多くなると春が待ち遠しくかる。


わたしは、北国出身ではないが、生まれ育って現在まで、東京の西の端に住み続けている。

東京とはいえ、かなり底冷えのする地域で育ったわたし。

真冬の寒さが到来するずっと前から一早く足の指が10本すべて「しもやけ」になってしまう。

もう慣れっこだもんね(威張るところじゃない・笑)

半纏(綿入れともいう)を着込み、毛糸のパンツを履き、もこもこソックスも必須だった子ども時代。

何が楽しみだったのか?と、思い出すと家の裏山に2月になると突然新芽を出す「セツブンソウ」や、3月になればその奇妙な茶紫の静脈葉を持つ「カタクリ」などがせっせと、芽吹き咲き始める。

その山野草の芽吹きを迎えると、わたしは一つ歳を取る・・・というのがワクワク嬉しい年中行事だった。

北国では、雪どけの合図として、いち早く花を咲かせる植物の中にスプリング・エフェメラル(春植物・はるしょくぶつ)と呼ばれる植物だ。

カタクリなどとてもはかない美しい山野草は、押しなべて春の妖精といわれている。

現在の家に移り住んで早くも7年が過ぎたが、嬉しいことに我が家からほど近い里山(都立公園)に、大変希少な「山野草・ワダソウ」があることを引っ越した直後に知ったのだ。

ワダソウの咲くXデーは毎年「4月10日」だ。

そして、だいたい毎年同じ場所に咲くんだ。しかし、今年は11日に森へ見つけに行ったが、あれほどたくさん咲いていたワダソウが、たった一株しか見つけられなかった。(写真はその一株)

気象の影響で減ってしまったのかな?

はやくも来年が心配だわ。

「ワダソウ」

1990年代に多摩丘陵での自生が確認されたナデシコ科の多年草。

長野県、和田峠が発祥地。いずれにしても大変希少な植物なのだが、

近所の里山でもある、東京都立小宮公園で見ることができる。

1㎝にも満たない小さな5枚の桜みたいな花弁に赤いおしべが1つづ付く。

多摩丘陵ではここと、高尾山に自生している。

朝10時を過ぎると花は閉じてしまう。

何年もかけて、希少な山野草を探し続けてきた。

こういったわたしのような、野山で山野草を探し求める人達を「山野草ハンター」と呼ぶのだそうだ。

わたしも、好きな山野草を見つけるハンターになって7年。

さしずめ、登山やキャンプでいうところの、山でそこにある枯れ葉や折れた枝を使って焚き火をしたり布団にして寝る「野営」というかブッシュクラフトと似ている概念のようだ。

わたしの山熱や植物熱は、野山が通学路であり遊び場だった子どもの頃からの習慣でできあがった賜物なのだ。

3月の年度末から4月の新年度、仕事がめちゃくちゃ忙しい中、時間をこじ開けて、スプリング・エフェメラルを探しに行くのがわたしのライフワークだ。

この時を逃してしまうと、次に出会えるのは一年後だから。

今年も3月から4月に、わずかな時間で撮り貯めた「大好きな山野草」を今日、やっとまとめてみた。

「イカリソウ」

「フデリンドウ」

「ニリンソウ」

咲く時期を知り、好きな花だけを求めて、見つけるので時間はさほどかからない。

しかも、絶対に摘んだりしない。見つけて、写真に収めるだけで充分満足なのだ。

撮影場所→東京都立小宮公園 / ひよどり山(ワダソウ・フデリンドウ・イカリソウ)

      片倉城址公園(カタクリ・ニリンソウ)

カタクリの写真はカメラの最大Zoom(36倍)で撮った。

片倉城跡公園のカタクリは私有地(人家)の裏山に群生している。その関係で近くには寄れないから、ほとんどの場合遠くから眺めることになる。

今年も、多くのカメラマンがみな立派な望遠レンズを使って撮影に興じていた。(3月下旬に撮影)

                

この4月からはじまったNHK朝ドラ「らんまん」(植物学者・牧野富太郎の生涯を描く)をずっと楽しみにしていた。

なぜなら、昨年のこと、勤め先の出版社で「牧野富太郎~植物の神様といわれた男」という本が発刊された。

児童書の類書は講談社からも出ていて、講談社版は、昨年の小学生「夏の推薦図書」に選出されていた。まだ、わたし自身は注目度は低かったのだが。

大好きな植物がテーマであり、新刊見本を夏休み中にざっと読んでおいた。

そして、秋口に「2023年春のNHK連ドラに決まった!」という朗報を受けて、書店営業にも一層、拍車がかかったのは言うまでもない。(連ドラの関連書籍を持てるのは強みになる。メディアからの恩恵は計り知れない)

この4月には日本中の多数書店で牧野富太郎フェアが開催されている。

それこそ、牧野博士を描いた書籍がど~んと並べられている。(その中に入れて頂けていることに感謝だ)

専門書から、絵本、児童書読み物、一般書にあたる生涯を描いた書籍や小説などなど。

もちろん、連ドラの主人公を演じる神木隆之介さんのポスターやらんまん特集号など、たくさん集められていてとても楽しいフェアが至るところで開催中だ。

さて、「山野草を見つけるために野山へ出向く」という地味な趣味が楽しくて止められない。

しかもさ、「春だけ」っていうところが素敵じゃない?

というわけで、今年も無事に山野草ハンターになれた・・・という話を書いた。

では、また!

★2024年4月1日更新【都留アルプス】山笑う春~満開のミツマタ群生を尋ねるトレッキング~【植物・都留アルプス】

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「山笑う春」

「山滴る夏」

「山装う秋」

「山眠る冬」

山の季語。

ようやっと、山が笑う春が来た。

2月は一年で山が一番寂しい時期。3月に入ってだんだん日ごとに美しく進化し始める。

3月の低山トレッキングは山梨県都留市を起点にした「都留アルプス」に登ってきた。

都留市のほぼ中央で標高500~650mの山々が連なる「都留アルプス」

コースは整備されていて歩きやすく、木々の間から富士山や市街地の眺望や、ファミリーでも無理なく山々を縦走するトレイルが楽しめる。

桜、アジサイ、紅葉など、季節ごとに移り変わる自然も魅力的だ。

今回はまず、都留市役所に車を停めて、簡単な都留アルプスのガイドを貰いに行った。

そこで頂いたトレッキングコースガイドを見ながら、2時の都留カントリー倶楽部のスイーツビュッフェに間に合うためには、ほとんどのトレッキングを割愛せねばならないとわかった。

縦走となると早朝からトレッキングをはじめなければならないのよね。

地図を頂いた時間はすでに10時を過ぎていたから、当初、予定していたお城山は往復で1時間かかるし、休憩を含めると、当然2時までにカントリー倶楽部に到着することはできない。

では、どこからどう都留アルプスをトレッキング攻略するか?

実は、今回、一番の目当ては山頂の展望ではない。

コースの途中に突然現れる「ミツマタの群生」だ。

このミツマタ群生だけを見に都留アルプスに登る超ショートコースがあると知り小躍りした。

都留市総合運動公園陸上競技場(やまびこ競技場)から車でしばらく走ると楽山球場という野球場がある。

その駐車場の脇から、都留アルプス登山口があった。

ここのコースはファミリーコース。(もっと縦走を楽しみたい人には尾崎山に向かう一般コースやがっつりコースもある)

※ 都留アルプス縦走コース→https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=115443

楽山球場から入る登山口で、わたしと同世代の女性から声をかけられた。

息子さんと一緒に、ミツマタを見に来たという。こういった親子や若いアベックが何組もどんどん登山口に吸い込まれていった。

ここから憧れのミツマタ群生までは、なんと10分!で着いちゃう。

最初は、わたしも「どーせ30分ぐらいはかかるよ」とか思っていたのだけど、前を歩く夫を捉えながら歩いていたら、本当にたった10分で突然視界がぼんやりと黄色くなり、深い森の中でそこだけワイワイガヤガヤと黄色の妖精が群れ咲いていた。

そうそう、熊鈴をつけた登山者が多く、都留アルプスが熊が出ることで有名だったことを思い出した。

ミツマタの枝ぶりの話だが、早春に枝の先に花が咲きその後に同じ場所から3本の枝が伸びるのが特徴だ。

そのため、ミツマタの枝は常に3本セットで先端が3つに枝分かれている。

この独特の枝ぶりから「ミツマタ」の名がついたといわれている。

秋になると葉を落とす落葉性の樹木で、大きく育っても1~2mとコンパクトサイズ。よく枝分かれするため、丸い樹形に育つ。

3月いっぱいは山の急斜面できれいに咲く。急斜面はとても滑りやすく慎重に登り下りをした。

登山口で話をした女性も、急斜面を登ってきて、思わず、歓声を上げた。

「きれいね!来れて良かった~~」と。

都留アルプスが意外なほど、素敵な森だったのでわたしも「来られて良かった~~」と、思ったんだ。

春を迎えた山はまさに「山笑う」で黄緑色の樹木葉や桃色のヤマザクラや大島桜のふわふわした素敵な山を見られて幸せだった。

また、森の中でも素敵な植物との出会いがあった。

森の中では、芽を出しはじめた山野草「カタクリ」が登山道に無数の葉を出し始めていた。

冬枯れの山の中、ハッとするほど鮮やかな緑に紫の静脈。すぐにカタクリの芽吹きだとわかる。

今日は、植物図鑑を忘れたのであまり調べられないが、シーズンにはいったら必ず携帯して山へ行く。

珍しい植物に出会えた時の感動そのままで、すぐに名前や種属がわかるので持っておきたいのだ。

ただ、とても心配なのが、カタクリの新芽が登山道にどんどん出てきているのだ。登山者に踏まれてしまわないだろうか?と、気が気でならない。

市政でも、カタクリの保全活動などやってはいるのだろうけれど。

もしかすると、ミツマタの花の時期だけがこんなに多くの人が山に入るのかも。

カタクリは、ミツマタの花が終わった頃咲き始める。

その可憐でか弱そうなカタクリの持つ生き抜くための驚異のサイクルとか、植物の生存競争を思い巡らせてトレッキングを終えた。

また、下山途中には珍しい「カントウテングマムシグサ」を見つけた。

このカントウマムシグサは夏場にちょっとグロテスクな赤い実をいっぱい着ける。

猛毒を持つ草だ。(怖笑)

春の森歩きも難なく終了した。

樹木の根っこさえも、春がきて日差しが差し込む中、伸び伸びと、喜んでいるかのように見える♪

さて、ミツマタの話題だが、関東では三か所(栃木益子神奈川丹沢山梨都留)で春先に黄色のポンポンとした可愛い花の群生が見られる。

ミツマタは高級和紙の原料としても有名だ。

だから、樹木の皮はとても硬く、ミツマタの花言葉も「強靭」だとか(笑)

というわけで、今回のお手軽低山トレッキングに行ってきたという話。

今年はトレッキングに注力する予定。

4月にも山行予定を組んでいる。

冬枯れが終わり、山々がどんどん美しくなって、トレッキングに最高な季節の到来!

楽しみ🎶

それでは、また!

タチツボスミレ~ハート形の葉がかわいい春の妖精【植物・タチツボスミレ】

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タチツボスミレはスミレ科スミレ属の植物で、すっと立ち上がる茎が特徴的なスミレ。

日本国内であれば北海道から沖縄まで、どこにでも自生しているタチツボスミレ。

海岸や山間でも見ることができるが、都会であればタチツボスミレよりもスミレのほうが多く見られる。

最大で20センチほどに成長するスミレで、他のスミレと比べてすらっとしている。

タチツボスミレの葉は「ハート形」をしているのが大きな特徴だ。花弁は左右対称になっていて美しい見た目をしている。

                ★

タチツボスミレ 名前の由来

タチツボスミレは、漢字で書くと「立壺菫」となる。これは、タチツボスミレの姿が由来していて、花が咲き終わったあとに、すっと茎が立ち上がることから名づけられた。

ツボとは庭を意味していて、庭など身近な場所で見ることができるという意味からこのような名前がついたようだ。

さらに、スミレという名前は、大工が使っていた墨入れに花の形が似ていることから、スミイレとなり、それが転じてスミレとなったとも。  

              ★

タチツボスミレの栽培は?

タチツボスミレは自宅で栽培ができる。

地植え、鉢植えどちらでも構わない。

太陽の日差しを好むので、日当たりのよい場所で育てるのが望ましい。

地植えの場合はとくに水やりは不要で、鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりをすればいい。

タチツボスミレの肥料は地植えの場合は必要はない。

鉢植えで育てている場合は、9月から10月に緩効性肥料を与えよう。

地植えの場合は世話がとても楽なのでおすすめ。

                 ★

※ TOPの写真は、わが家の石垣に毎年咲く、タチツボスミレだ。

本当にひっそりと、3株ほど3月のある日に咲き始める。

3月生まれのわたしは、なんだか自分になぞられたような、小さな小さなお花が大好きだ。

そして、かわいい「スミレ」という名前も「墨入れ」から文字られたものだったと、はじめて知った。

そっと寄り添う可憐なお花の話を書いてみた。

そろそろ山野草ハンターになる季節だ。

まずは、身近なタチツボスミレから紹介した。

では、また♪

   

福寿草~春を告げる花【暮らし・季節の植物】

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福寿草 (ふくじゅそう)

(元日草(がんじつそう)、
 朔日草(ついたちそう))

(Amur adonis, Pheasant's eye)

2月に入った。今朝、いつもの山に福寿草の育成を見に行ってきた。

同じように一眼レフを携えた方々も福寿草目当てで撮影に来ていた。

まだ、つぼみが多く、花が開いたら葉が出て来るので、枯れ葉の布団にくるまって健気に芽を出していた。

福寿草の花言葉は「幸せを招く・永久の幸福」だ。

福寿草という名前からも分かるよう、古くから日本で福を招く植物として知られてきた。

福寿草の説明

・金鳳花(きんぽうげ)科。
・学名
  Adonis amurensis
   Adonis : フクジュソウ属
   amurensis : 
      アムール川流域の
    (黒竜河:中国北東部)

 Adonis(アドニス)は、
 ギリシャ神話に登場する人物。
 イノシシの牙に突かれて
 死んでしまった青年の名前に由来。
 傷から出た、
 血のように赤い花にたとえた。
  (欧州産の本属のものは、
   黄色い花ではなく
   赤い花らしい)
お正月に花屋さんで
 売られているものは
 ハウス栽培されたもの。
 花芽は晩秋にできるので、
 その後約1ヶ月、
 寒さにあわせて室内に
 とりこんでおくと
 お正月頃に咲く。
 屋外でふつうに咲き出すのは
 2月上旬頃から。

・光や温度に非常に敏感で、
 昼間でも日がさえぎられると
 1~2分で花がしぼみ、
 再び日があたると
 いつの間にか花が開く。
 寒い時期に咲くので、
 花びらを開閉することで
 花の中の温度を
 下げないようにしている。

春を告げる花の紹介。
野山や丘陵など、福寿草が咲く場所をおさえておくと毎年、春一番に会いに行ける。

野山に山野草の咲く場所を見つけ、花の季節に会いに行くのが、わたしのささやかなライフワーク。

今年も終わりかけの蝋梅に間に合ってあのかぐわしい香りも満喫でき、福寿草の芽吹きに出会えた。

寒い朝でも、とても幸せよ。

では、また。

2024年7月29日更新 高崎でモネを観て~行田で古代蓮を見る午後~モネは少し離れて観るのがいい。古代蓮は真近で咲き誇る姿を見るのがいい【写真で綴る旅・睡蓮】

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昨日の郡馬旅の続き。

郡馬県立近代美術館では、モネの睡蓮にも出会えた。

1914-17
油彩・カンヴァス
131.0×95.0cm

「睡蓮」のごく簡単な解説をどうぞ。

 モネは1883年から、パリ北西の町ジヴェルニーに転居し、自宅に丹精こめて庭園をこしらえた。

モネはこの庭園を20年かけて完成し、「最も美しい自分の作品」と自負している。

1900年以後26年に亡くなる直前まで、モネはこの庭園のなかに作られた、睡蓮が浮かぶ「水の庭」を主題に選び制作を行う。


 これらの作品では、モネは睡蓮の葉の広がりと水面に浮かぶ花によって、鏡のように静かな水面の存在をあらわしている。

そして、水面の鮮やかな青色には空の色まで反映され、大胆な筆の動きは、水中に動く水草と水面に映る柳など周囲の樹木のすがたとが渾然一体となった様子をみごとに表現している。


 睡蓮の池を主題としたモネの作品では、当初、構図のなかで空と池がそれぞれ半分を占めていた。

やがて空は画面の上部に後退し、1905年以降は、画面全体をほとんど睡蓮の池が占めるようになり、画家の眼は水面により接近していく。

こうして、青と緑、そしてピンクの色彩が広がる画面から、水面に映る空を走る雲、池の周囲にそびえる樹木、そして水流に漂う水草の動きを知覚する働きは、見る人の感覚に、そして見る人の内面により深くゆだねられるようになる。

そのためであろう、自然界の静と動のドラマを注視し、ついには生命の神秘にまで迫るような深い内容をそなえたモネの晩年の睡蓮の連作は、個人の内面への洞察を深める20世紀の芸術家に、とりわけ高く評価されている 。(資料元→https://mmag.pref.gunma.jp/works/monet 群馬県立近代美術館HPから)

                   ★

これまで、数々の美術館で、モネの睡蓮に出会ってきた。

それこそ、世界中に相当の数の作品があるだろう・・・な。

で、調べてみたら250点のシリーズ作品だということがわかった。

睡蓮》はクロード・モネによって制作された約250枚の油彩絵画なるシリーズ作品

現在では、日本国内にある13ヵ所の美術館所蔵にて、モネの睡蓮は鑑賞できる。

13の美術館の資料はこちら→https://media.thisisgallery.com/20200123 (モネの作品を所蔵する日本の美術館13選)

まだ、13枚すべてを観てはいない。これから、毎年ひとつ、ひとつ鑑賞して行こうと計画中だ。

しかも、フランスにある、「オランジュリー美術館」(モネの睡蓮の間)にも生きている間に訪問したいと願っている。

                  ★

さて、ひとしきり、美術鑑賞を終え、次の場所は夫があらかじめ調べておいてくれた、埼玉県行田市の「行田古代蓮の里」という自然公園に行った。

睡蓮は、朝からお昼頃までが、花弁が開き大変に美しいとされているが、夕方にはつぼみにもどって、口をきゅっと結ぶ姿がまさに「睡蓮」そのものなのだ。

で、昨日は午後3時半過ぎに目的地へ着くも、やはり眠りの準備をはじめた無数の睡蓮たちに圧倒されてしまった。

また、風がつよく、ざわざわと風を受けながら葉の生い茂る様も圧巻だった。

まだ、結びきらない花を探し求めて園内を急ぎ足で回る。

やっぱり、朝見にこなくっちゃね!と心底思った、蓮池の鑑賞だった。

かのモネもたくさんの風景画を描いているが、何よりも描きたかったのが「朝の光」だそうだ。次いで、「昼の暑い日差し」そして、「夕方のうすぐらい空」どんどん表情を変える蓮池で生涯、光を描き続けたんだ。

~モネを観てから蓮池に行く~なんとも贅沢な日帰り旅だった。

撮影をしながら、閉まる寸前の売店でゴーヤの詰め合わせと🍅の詰め合わせを購入(笑)

で、深谷バイパス→国道17号→国道16号で6時に帰宅。

最近は、コロナ禍で首都圏近郊の北関東は「群馬・茨城・栃木」などに小さな旅をするのが流行っているらしいよ。

まだまだ、行きたいところはいっぱいあるしね。

楽しみは尽きない。

★2024年6月21日更新 植物図鑑「アガパンサス」~薄青い梅雨に咲く花【植物・梅雨の色】

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アガパンサス

南アフリカからやってきた。ユリ科で梅雨に清々と咲く薄青い花。

花言葉→「恋の訪れ」「ラブレター」「知的な装い」

雨の中、一枚だけ撮ってきた。

                   ★

英名 African lily

和名 紫君子蘭

別名・流通名 アフリカンリリー

科名 ユリ科

属名 アガパンサス属

原産地 南アフリカ

                   ★

アガパンサスは、ユリ科の多年草で、5月下旬ごろから7月頃、光沢と厚みのある葉が茂った中からすっと花首を立ち上げて花火のような放射状の涼やかな青い色の花を毎年咲かせる。

南アフリカが原産で種類は10~20種あり、その性質は大変丈夫で育てやすいため、公園や花壇の植え込みなどによく植えられてるのを見たという人が多いだろう。

学名の「Agapanthus(アガパンサス)」は、ギリシャ語で愛を意味する「agape」と花を意味する「anthos」が語源となり、愛らしい花の美しさからこの名前が付けられている。

                   ★

育て方の特徴をまとめてみた。

アガパンサスは、冬でも葉が枯れない多年草タイプのものと、冬になると地上部が枯れる宿根草タイプのものがある。

大きさは、大人の膝丈にも満たないくらいの大きさのものから、1mを超える大型のものまであるそうだ。

花色は赤みがかった紫~青紫、白があり、青紫色の花でも、色は濃いものから薄いものまでさまざまでバリエーションにはことかかない。

つぼみのまま花が開かないといった、少し変わった面白い品種もある。

資料元→https://lovegreen.net/library/bulb/p88845/アガパンサスの育て方

★2024年5月10日更新 苔むす話とか~リアルな苔の話をしよう【植物・苔】

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テラリウムってご存知?

小さな箱庭で苔を育てるアレよ。

数年前に静かなブームだったような。100均の観葉植物で作るテラリウムとかも流行ったっけ。

ジブリの作品になぞらえたものもあった。(画像を引用・ラピュタ風の苔テラリウム)

今、また靜かなブームになっているようだ。

一昨年、コロナ禍になって、わたしの山熱も再燃した。

毎回の登山では、お天気が一番の関心事である。

お天気は、時には味方となり、場合によっては敵にもなりうる怖い存在だ。

どれだけ、準備を入念にしても、ひとたび天候不順となれば、アッサリと中止する。

絶対に晴れのお天気以外では登ってこなかった。

しかし、天候不順を狙って登る登山もあるのだそうだ。

雨、曇り、深い霧などが出ている山へわざわざ登る!しかも、場所は八ヶ岳連峰がその目的に最高だという。

いったい何をしに行くのか?

それは、「生まれたての苔」の撮影だ。

八ヶ岳は世界有数の苔の群生地だ。その数も無数。TOP写真も八ヶ岳でよく見かけるふわふわの苔。(名前は忘れちゃった)

登山家の野口健さんも、苔を見に行くのに八ヶ岳を登るとTV番組で話されていた。

たしかに、森の中で湿気と養分をいっぱい蓄えて育った、できたての苔は本当に美しい。              

しかし、苔って長い年月をかけてできると思うでしょ?

実は、環境さえあれば、苔はすくすくと数年で立派に育つのだ。

                  ★   

なぜ、そんなことが言えるのか?と言えば、以前住んでいた一戸建て(新築してから3年ぐらい)の時の話だ。

小さなわが家の庭(3畳ほどの芝生地)を見せて!と、ご近所のご婦人が訪ねてきたんだ。

わたしは、芝生の手入れも満足にできていない無精を隠す気もなく、「どーぞ、どーぞ」と客人を迎え入れた。

彼女は、やや枯れつつある芝生地に見入っていたのね。そしたら、突然「欲しいものがあった!」と、なかば狂喜乱舞・・・。

それは、その小さな芝生地のすみっこに自生していた「ふわふわのできたて苔」だった。

彼女は臆することもなく「この苔が欲しいんですがダメですか?」と。

わたしは、苔の存在すら知らなかったから「どーぞ、どーぞ」と、持って行ってもらうようにお薦めしたの。

その苔を取るために彼女が用意したものは、玉子の透明なパックと小さなシャベル。

その玉子パックに少しずつ、それは、それは大事そうに入れて行ったんだ。

後に「テラリウム」を作る職人さんだと知った。

彼女は質の良いできたての苔が手に入ったといい、ご丁寧に菓子折りを持って挨拶に来てくれた。

それから、しばらくしてあるTVの番組で、「植物や苔など、山や個人の庭からは移植してはイケナイ!」という事実を知ったのだ。

植物の中でも特に苔はとてもナイーブな生き物で、少しでも違う土や空気や匂いに敏感なのだと。

せっかく移植しても、ほぼ枯れてしまうとも聞いた。我が家に苔を取りにきた彼女も、きっと、にわかテラリウム職人さんだったのだろう。

その後も、わが家のふわふわ苔はどんどん勝手に育成して行った。ずぼらなわたしは、その緑苔を使ってどうこうすることはなかったが、たまに触ってふわふわ感を楽しんでいたんだ(笑)

わたしにはどーでもいいものが、他人には宝の山だったという話よ。

苔むす前にここに記しておこう。

                    ★

最近の流行りをもうひとつ。

パルダリウム」本来であれば、魚を育てる水槽に熱帯植物のジャングルを作るという新種のガーデニングだ。

ここに、資料を載せる→https://t-aquagarden.com/column/paldarium パルダリウム水槽とは?本格ブーム到来!

水槽の電気に照らされた熱帯植物の美しいことったらない!

素敵なハンドブックも見つけたので合わせて紹介する。

『パルダリウム ハンドブック』大自然の景色を手本に作る、ガラスケースのジャングル(長谷圭佑・著/ 双葉社)

わたしは、山に登山で行くようになってから、すっかり里山公園での山野草や園芸店の園芸植物を見に行かなくなった。

なぜ、行かなくなったのか?

たぶんそれは、長いこと、足元の小さな植物を愛でてきたが、山そのものの大きな自然を目の当たりにして、深く、圧倒されてしまったからだろう。

美しい山々の景色や歩いてみたくなる稜線の数々が、わたしを山通いへいざなう。

しかし、「テラリウム」や「パルダリウム」という技法で大自然をお手本にして、一種の箱庭が手に入れられるなんて素晴らしいとも感じた。

どんな形にせよ、緑は素晴らしいものだもの。

★2025年4月14日更新 オオイヌノフグリ~家の駐車場がブルーの絨毯になる~小さな花を撮る楽しみ【暮らし・植物】

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3月半ばになると、東京都下の通い慣れた道端に、春の訪れを感じさせる花が咲く。

オオイヌノフグリ・・・その小さな花弁は、全国津々浦々どこででも見られる雑草だ。

雑草といえども、そのブルーの美しさには圧倒されるほど。

待ち遠しかった春の到来を告げる花なのだ。

毎年、桜の開花より10日ほど早く咲き始めるオオイヌノフグリ。我が家の駐車場のすみっこをブルーの絨毯敷き詰めたみたいに咲き誇る。

その姿を写真に収めようと何十回もチャレンジするのだけど、小さな花の撮影はかなり難しい。

で、やっと、納得の一枚が撮れた。

ああ~~、これで春のスタートができる・・・と、安心したまま忘れてしまっていた。3月15日の写真をなぜか、今日見つけて急いで書いた。

忙しいってこういうことなんだ。毎日ひとつは確実に忘れてしまうのね(泣)

でも、最近知ったんだけど、オオイヌノフグリは春の花だとばかり思っていたら、なんと、11月ぐらいまではずうっと咲いては枯れ、咲いては枯れるんだそうだ。

なんだ!焦っちゃたじゃん。

でもいいや。

季節折々のオオイヌノフグリを撮ってみたいと思っている。

同じ花でも季節によって違う表情が見られそうだ。

山野草ハンターから雑草写真家とか、ハマれたら面白いかも(笑)

ムスカリが咲いたよ~毎日が発見の連続で幸せ倍増♪【植物・ムスカリ】

【ブログ新規追加660回】

昨年末に地元の郵便局でもらったムスカリの鉢植え。

まるでひげボウボウみたいな青い草だけの鉢植えだった。

このひげのどこから、あの可憐な紫のつぼみがでてくるんだろう・・・?

興味津々。

それが、ひげそのものからじゃなくて、ひげのスキマにぽつぽつと花が咲き始めてきた。

あれ?!それじゃあ、ひげは別の植物だったの?

ちょっと、調べてみた。

ムスカリにも品種がいくつかある。わたしが持ちかえったムスカリは「アルメニカム」という品種らしい。

特長は、あのピロピロのひげ!だ。

水仙みたいな葉っぱが普通よく見るムスカリ。

あのピロピロを早いうちにカットしてしまうリセット法もあるらしいが、それだとピロピロの切り口から、養分が出てしまい栄養がすみずみまで浸透せず、球根が持ち越せなくなるそう。

だから、そのまま、ありのままでいいのだと。

ムスカリの葉を伸ばさない方法→https://engaku.net/engaku-blog/bulb/musukari/)

なるほど。

やっぱり、わたしは植物が好きなんだなと、改めて思った。

こんな、小さな植物の芽生えを見つけられただけでも、充分にしあわせなんだもの。

15㎝円形のしあわせ。