『短編集・謎のクィン氏』アガサ・クリスティーを読んで~短編集には「暮らしの達人」が登場する嬉しさを見つけた🎶【選書・文化/推理小説】

【ブログ新規追加564回】

アガサ・クリスティーの推理小説は何が好き?

そう聞かれたらヤバイ(笑)だって、ほとんど読んでないんだもの!

映画で「オリエント急行殺人事件」やビデオで「「ナイルに死す」などを観た覚えがあるだけ。(TOPの写真は「ナイル殺人事件」1984版の画像を拝借した)

そこで、年末にアガサ・クリスティーの短編集「謎のクィン氏」を探して借りたのだ。このあたりで「世界の推理小説の女王」の作品を堪能したいと思ってね。

忙しい年末、おせちの煮物を煮る間、ちょっとの時間でも読める短編集。これでミステリー不足を補充できるかしら?

だって、ミステリアスなものや謎めいたものって、非現実的だとも思えるけど、普通の暮らしでも、頭のいい詐欺師はいっくらでも存在している。

そうした知恵の回る輩を捉えたり、回避したりするにはミステリーの持つ非凡な感性や手法はぜひとも習得してみたかったの。

また、わたしは大の「短編小説好き」だったのを思い出して、アガサ・クリスティーの作品が短編で読める!なんてとても、嬉しくなった。

謎のクィン氏』(クリスティー文庫) は大変に面白く、主人公のサタース氏、クィン氏ともに、とっても素敵な「暮らしの達人」だった。

簡単にレビューしよう。

アガサ・クリスティーが1930年に発表した短編集として三作目となる作品だ。


タイトルがすでに「謎」を彷彿させるが、原題の「The Mysterious Mr.Quin」の方が作品の雰囲気を伝えているかもしれない。


12篇の短篇が収められていて殺人事件を解くだけでなく、恋愛ミステリーと呼んでいいものもある。


12編すべてにクィン氏が登場する。

「黒髪で、陰気で、微笑んでいながら、悲しげ」に見えるハーリ・クィン氏。

彼は実は「探偵」でもないし、この短編集の主人公でもない。

主人公は、69歳の紳士サタース・ウェイト氏である。社交界にも通じる名手だ。

サタース・ウェイト氏のことを、アガサ・クリスティは「暮らしの達人」と称して主人公に据えている。

サタース氏は着る物から食べ物まで暮らしのあらゆることに、洗練された趣味のよさを持っている紳士なのだ。

まさに、「暮らしの達人」だと。

いい名称よね。(わたしもブログの名前を「暮らしの達人」と変えたくなっちゃった・笑)

サタース氏の姿は「人生という名前のドラマの熱心な研究者」であり、その研究の神髄は「人間たちが繰り広げる悲喜劇への並外れた興味」だと言い切る。

そこで、サタース氏が、偏愛ともいえる人間観察を投影させる相手として、「謎深い」クィン氏という同年代の男性紳士を登場させて、数々の殺人事件を解明していく・・・というストーリーだ。

この短編での読みどころは「クィン氏は謎を解かない」という一点だ。

クィン氏の謎ときの方法は、「その人間の持つ印象」に重きを持っていて、それをつぶさにサタース氏に伝えるのだ。

サタース氏も、次第にクィン氏が現われる時は、何か事件が起こる前兆だと考えるようになっていく。

いいや、サタース氏が自己投影した姿がクィン氏で、本当は実在しない人間なのかも・・・。

短編を読み進めると、読み手もサタース氏のようにクィン氏は何者なんだろう?と、思うように仕組まれている、見事な文章マジック!

やっぱり、ミステリーは読み手を騙してナンボ(笑)


 

『フランス人は10着しか服を持たない 2 』続編を見つけたんで読んでみた~服だけじゃない、クール&シックな暮らし方の提案🎶【選書・自己啓発】

【ブログ新規追加560回】

以前、『フランス人は10着しか服を持たない』というタイトルがやや、ショッキングな書籍のレビューを書いた。

レビューをちょっと長いが全文引用してみる。

                    ★

「日常のなかにささやかな喜びを見つける」レビューエッセイ

フランス人は10着しか服を持たない』パリで学んだ暮らしの質を高める秘訣  ジェニファー・L・スコット(著・大和書房)

超片付け魔の私。

自分をミニマリストだとは思ってはいないが、かなり物に対する執着は捨ててサッパリと生きてきた。

出版されてかなり経つ本書だが、それまでまったく興味が湧かなかったティファニーブルーな一冊、「フランス人は10着しか服を持たない」を今さら読んでみたのだ。

なぜ、まったく興味が湧かなかったのかと言えば、タイトルからファッションの本だと思い込んで敬遠していたから。

しかし、内容は意外や意外、パリに住むある女性を主人公にした、自分らしく生きる提案を謳っていた作品だった。

私は主人公・マダムシックのような生き方が好きだし、丁寧な暮らし方にも憧れがあるから、最初から読むのが楽しかったな。

ファッションだけだと思い込み、あれほど敬遠していたくせにね(笑)

物を無駄にせず大切にしたいタイプだという主人公マダムシック。


しかし、今の時代物が溢れているので、ついつい「いらない物」に囲まれて、何を使っていいのか悩んだり、「みんなが持っているから」という同調主義に翻弄されて友達と同じ物を買い漁ったりと忙しい。


こんなことを悩んでいる人にはシンプルに問題解決を提示してくれる有難い本でもあるのよ。

文章の表現がちょっとだけ稚拙に感じるのが難点かしら。

何回も同じことを繰り返して書くクセがあるようで、ページ稼ぎ?かと思うぐらい。

でも元の原稿が本人のブログ記事からだとわかり、まぁ、ご愛嬌の範囲だと考えて読み終えた。

日本で、マダムシックの域に到達するのは生活感がまったく違うのだから難しいけれども、自分の好きな物に囲まれて大切な人たちと、毎日、毎食、食卓を囲む・・・という優雅なスタイルは努力目標にしてみたいものだ。

現在、日本の若い女性が求めるキーワードに「週末」というのがあるのだそう。

それは、「週末、何して過ごす?」「誰と何を食べて過ごす?」などの楽しみを毎週求めて生きているのだと。


しかし、この本では限られたクリスマスみたいなイベントではなく、いつも、いつでも一緒だと言える人間関係のコミュニケーション術なる極意が秘められていたのだ。

わたしにしては珍しく、「週末だけでなく毎日を大切に生きたい」と、目が覚めた一書だった。

                    ★

さて、続編の『フランス人は10着しか服を持たない 2 』~ 今の家でもっとシックに暮らす方法~ の簡単レビューをしよう。

フランスはパリで最高のシックな暮らしをマダム・シックから学んだ著者。

その後、カリフォルニアに戻って、パリでのエレガントな暮らしや装いを自分の家で実践するのだ。

結婚していても、存在感のある魅力的な女性になれるし、どこに住んでいても、シックで素敵な暮らしは実現できる!

広い家?いいえ、要らないのよ。

一流の家具でなけりゃ!いいえ!どんな家具でもお気にいりに囲まれて暮らすのが素敵だと言い切る著者。

好きなモノを丁寧に使い、使ったら手入れをして、好きな人や好きなモノに囲まれておしゃれも忘れずに活き活き暮らす・・・毎日を特別な日にする魔法がまことしやかに書かれている名著。

待望の続編だった。

書籍の装丁も素敵。色味やイラストが何ともおしゃれよ。


「日本経済新聞」1月1日朝刊を開いて思ったこと~今の世相は新聞広告に現れる?~以前取り上げた書籍も再度紹介する🎶【選書・ワークスタイル】

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わたしのブログのコンセプト(全体を貫く観点)は、「本」の紹介である。

出版営業という本職からも「本」に関係する話や情報が一番ふさわしいと考えたからだ。

で、新聞の広告もとても大事な今の世相を繁栄するツールだと常々思ってきた。

今朝の日本経済新聞の元旦号を開いて「おや?」と、感じたのが、トップの写真の書籍広告だった。2019年、ビジネス書籍年間ベストセラー獲得。

すでに3年前の発刊だ。今に必要なのだろうか?

この書籍の根幹にあるのは「娘と父の攻防」であり、大学生になっても己のやりたい仕事が見つからず悶々とする娘に対して、ビジネスの基本や考え方の一切をまとめたテキストだ。

しかし、その内容はテキストなどではなかった。一本の家族の歴史をまるで映像で見せつけられたかのような精細な文章だった。

以前、このブログでも紹介したことのある書籍だ。記事の再度アップをしておこう。↓

当時のわたしが仕事で受けた不遇と心境をこの書籍を交えて書いた一本だった。

今、コロナ禍で誰もが将来を描きにくくなっているそうだ。

今朝の日本経済新聞の記事にも「競争・再挑戦・成長」の好循環を生むには?とか、「コロナ禍の間に生活や仕事を立て直すには?」とか。

新聞記事自体が、こういった難問を解いてくれるわけじゃないのは誰もが知っている。

それでも記事から問題提起を受けて、自問自答したビジネスマンは多かったのではないか?と、わたしは感じた。

そういった記事の真下に、さきほどの「苦しかったときの話をしようか」の大々的なセールスが出ていたんだ。

そうか、そうだよね。みんなまだまだ苦しさの真っただ中なんだもの。

どうやって苦境を乗り越えたのか?

その時の心境をつぶさに語った、こうした書籍がまだまだ困難に悩むビジネスマンに売れ続けているんだと改めて知った。

で、以前の記事には「苦しかったときの話をしようか」の書籍レビューやAmazon広告も載せてある。ご興味のある方はぜひ、記事を開いてみて!

お正月は、仕事や人生をゆっくりと振り返る有意義な時間が取りやすい。

そんな時にぴったりな一冊の紹介。

今年もジャンルをまたいでどんどん書籍のレビューや紹介文を書いて行く。

どうぞ、楽しみにしていてね。

『LIFE SHIFT 2 』100年時代の行動戦略~読み終えた~読後レビュー【選書・自己啓発】

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11月、かなり多忙だったが、懸案だった『LIFE SIFT 2』~100年時代の行動戦略~を読み終えて何だかホッとしている。

わかりやすくレビューするために、『LIFE SHIFT』『LIFE SHIFT 2』と一挙に2冊の紹介をする。

世界的大ヒットした前作『LIFE SHIFT』~100年時代の人生戦略~では、読み終えて背筋がピーンと伸びたものだった。

誰もが、人生100年時代を生きる。誰もが主役となれるポイントが挙げられていたのだ。ここにそのポイントを本文から抜き出してみよう。

ライフ・シフト」~100年時代 の人生戦略~最重要のポイントを挙げてみる。

未来を予測するに、これから先はこんなことが起きます!
◉ 50歳未満の日本人は100年ライフを過ごすことになります。
◉ 定年で仕事を終えて余暇を過ごす人生ではなくなります。
◉ お金より、目に見えないもの(友達、健康)などが大切になります。
◉ 男性一人で家族を養うモデルは崩壊します、
◉ 夫婦の信頼関係がより重要になります。

 まとめるとこんなところだ。私たちが元々もっていた人生の価値基準は3ステージ型で、おもに学習~仕事~余暇で、大事な物は家やお金などの有形財産というものではなかっただろうか?

 これに対し、自己変革するという方向が、これから先に通じていける唯一の道というか希望というのか、リンダ女史の唱える100年ライフの価値基準となる。すなわち、学習・仕事・余暇が途切れることなく生涯続き、大切なのは物より無形財産寄りのスキル・健康・友人・仲間・評判などにシフトすることで、人生の希望が叶えられていくというもの。

 今まさに私も、自己のスキルや健康・仲間・友人などを一度棚卸しをして、人生100年ライフに備えるべきだと新たに思い直している次第。

以上が前作のポイントだ。

                  ★

さて、最新刊『LIFE SHIFT 2 』~100年時代の行動戦略~では、どう進化した論説が語られているのだろうか?

著者は、~100年時代の行動戦略~を執筆する上で、数々の取材を重ねた結果、誰もが行動に移せるように「3つの要素」を掲げて自問自答をするように促している。問いは、いずれも人間の本質に根差したものだ。

では、人間としての可能性を開花させる「3つの要素」を挙げてみる。

① 物語・・・自分の人生のストーリーを紡ぎ、そのストーリーの道すじを歩むこと。それは、人生の意味を与え、人生で様々な選択を行う際の手引きとなるようなストーリーでなければならない。

物語を紡ぐための自己問答→「わたしはどのような仕事に就くのか?」「そのためにどのようなスキルが必要になるのか?」「どのようなキャリアを築くのか?」「老いるとはどのような経験なのか?」

まず、これらの問いに自問自答してみよう。

② 探索・・・学習をしながら自らの変身を重ねることで、人生で避けて通れない移行のプロセスを成功させる。

ここでも自問自答の用意がある→「長寿化によりキャリアの選択肢が広がるか?どのように選択肢を検討するのか?」「そのために必要なスキルは、どのようにして身に着けるのか?」「どのような変化を試みて、これまでより多くの移行を経験する人生をどうやって歩んでいくのか?」などだ。

少々、自分の奥深いところに踏み込んだ自問自答となるだろう。

③ 関係・・・深い絆をはぐくみ、有意義な人間関係を構築して維持すること。

ここでの自問自答はこうだ→「家庭のあり方が変わりつつある状況に、どのように対処するのか?」「子どもの数が減り、高齢者の数が多くなる世界は、どのようなものになるのか?」「世代間の調和を実現するために、わたしたちは何ができるのか?」などだ。

「3つの要点」を自問自答をしながら、自分の人生の主役として演じ切るために深く思考してみよう!という行動提案となっている。

どう?

意外と簡単かしら?

それとも、人生の「物語」は自分で考えるのか?!と改めて新鮮な驚きに満ちた人もいるだろう。

わたしも自問自答しながら、これから迎える第三の「人生」への挑戦を始めた。

そもそも、人生の道を自分で思い描き、その通りに歩めればこれこそが大成功の人生となるハズ。

しかし、わたし達は心のどこかで、「自分で考える人生なんて!恐れ多い」「誰でも簡単に歩める人生であればいい」と、安定と安泰ばかり求めてはいないだろうか?

この、自己保身を今、脱ぎ捨てて人生100年時代に向けて踏み出そう!という提案だ。

「100年も生きるのだから」不安なら、不安の根っこに勇気を持って対峙しよう。

「100年も生きるのだから」夢中になれないなら、夢中だった頃の自分を思いだそう。

とにかく、わたし達は確実に人生100年時代を生きるのだから。

思考は最高の友だちよ(笑)

※『LIFE SHIFT』100年時代の人生戦略

『LIFE SHIFT2』100年時代の行動戦略





    

『楽園のカンヴァス』原田マハ(株 新潮社)~読後レビュー【選書・ワークスタイル】

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楽園のカンヴァス

あらすじ

ニューヨークで活躍する鬼才キュレーター ティム・ブラウン。

彼はある日、スイスの大邸宅に招かれた。

そこで目にしたのは巨匠アンリ・ルソーの名作「夢」に酷似した作品だった。

持ち主は、ティムに「正しく真贋決定した者にこの絵を譲る」と告げる。そしてティムにてがかりとなる謎の古書を手渡す。

リミットは7日後。

そしてライバルは日本人研究者の早川織絵。彼女はアンリ・ルソーの研究では第一人者だ。

そして、ルソーとピカソ。二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは。

また、ティムと織絵、二人の名キュレーターが一枚の絵を巡り戦いの火花を散らす。

                 ★

読後レビュー

美術史に関する小説の多くはミステリーだ。

以前、山梨県立美術館の所蔵する「種をまく人」ジャン=フランソワ・ミレー作を見に行った時、その絵画の書かれた歴史をひも解いた解説を読んだのだが、美術館所蔵の作品は大変珍しい「唯一、元の版木に描かれた作品」だった。

要するに油絵の場合、絵自体は何度もそぎ落とすことが可能だ。以前、誰かの描いた作品を削ぎ落して上描きすることも当たり前にできる。

例えば「絵そのものに家系の真実を埋め込んで描き、その上から別の「絵」を描いて隠す」など、謎を仕掛けることや真実を迷宮入りさせる」格好の材料となってきた絵画の存在。

今回、読んだ『楽園のカンヴァス』も、まさに「夢」という作品の持つ謎を解き明かすために二人の名キュレーターが火花を散らす。

ミステリー小説としては、かなりスリリングでもたつかず、一気に読める。

著者は小説家以前は学芸員=キュレーター職だったわけで、美術関係の仕事に関するムリやムダの描写が興味深い。

わたしが面白い!と感じたのは、美術館の部屋にそれぞれ配置されている「人」の話だ。

彼らは「監視員」だそうだ。貴重な美術品を人の手から守るために時間ごとに部屋を巡回しながら一日中、世界の名立たる名画との時間を過ごす。

美術館の「監視員」の仕事は、あくまでも鑑賞者が靜かな環境で正しく鑑賞するかどうかを見守ることにある。

解説をするわけでもなく、案内をするのでもない。ただ「この絵の画家は誰ですか?」などの質問には間違いなく答えられなければならない。そのための作品の背景は勉強しておかなければならない。

その場にただ無機質な表情で座っているだけなんて・・・よく美術館で監視員の方々を見かけるのだが、「つまらないだろな」「あくびはかみ殺してるんだろうな」などと色々勘ぐっていた。

唯一の各部屋への移動だけが、音もなく沈殿する空気を攪拌する役目があるようだ。

そして本書では、監視員はキュレーターではないから、普通のアルバイトやパートで募集されているのだと説明がなされている。

しかし、見方を変えれば、美術館の監視員とは「学芸員よりも、研究者よりも、絵画コレクターよりも、誰よりも、名画に向かい続けている人たちなのだ」と言えよう。

~閉ざされた空間に滔々と靜かに流れる時間。朝十時から午後五時までそこから逃れることはできない。まったくの刺激も変化も事件もない。絶対にあってはならないのだ~

どう?こんな仕事は。

とことん、美術が好きで浸りたい方は、ぜひ美術館「監視員」に応募ください(笑)

• 最後に

母と娘の人間模様も読みどころのひとつ。原田マハ氏らしい、スキッとしながらもどこか切ない心の様子が見事に描かれている名書。

晩い秋にはぜひ!こんな美術ミステリーをどうぞ。


『LIFE SHIFT ライフシフト2』100年時代の行動戦略(アンドリュー・スコット/リンダ・グラットン 著) 東洋経済新報社【選書・自己啓発】

【ブログ新規追加541回】

LIFE SHIFT2』を今日、手に入れた。

前評判通り、大型書店では軒並み、レジ前にフェア台を用意してど~んと積まれている。

シリーズ累計50万部(ワークシフト、ライフシフト)からの待望の実践編だ。

もう、買うっきゃないでしょ?と、思っていたところに、夫が「もう、買っちゃった!」と。

有難い。代金の半分を進呈させて頂いた(笑)

今週末から飛び石連休みたいなお休みに、じっくり人生戦略を考えながら読むのに打ってつけよ。

帯には、何やら不安を煽るような文句が・・・「日本人の不安に応える」とか。何を指して不安というのだろうか?ぜひ、読み込んで検証したい。

多分、これも各界の様々な著名人などが、我先に!と読後レビューするんだろうな。

ま、もちろん、わたしもレビューする予定。

今日は、シリーズの『ワークシフト』と『ライフシフト』の2冊のレビューブログをここに載せる。

⦿ 『ワークシフト』孤独と貧困から自由になる働き方の未来図

まず、「なぜ、仕事をシフトするのか?」「なぜ、人生のシフトを考えねばならないのか?」という、仕事の選び方や仕事に対するメンタル、思考を育てるのが第一目的の一書だ。

⦿『LIFE SHIFT』100年時代の人生戦略

新年、「100年ライフ」を目指す。(http://lifetour.blog.jp/) ※記事はタイトルをクリック!

さらに、人生の底上げを図るために、「生涯学習のすすめ」と「仕事のチェンジ」を奨励し、人生設計の立て直しを、より具体的に検証された一書だった。

で、今回の『LIFE SHIFT2』では、論じるだけでなく、人生100年時代を前かに、読者がより実践できるように促す「実践編」となっている。

今から楽しみ~~♪

では、読み終わったら、読後レビューするのでしばし時間を頂きますね。

「人生100年の戦略を考える秋」にピッタリな一書。

興味があれば、ぜひ!


やった!1076ページの超大作「エヴェレスト・神々の山嶺」を読み終えて/読後レビュー【文化・山岳小説】

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10月12日、図書館でリクエストしておいた山岳小説の大ベストセラー「エヴェレスト・神々の山嶺」を借りたんだ。

その時、1000ページを超えた文庫の分厚さにノックアウト。それだけで1本ブログを書いちゃった。その記事も再度載せておこう。↓

まだ2週間とちょっとしか経過していないのに、エヴェレストの山々に抱かれたかのような本格山岳小説を読破するという「濃い時間」を得られた。まさに戦う読書だった。

1924年、マロリーとアーヴィンがエヴェレスト頂上付近で行方不明となり、登頂を果たしたのかどうか?が謎のままだった、この登山事件を題材に著者 夢枕獏氏は「真っ向勝負」を挑んだ。

徹底した現地取材と構想になんと20年。執筆に3年を費やした超大作だ。

☆彡

• 読後レビュー

迫力満点の描写、読むことがすでに主人公と一緒にエヴェレストを登攀するかのような錯覚を起こさせる名書である。

名クライマーのカメラを偶然ネパールで手に入れたことから始まるサスペンス。そして2人の主人公を支える女性との恋愛劇。

圧巻は、8000m越えからの「登山描写」だ。ただ、本作品を読んでいるだけなのにまるで自分が「氷点下低酸素」の過酷な状況下に置かれてるような錯覚を起こし、感情移入も甚だしいほどだった。

読み終えて、まだ、興奮の残骸が身体にくすぶっている。

この作品のテーマは「人はなぜ山に登るのか?」だ。

なぜ山に登るのか?は、なぜ人は生きるのか?という問いと同意だ。

圧倒的な頂きに立ったからと言って、このテーマの答えは出ない。

山登りも人生も本質は死に際にしかわかり得ないものだろう。

人が亡くなる時、それまでどうしていたのか?ではなく、何かの道半ばだったのかどうか?そういった生き様、道程が大事なんじゃないか?と、著者から突き付けられたと感じた結末だった。

主人公、羽生丈二は天涯孤独の子ども時代を送り、常に人から蔑まれて生きてきた。卑屈極まりない青春のある日、「山を登る」というアクションと出会う。

そこから、彼の持つ強い孤独感が天才と言われるほど独創的なクライミング技術を生み出す。物語のそこかしこに彼のクライミングの描写があるが、どこを取っても鳥肌ものだった。

常に、二人の男(天才クライマー羽生とカメラマン深町)の「ヒリヒリするような」感情の描写に読者は一発でやられてしまうだろう。

そして、山が好きだったら、荘厳で美しい山嶺、ネパールに飛んで行きたい焦燥にかられる。

熱い思いを抱いた男たちの気持ちを胸に、共に挑みたくなるのだ。

羽生が残した手記の最後に書かれていたのは

~強く、こころから思え~という言葉だった。

本当に「追い続けたい何か」があるのなら、心から思い込んで生きろ!という激励の言葉だろう。

圧倒的な熱量が1076ページに詰め込まれている。

著者は「書き残したことはない」と、ペンを置いた。

10月27日は「文字・活字文化の日」~雑誌や新聞、書籍が不調でも「文字」はなくなりはしない~【文化・文字・活字と読書週間】

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• 文字・活字文化の日とは

出版文化の推進を目的として2005年に「文字・活字文化振興法」が制定されたことから、読書週間(10月27日から11月9日までの2週間)の初日を「文字・活字文化の日」とした。

               ☆彡

• 活字と本の話

わたしのまわりには読書好きの人がとても多い。

一方、世間ではこの20年あまり「本離れ」が加速してきた。それは言い換えれば「文字・活字離れ」ともいえるのかもしれない。

特に雑誌全般と新聞業界が厳しい。

インターネットの普及により電子出版やスマホなどのデバイスを介して文章を読む等、昨今では紙を介さない媒体がいくらでもある。

この10年ぐらいで時代が求める本の価値や役割が大きく変わってきているのだ。

しかし、活字=文字という観点から眺めたらどうなんだろう?

メールや仕事上の文書、SNSなど文字を使わない事は日常的にまずないはずだ。

わたしは「本離れ」が起っていると聞いた時点でも、「文字・活字離れ」はないんじゃないか?と考え続けている。それは「文字を読む・書く」という観点では広がりは尽きないからだ。

そして「文章を書く」ことについては無限に書き手を輩出できるのだろうと考える。

一生涯、なくならないであろう文字を紡ぐ事で、文字を容易に文章化できるスキルが身に付いてさえいれば、職にあぶれることがあったとしても、ネットという武器を利用してまず道は開けるだろう。

そのぐらい、文章を「書く」ことは「生きる」ことに直接的に繋がっているものなのだ。

また、読書好きの友人は本を読んで、感銘を受けた部分を小さなメモに書き留めていると聞いた。

数々の本が彼女の心に寄り添い、時に支えになってくれたと語る。

同じようにわたしも本に影響を受け、本によって目を開らかれ助けられ、人生さえ変わった。

もしも、本がなかったら・・・わたしの毎日はどれほど味気ないものだっただろう。

想像もし難い。

• 読むことから書くことを「本気で楽しむ」ようになったきっかけは

2015年6月、友人の兄である小説家の男性を紹介された。

小説家としてというよりは、投資家として成功し、投資塾を運営されていた。小説の精進として、かの森村誠一氏を師匠と仰ぎ、直接作品を見てもらっていたようだった。

小説家と2時間ほど歓談させて頂き、意外なほど巷の文学賞などにはまったく興味はないとおっしゃる姿に俄然興味が湧いた。

「へえ~、じゃあ、何で小説を書いているんですか?」と、わたしはとっさに聞き返してしまった。

小説家は「君ね、文章をこれでもか!っと書いてごらんよ。信じられない世界が広がるんだ。いうなればこころの空間みたいなものが手に入るんだよ!」と言った。

「毎日、仕事ばっかりしてちゃあ、こころの空間は手に入らないよ」「文学賞とはまったく無縁でいいんだ」と。

わたしは、この宝のような言葉を聞き出せて本当に良かったと、今でもしみじみ思い出す。

実はその時、小説家は末期がんの闘病中だった。

奇跡的に回復を遂げて、あくる年には2冊目の小説を出版され、紀伊国屋書店新宿店でフェアも開催された。

もちろん、帯のネームは森村誠一氏が書いてくれたのだ。

この小説家との出会いから、「本気で取り組むことがある人にはちゃんと時間や体という資産を神が与えるもの」だと、強く確信したのだ。

そして、小説家がひとこと「あんた、いい目をしてるね。大病をしたそうだが、病気なんか関係ないよ。ガンガン書いて!」と、言って下さった。

その後、小説家は75歳で天寿を全うしたと友人から伺った。

小説家にひとこと。

「ええ、貴方に教えて頂いたように毎日毎日、ガンガン書いてますよ。作家でもなく、ただの文章好きな物書きですが。でも書けば書くほどこころの空間はどんどん広がりました。驚きですね!「本気で書くこと」の楽しいことったら、ないじゃないですか!!」と、熱く伝えたい。

                 ☆彡

さて、今日から2週間の読書週間には何を読もうかな。

大事な時間を読書に費やすなんて、やっぱり素敵過ぎるわ。

今日は、あと2冊の山岳小説を読破して、明日は全く違う分野の本を探そう。

たったこれだけで「ワクワク」できるんだ。

美味しいスイーツもお酒も本には敵わないよ(笑)


『メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語』ステファニー・ランド / 著 (株式会社双葉社)【選書・ワークスタイル】

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メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書く事で自らを救ったシングルマザーの物語』ステファニー・ランド / 著 (株式会社双葉社)

• あらすじ

夫からの精神的DVを受け続ける女性ステファニー。

地獄から抜け出すために選んだ新たな道=職業は「メイド」と「書くこと」だった。

シングルマザーとなって幼い娘と生きるステファニーの前に立ちはだかる壁とは・・・。

親も友だちも公的支援も彼女を突き放してゆく。

それがどれだけ残酷で浅はかなのかも知らずに。

               ☆彡

Netflixで今、話題の作品。(10月1日から配信中)

書籍が先に出ていたので、まず読んでからと思い手に取った。

『メイドの手帖』とは、生活の糧にメイドとして働きながら「書くこと」で人生を獲得してゆく女性の物語だ。

(画像;Netflixより拝借)

•『メイドの手帖』書籍レビュー

著者の実体験を赤裸々に、かつ詳細に語り綴った一書。

シングルマザーのステファニーは、一人娘のミアを期間限定のホームレスシェルター(避難シェルター)で育てつつ、最低賃金のメイド、いわゆる清掃員として働いている。

1歳の誕生日を迎えたミア。歩き始めたばかりだ。

ただ、ミアの初めて立ったところはグレイの壁と薄汚れたキッチンだけの小さな「ホームレスシェルター(避難シェルター)」だった。

それでも、愛する我が子の成長を祝うために無機質で薄汚れた部屋をきれいに飾り立てる母ステファニー。

DVを振るう元パートナーや、経済的自立を阻む恋人、ステファニーには気持ちも振舞いも冷ややかなな両親。

この健気な親子を見守り、助けてくれる人の少ない過酷な実情。

貧困や社会の偏見など、これでもか!と、彼女の自己肯定感を引き下げる要因ばかりなのがとても辛く、読み続ける意欲を削がれやすいものだった。

しかし、彼女は絶対に希望を捨てなかった。

地獄のような運命も、たった一本のペンで切り拓いていくと決めて、ありとあらゆる行動を勝ちとり本当に夢を叶えてしまう。

子どもの頃から文章を書くのが得意で、また好きで仕方がなかった。もちろん将来の夢は「作家」となって、自らの運命に決着をつけてゆくのが願いだ。

強き信念のもと、夢と希望を「書くこと」で叶えたステファニーの自伝的作品だ。

発売早々に全米でベストセラー入りし、オバマ大統領時代には推薦図書にも選ばれた。現在、NETFLIXで映像化されている。

• 読後感

最後まで、読み続ける辛さはこれほどとは。

何度もやめよう!と、立ち止まりながらも、最終章まで辿りついた。

救いはやはり、子どもの成長する姿だった。

過酷な運命に翻弄され続けた幼いミアが幼稚園に入り「ママ、ハイキングに行こう!」と、ミズーリの小高い山(標高150m)へハイキングに誘う場面が素晴らしい。

ハイキングの途中でへばりながらも何とか頂上に登り切った姿が清々しい。たくましくなったミアの成長ぶりが、泣きたくなるほど嬉しかった。

小さなミアを育てながら、来る日も来る日もペンを走らせて、今、自分が置かれている過酷な仕事の状況や子育て、恋愛、辛辣な言葉を浴びせる世間、狂暴な精神的DVを受けたことなどを、時系列にどんどん、自分の言葉ですべてを書き綴ってきた。いや、書かずにはいられなかったのだろう。

この「書く」という行為がどれだけ彼女の自己肯定感を「引き上げた」のか計り知れない。

書かずにはいられなかった一書。結果は全米で大ベストセラーとなって、優秀な書き手として世間に迎えられたのだ。

また、あれだけまわりにこの親子を助け支援する者がいなかったのだが、最後には、書籍の数ページを擁するぐらいの支援者に囲まれていた。

そして、数々の支援者に向けて贈られたステファニーのメッセージは「私のそばで一緒に歩いてくれて、ありがとう」だった。

読んで良かった一書となった。

奥付の一節から

~生計を立てることと、人生を築くことは別なのだと知った~マヤ・アンジェロアのことば

山岳小説の金字塔『エヴェレスト 神々の山嶺』夢枕獏・著(角川文庫)1076ページもの文庫を読み始めた【選書・文化】

【ブログ新規追加506回】

山岳小説を読みたい。

さっそく、夢枕獏氏の超大作ベストセラー『エヴェレスト 神々の山嶺』を図書館で借りた。

みたことのない、その分厚さ! それでも読者の感想では、圧倒的に読みやすく、まるで「こってりとんこつラーメンをペロって食べちゃう」ぐらい読了しやすいのだそうだ(笑)

図書館のカウンターでその分厚い文庫を差し出された時に、あぜん・・・としたよ。

まるで星乃珈琲店の名物ホットケーキか!って。

(画像;星乃珈琲より)

この本を手に入れて、ものすごく読書欲が沸き上がったのは言うまでもない。

しかも読み始めたらするすると物語に入り込んでしまった。素晴らしい読みやすさ!文章の天才!だと感じてしまった。

やばい・・・。

こんな小説に執りつかれてしまったら、それでなくとも仕事が増えて多忙なのに、仕事に行けなくなっちゃうじゃん。

焦る。焦る。

でも読み始めてしまったのだ。1076ページのロングトレイルが始まった。10日間で読了する予定よ。

山をやる人も、山なんて嫌いな人でも(笑)誰にでも読める本格山岳小説だ。

わたしがいくらトレッキング好きでも、8848mのエヴェレストに登りたい!とか、ネパール(カトマンドゥ) エヴェレストの現地まで行きたいとかはまったく考えていない。

そんな登山初心者も、この本を読めばまるで自分も一緒にエヴェレストに登っているかのような錯覚を受けることは間違いない。

なぜ、小説でそこまでの臨場感が出せたのかは、夢枕獏氏のエヴェレスト現地での取材や、数々の著名な登山家への取材力と圧倒的筆力の賜物であろう。

この小説に出会えれば、誰でも世界最高峰の登山疑似体験ができるのだ。

それならやりたい!やらない手はないよね(笑)

で、昨日からまず100ページづつ読み始めたってわけ。

では、文庫の奥付からのあらすじを簡単に紹介しよう。

                ☆

エヴェレスト 神々の山嶺』夢枕獏・著

• あらすじ

ネパール(カトマンドゥ)で、カメラマンの深町は、伝説の登山家である羽生丈二と出会う。

羽生の登山目的とは「エヴェレスト南西壁の冬季単独無酸素登頂」なのだと聞く。

羽生の目的に興味を惹きつけられた深町は、羽生の足跡を追うため、その壮大な挑戦をカメラにおさめようとする。

一方で、「そこにエヴェレストがあるからだ」と語った世界初のエヴェレスト登頂者である登山家ジョージ・マロリー。

しかし、マロリーは登頂後、エヴェレストで姿を消してしまう。その後エヴェレストでマロリーの物と思われる、古いコダックが見つかった。

長い年月を経て、マロリーのコダックを日本のカメラマン 深町が手に入れるのだ。

しかし、そのカメラも現地で何者かに盗まれてしまう。

マロリー自身もコダックも深い闇に葬られてしまうのか。

ただ、ひたすら最高峰に挑む「男たち」のドラマがこれでもか!というほど展開される。

羽生と深町「男の友情」にも目が離せない。

キーワードを上げれば「誰も登っていない山」「誰も登っていないルート」「誰も登っていない時期」「登りづらい山に単独で登る」だと。

なんと、天邪鬼なんだろう。

しかしだ。きっと「男のロマン」を無性に掻き立てるのが神の山「エヴェレストの正体だ。

そして、そこに挑戦を続ける男たちのドラマなのだ。

なぜ、山に登るのか?

そこに山があるから。

(ジョージ・マロリーの言葉)