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『ピアノが弾けるようになる本』ジェイムズ・ローズ・著/稲垣えみ子・訳(マガジンハウス)

簡単レビュー
日2小節ずつ6週間
バッハを弾いて
人生を変えよう!
著者のローズは大人になってから独学でピアノを学び直した異色のピアニスト。
大人のピアノの第一人者ともいえる稲垣えみ子による日本語訳でお届け。
楽譜の読み方の基礎から始まり、
1日2小節ずつの練習で6週間後には
バッハの前奏曲が弾けるようになる
大人のピアノ入門決定版。
ピアノと向き合うことは、生きる上で大きな力となる。
幼少から弾いてなくても、才能がなくても、大丈夫。
大事なのは、決して急がないこと。コツコツ一つずつ。
結局は、ゆっくりやることが一番「早い」のだから。
---稲垣えみ子
★★★
以前、ピアノ教師をしていた時にびっくりするような「大人」の生徒に出会った。
とてもお金持ちの方で専業主婦をされていたと記憶している。
はじめてのレッスンの日、初心者というその方は、いきなりピアノに向かい、ショパン作曲「幻想即興曲」の冒頭4小節を弾き始めたのだ。
でも、その4小節を弾き終わると、ぴた!っと止まってしまった。
せんせ!種明かししましょう!「私は名曲のはじめだけを練習して弾けるようにするのが趣味なの。これで人を驚かせたくって・・・」と、くったくもなく笑っていたのだ。
話を続けると、「ちゃんと、1曲ひけるようになりたくてレッスンをお願いしたってわけ」
で、わたしは初心者の必ず通る道の「ブルグミュラー25の練習曲」と「バッハ・インベンション」をお渡しし、数か月レッスンに励んで頂いた。
元々筋がよいので、ブルグミュラーもバッハもそれぞれ1曲づつ仕上げることができた。
彼女との付き合いはそこまで。
「せっかくだから発表会にお出になったら?」と、お誘いするも「いいんです。1曲だけちゃんと弾ければ」とおっしゃった。
めっちゃコスパの高い面白い生徒さんだったわ。ウソみたいなほんとの話。
今回紹介した「ピアノが弾けるようになる本」も大人が1日2小節バッハを弾きながら「ちゃんと1曲弾けるようになっていく」という本。
これなら、家でひっそりと練習して、ある日「あっと!」人を驚かせることも可能かも。
ストリートピアノを弾いてみたい!なんていう願望がある人とかにはうってつけ。
そして、意外だが訳の稲垣えみ子氏はえみ子節はまったくなく、一翻訳者として完璧な仕事をされている(凄いというか笑)
とってもおしゃれな装丁の新刊(2025年7月5日発刊)を紹介した。
それではまた!

---------------------------------------------旧記事更新
『SunTAMA Style』2020年10月29日記事
『SunTAMA Style』2021年10月29日記事
『SunTAMA Style』2022年10月29日記事
