★2024年5月29日更新 『本を読む人だけが手にするもの』藤原和博(著)~本を読む人・そうでない人の階層社会【書評・文化】

【ブログ新規追加371回】

「これから先の日本では、身分や権力やお金による階級社会ではなく、本を読む人とそうでない人に二分される階層社会がやってくるだろう」本書、奥付より抜粋

本を読む人だけが手にするもの」』藤原和博・ちくま文庫

 

【本書レビューと雑感】

本書は、「なぜ、本を読むといいのか?」について考える本である。

わたし達は、子どもの頃から、親や学校の先生に「本を読みなさい!」と言われてきた。

しかし、「どうして読まないといけないのか?」「読むといいことがあるの?」など、疑問がいつでも沸き起こっていた。

「どうして本を読むのがいいの?」と、子どもに正面から問い返されたら、あなたならどう答える?

・・・理路整然と、答えられる大人はなかなかいない。

そもそも、子どものころに親や先生に言われて「何となくいいから」で、本を手に取ってきた幸運な人はそれで万事OK。

厄介なのは、親や先生から読書を勧められ過ぎて、イヤになった人だろう。そういった読書に苦い経験を持つ親は、そう簡単に子どもに本の必要性を伝えるなんてまず、無理だ。

そうした、本についてビターな経験を持つ方にぜひ、手に取って頂きたい本である。

この本では、いわゆる「速読術」や「読書法」などの読み方スキルについては一切書かれていない。

書かれている本筋は、「読書で人生を磨く」これに尽きる。

現在、コロナ禍で外出を控える人が増え続けている。毎日書店営業に出ているが、お客様はかなり戻ってきている感じ。

長い自粛生活では、食料の次に本が必要とのデータもある。皆、本を求めているんだ。こんなグレーの時代を生き抜くために本は不可欠な存在なのだ。

本書で読書や本について深く考えるきかっけになってもらえれば幸いだ。

                 ★

【本書概要】

本書は、東京都の義務教育では初となる民間企業出身の校長を務め、現実社会と教育をリンクさせた「よのなか科」という大人気の授業や、ベストセラーで知られる藤原和博氏が、「人生における読書の効能」について語る。

目次から、要点をひも解いてみよう。

• 序章「成熟社会では本を読まない人は生き残れない

現代は「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に二分される階層社会になりつつあると警告。

• 第1章「本を読むと、何が得か?

「読書量と収入の密接な関係」「読書によって身につく、人生で大切な2つの力」など、読書のメリットを答えていく。

• 第2章「読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること

「1冊の本にはどれほどの価値があるのか」「本を読むことは、2つの『みかた』を増やすこと」など、本を読むことの本質に迫る。

• 第3章「読書は私の人生にこんなふうに役立った

「自分の意見をつくり上げるための読書」「読書で人生の鳥瞰図を獲得する」など、人生と読書との関連性がリアルに綴られていく。

• 第4章「正解のない時代を切り拓く読書

21世紀の成熟社会に不可欠な「情報編集力」とそれを構成する5つのリテラシー「コミュニケーションする力」「ロジックする力」「シミュレーションする力」「ロールプレイングする力」「プレゼンテーションする力」を、いかに読書で磨いていくかを解説。

• 第5章「本嫌いの人でも読書習慣が身につく方法

読書嫌いの子も少なくなかった中学校の校長時代の経験なども踏まえ、いかに読書を習慣化させるかを、現実的な側面からポイントを押さえていく。

• 巻末「藤原和博の「これだけは読んでほしい」と思う本・50冊

ビジネスパーソンに読んでほしい14冊」「学校では教わらない現代史を学ぶ10冊」「小中学生から高校生の子を持つ親に読んでほしい15冊」「子どもといっしょに読みたい11冊」という著者のおすすめ本も紹介している。

                  ★

久しぶりにがっちりと書評を書いた。3年のあいだレビューライターを兼業でやっていた頃の自分を回想した。

当時のわたしは、朝5時~7時をブログ執筆、7時~9時を一日分の家事、9時~17時を本業で外出、17時~21時を夕食、風呂(団らん)、21時~23時をブックレビュー執筆、その後就寝。

これでみると、執筆と言える部分は朝の2時間と夜の2時間の計4時間。少ないような丁度いいような。絶妙なバランスかもしれない。

2時間あれば、一本書けるし、推敲もわりと丁寧にできる。しかし、ブックレビューを書く場合、対象本の熟読が必須だ。

では、その熟読をど~していたのか?

それは、一週間で多い時は5冊のブックレビューを書くため資料は前もって届けてもらって、前週の土・日にはすべての本をざっと一読みして、キーポイントを見つけて付箋をつけておいた。

キーポイントに貼った付箋を手引きに、毎日一冊づつ書き上げて行く。そしてすぐに納品せず、5本書き終わったら土・日に全部推敲し、文章のアレコレを精査して翌日の月曜日の朝に納品。

そして、納品後、午後には次の5冊の指示(次書いて!)が届くので、同じルーティンで書き始める。

この方法で、3年間で250冊ぐらいのレビュー記事を書いた。

と、書き出してみたが、どこにも熟読していた形跡はない(汗)

年間、約300冊を読書してきた習慣が役に立った仕事だった。暇さえあれば、いつでも本を読んでいる生活だからできた仕事だね。

今では、ブックレビューもこのブログで書くだけで、小さな自分仕事に落とし込んでいる毎日だ。

深く読める日常が戻ってきてからは、わたしなりの「ベストセラーの読み方」とか、「古典の読み方」など、新しい着眼点を持てるようになってきた。

仕事も出版営業だし、ブログも本を中心に書いている本から離れられない「本の虫」だ。

ブログは自分流「かわら版」だと思って気楽に書いている。しかも、気持ちも書評も自分の言葉で書く。

どこかの誰かの借り物じゃない文章を書く毎日。

どうか、わたしのブログから「本好き」が伝染するように願う(笑)

★2024年5月22日更新 『人より20歳若く見えて、20年長く生きる! 』澤登雅一・著(ディスカヴァー携書) 新書 の紹介【書評・健康/自己啓発】

【ブログ新規追加364回】

日本人男性の平均寿命は79歳。

ということは、この本のタイトル通り、20年長生きすれば99歳まで生きられる?

久しぶりの書評は「アンチエイジング医学」の名医、澤登雅一氏の『人より20歳若く見えて、20年長く生きる! 』(ディスカヴァー携書) 新書を取り上げてみよう。

アンチエイジングの興味のない人なんていないだろう。誰でも「いつまでも美しく、長く生きたい」と願ってやまないものだ。

本書で著者はなんと、125歳まで健康で行きたいという視野をお持ちだ。

そうなると、わたしは、まだ人生の半分も生きていない!

そうそう、わたしは何歳まで生きたいとか、現実的に考えてはいないけど、こうなったら、125歳を目指してみようかな(笑)

しかも健康的にだ。

12年前に脳出血を患って命拾いした。それから、身体の悪い血や水を総入れ替え(オーバーホール)ができた。

今では、ウォ―キングやトレッキングを楽しめるほど健康的になった。夫の糖質制限も一緒にやっていて、贅肉のつきにくいカラダを目指して地味にトレーニング中なのだ。

要するに病気をした12年前(40代)より、今のほうが、ずっと健康的だし、実際回りからも若いね!っと、言われて気をよくしている。(でも、それ相応に歳はとってる・笑)

血圧も中性脂肪も肝臓機能も軒並み数値は良好。

本書では、男性の健康寿命を延ばす研究が主流だ。50年前の日本人男性の平均寿命は58歳程度だったそうだ。

それが、この50年でなんと、79歳まで延びてきた。

79歳はあくまで、平均的だという。もっと若くして亡くなる人もいるし、100歳を超えてなお健康で活躍される人も少数だがいるはずだ。

そして、本書で著者が唱える、歴史を翻って考えれば、今後、20歳延びるという現実が起きる可能性は十分にあるようだ。

ただ、長生きをすればいいというものではない。「健康」で生きなければと誰しもが考えるだろう。寝たきりで20年延びたらゾッとするよ。

                 ★

【書籍レビュー】

あなたはお寿司は好き?

ほとんどの日本人はみ~んな大好きではないだろうか。

マグロに水銀が多く含まれるため、アメリカの食ジャーナリストなど一部のひと達がお寿司をジャンクフードと呼び、食べないように推奨しているという事実を初めて知った。

その理由はこうだ。人のカラダが水銀や鉛などの重金属を溜め込んでしまう性質があるというのだ。

そして、重金属がたまってしまう科学的根拠の証明が参考文献と共にきちんと表記されている。表記があれば読者を迷わせることもない。

日々規則正しい生活、運動を続けて、栄養バランスの良い食事をして、ストレスを溜めないことが、もっとも大事だと。

さらに、読んで頂ければわかるが、「これだけはダメ」というものがある。

やっぱり、本当に長生きしたいのなら、デトックスやサプリメントでの栄養補給など、積極的に取り組むことがらがあるのだと言われる。

実年齢以外に、バイオロジカルエイジというのがあるのを知っていますか?と、問いかける。


血管年齢や神経年齢、筋肉年齢など、若さの度合い(あるいは老化の度合い)は人それぞれ。

実年齢はコントロールできないが、それらを総合して出すバイオロジカルエイジは、コントロールできるのだ。

日進月歩の勢いで進歩するアンチエイジング医学の最先端のクリニック院長が、安全で正しく、効果的なアンチエイジングの方法をご紹介!

※ 本書は男性のアンチエイジングを基本に書かれている。知識として蓄えておけば役に立ちそうだと考えて登場させた。

                 ★

自分の寿命を知ることはできない。

わからないのは幸せかもしれないけど。

ただ、自分の大切な寿命を延ばす可能性を高める努力はして行きたい。

健康であり続ける人生を得られたら素晴らしいでしょう。

可能性を引き出す知識を本書は与えてくれるだろう。

★2025年4月30日更新 『基本は誰も教えてくれない日本人のための世界のビジネスルール』青木恵子・著ディスカバー・トエンティワン【書評・ワークスタイル】

【ブログ新規追加342回】

 GWだが、ちょっと視点を変える仕事の話をしよう。

 これから先、日本は人口がどんどん減り、市場が縮小していきます。 ・・(中略)・・ もし日本で雇用を得られなかったり、キャリアアップが叶わなかったとしたらどうするか?そんな時は簡単です。テリトリーを外に広げればいいだけです。青木恵子(著者)

と、こんな見出しの書籍を紹介する。2015年の発刊だが、今でも充分、考え方を変えるのには役立つ良書だ。

『基本は誰も教えてくれない日本人のための世界のビジネスルール』青木恵子・著(ディスカヴァー21)

書籍概要

海外でビジネスをするなら知っておきたいルールがある!
日本を飛び出し、世界展開戦略で成長し続けるベニハナ・オブ・トーキョーのCEOが、誰も教えてくれない世界のビジネスルールを教えてくれる。


「差別があることを理解する」

「パーティーに参加する」

「会議では必ず発言する」

「タブーを心得る」


「ワイシャツの下に下着は着けない」

「日本人であることをウリにする」

「謙虚は悪と考える」など、
著者が知らなかったばかりに余計な遠回りをしてしまった体験の数々が本書のもとになっていいる貴重なビジネスエッセイだ。

私たちが日本で培った仕事のノウハウは世界でも十分に通用するとも書かれている。


あとは世界基準のルールを理解すれば、世界でも十分戦える。

                 ★

徹底レビューを

ルールとは?
文中から~これからのビジネスパーソンに求められるのは、「郷に入ったら郷に従え」を実践できるフレキシビリティ(柔軟性」だ。

そしていったんこれがわかってしまえば、行く先々で違うルールに従うことも、案外難しくはないものだ。~


ここで感じたことは、相手のルールを覚える大切さは、日本国内でも日本人同志であっても同じだということ。

どんな時にも自分を優先するのではなく、相手のルールを理解しそれに乗ってしまったほうがビジネスでもコミニュティでもうまく行くということだ。

会議では必ず発言する
私も、ミーティングで黙っていると参加価値が低い!と思われがちな場面を経験している。

あまり自分に関係ない地方の事例だったりランチ後で眠かったり(笑)と、外に出ている時にはない緊張感が走ることがあってつくづく内勤は合わないなあ〜と思う。

やっぱり、しっかりとした意思表示をしなければそこにいないも同然なので、私自身、日頃から次のことに気を付けながら会議に出るようにしている。(1~4の項目にまとめた)

1.とにかく発言する。
   どんな課題でもいいたいことの1つや2つはあるはず。
   「意見というほどのものじゃないけれど・・・」といいながら
   早めの時間帯で提案型の発言をしてしまう。そうすれば、
   その提案で議論し、そこからの展開があるかもしれない。
   感謝されること請け合い。
 2.賛成・反対・同意でもすべて声に出す。
   アイコンタクトでなく、声に出して意思表示するとはっきりする。
   黙っているより遥かにマシだと思う。
 3.どっちつかずの意見は言わない。

   グレーゾーンや問題先送りの意見は言わない。
   回りに迷いを生ませて、無駄な時間を使わせてしまうから。
 4.出し惜しみをしない。

   温めていたアイデアなどはどんどん出しすことにしている。
   出し惜しむことを日常的にしていると、中途半端な考え方
   しかできなくなってしまい、全力で問題解決に取り組めない。

様々な地域の集まりなどでも、合意形成で悩んでいる人が多いと聞いた。どんな場面でも世界基準の振る舞いを心掛け、オープンマインドでフレンドリーに問題解決に取組んでいきたいものだ。

                  ★


世界と闘うためにはどんなスキルが必要だろうか。

思うに、世界のどこでもよほどのことがない限り、暗黙の了解の元に仕事もコミニュティの現場も成り立っている。慣れ合いではなく、しっかりと意思表示できて現場に活かせることが、「世界基準の人」の一番の条件だろう。


 ● 最後に

世界基準ともいえる「孫子の兵法」の一節、かの武田信玄が旗印とした名文~「風・林・火・山」の内容を記して筆を納める。

 「疾(はや)きことはのごとく」〜決断はすばやく〜
 「徐(しず)かなることはのごとく」〜無駄に騒がず〜
 「侵掠(しんりゃく)することはのごとく」〜燃えるような情熱で〜
 「動かざることはのごとく」〜ゆらぐことがない信念をもつ〜

★2025年4月25日更新 ビジネスに今すぐ使える『今日から役に立つ!使える「語彙力」2726』の紹介【選書・ワークスタイル】

【ブログ新規追加337回】

のっけから、「大丈夫です!」って、ビジネスシーンで口ぐせになってない?じゃあ、どう言い換える?

「けりをつける」の「けり」ってなんのこと?

いわゆる、社会人になってからわけもわからず、なぜだか使い続けている言葉のなんと多いことか!

年端の行ったわたしも営業先で、TPOに合っていない意味不明の言葉をかなり使ってしまってきたなあ・・・冷や汗(笑)

                 ★

昨日、営業マンを生業とする息子が、「GW期間が緊急事態宣言になったので、ひとり3000円までで、書籍(コミックはNG)を会社費用で購入し、充実したお家GWを過ごして!」と社内メッセをもらったそうだ。うらやましい。

で、仕事帰りの書店で、今の自分に必須なのは、豊富な語彙力と言い換えの知識だと思い当たったらしく、この書籍に辿りついたのだ。

早速、見せてもらった。

今日から役に立つ! 使える「語彙力」2726

★10万部突破のベストセラー★
「語彙力」が気になったらまずはこの1冊!
社会人なら身に着けておきたい「語彙力」を384ページの大ボリュームで紹介する!

                 ★

さて、語彙の意味をここに書き表す。

語彙とは・・・ある特定の範囲(例えば、一つの文学作品や、一個人の発言記録など)において使われる単語の総体(「彙」は「集まり」の意味)。したがって、通例「語彙」を個々の語を示す表現として用いることはできない。(Wikipedia より)

語彙の「彙」の持つ意味は、一つのところに集めるという意味から言葉という単語の総称だと言える。

たったひとつの表現というか、言葉を知っているだけではコミュニケーションに支障をきたす場合が多い。

そこで様々な言葉を知り、適切に使いこなすスキルを持つ人が「語彙が豊富」で「語彙力が高い」人と言われるのであろう。

語彙力の高い人は世間ではこんな風に認知されている。

• 知性的で教養が高い

• 思慮深い

と、いい感じに評価されているはずだ。

さらに、日本語には美しい言葉が千言万語といわれるほどある。そういった美しい言葉の使い方や由来なんかを知るのは、興味や趣味の一環になるほどだ。

ものは試し。

GWは語彙力を増やす絶好のチャンス。

言葉数の少ない人であれば「あれ?なんか良い言葉を言うなあ」とか、「言葉が豊富になったね」とか、周りの持つイメージを一新できる。

語彙力は見えない武器そのものだ。ああ、わたしもこの本でボキャ磨きをしようっと。

GW明けには、ボキャブラリー全開の別人になれるかも!(笑)

                  ★

最後に。

※ 冒頭の大丈夫の言い換えはここ!

• 大丈夫です→異論はない、という意味の大丈夫ならば「問題ありません」に言い換える。さらに、了解!という意味の大丈夫ならば「承知しました」に置き換えよう。

「けりをつける」の「けり」の意味は→古文では、文末に「~けり」と助動詞の「けり」をつけて文章を終わらせるのが多い。そのことから「けりをつける」の意味は、「決着をつける」という意味になる。

★2025年4月23日更新 毎日、成長のステップを踏む~良い習慣を手に入れるのが良い理由【書評・自己啓発】

【ブログ新規追加335回】

人間は毎日、成長している。

誰でも周知している。しかし、その成長路線が正しく、理想の路線に導けているのであろうか。

こんな本を見つけたので紹介しよう。

今日からできる、年収を10倍にする習慣術』鴨頭嘉人・著( Kindle版)

● 書籍概要

本書の冒頭にこうある。

~もしあなたが成功できない、稼げないと、悩んでいるのならその理由を教えよう。

答えはシンプル。成功の習慣を学ぶ機会がなかったからだ。それだけ。

要するに悪習慣を続けている限り、いくらビジネススキルやITスキルを学び続けても、一向に成功や稼げる仕組みを手に入れることはできない。

だからこそ、本書を読んで「人生を思い通りに変える習慣コントロール法」を手に入れて欲しいと著者はいう。

人生の質はずばり、習慣の差にほかならない。

良い習慣は良い人生を作り、悪い習慣は悪い人生を作る・・・当然の原理だ。

仕事の成果もそう。

人間関係もそう。

プライベートの充実もそうだ。

すべてのクオリティを決めるのが習慣の違いだと言われる。

習慣をコントロールすることができるようになれば、人生をコントロールできる!

                   ★

● 著者紹介

鴨頭嘉人とは。
YouTube講演家 鴨頭嘉人

株式会社東京カモガシラランド 代表取締役社長。19歳で日本マクドナルド株式会社にアルバイトとして入社。30歳で店長に昇進。32歳の時にはマクドナルド3300店舗中、 お客様満足度日本一、従業員満足度日本一、 セールス伸び率日本一と、すべてにおいてトップを納めてきた。現在は、YouTube講演家として絶大な人気を誇る。

                  ★

この本から学べるのは、鴨頭氏が等身大で実践してきた習慣術をすべて出し尽くしている点だ。

著者いわく、より具体的でわかりやすく、思った通りのことがらしか起こらなくなるそうだ。

4月25日~5月11日の緊急事態宣言中に、年収を上げる知識や情報を取り込めるこんな電子書籍もいいかも!と思い登場させた。

GWはすべて自分磨きに使っちゃおう(笑)

※ トップと最後の写真は我が家の裏山の様子。森が一気に消滅した現場。あまりの驚きに一枚撮った。

皆さん、まだまだ山登り中~高齢女性作家の本が面白い【書評・高齢女性作家】

【ブログ新規追加332回】

新年度の今月、書店フェアの多くが高齢者作家の祭典。数々ある文藝書籍の中、ひと際目立つのが「高齢女性」の方々の新刊や既刊本だ。

今回は3人ほど紹介しよう。

はじめに昭和を代表する女性小説家と謳われる、平岩弓枝氏(90歳)は満を持しての初エッセイを上梓。

タイトルもすばらしい。『嘘かまことか』(文藝春秋)

● 簡単レビュー

神様の書かれたシナリオを、大根役者の私が必死になって演じてきた……。「御宿かわせみ」の作者による、もうすぐ九十歳の幸福論!

                  ★

次は、人生の「酸いも甘いも嚙み分ける」痛快な文章を連発してきた佐藤愛子氏(97歳)

こちらのタイトルも同じく素晴らしい。『何がおかしい!』(中央公論社)

● 簡単レビュー

2020年秋、九十七歳。

あの超面白スーパーエッセイが帰ってきた! 

女と男、虚栄心、知性と笑い、子育て、教育……、世間の常識、風潮に物申す。

今、読んでも新しい愛子節が全開。

気がつけば、終着駅』と併せて読みたい、必携の一冊。

文字が大きく読みやすい、新装版で登場!

と、内容通りのササっとしたレビューを書いてみた。

                  ★

3人目は、作家さんではなく、料理研究家の村上祥子氏(78歳)先のお二人よりまだまだ全然若い(笑)

御年78歳現在の、快適仕事術を余すことなく披露したビジネス本。

ハードな料理研究家という仕事を楽しみ切る村上氏。読むだけで元気になる美味しく、おしゃれな本だ。

78さいのひとり暮らし~ちゃんと食べる!すきなことをする!』(集英社ビジネス本)

素敵な本だったので徹底レビュー

「ちゃんと食べて、ちゃんと生きる」。村上さんの実践する「食べ力」 は、生き方の栄養学です。野崎洋光さん(分とく山 総調理長)・・・帯より。

これまでに出版した著書は500冊以上!
生き方、家族、仕事、暮らしの知恵から
80代の夢と計画、おすすめレシピまで。
78歳の料理家・村上祥子の元気の秘密がまるごとこの1冊に!

【各章レビュー】

社宅に住む主婦だったときに、料理コンテストで優勝。

その後、料理研究家として活躍を続け、地元・福岡と東京を頻繁に往復してきた村上祥子氏。

管理栄養士として、糖尿病、生活習慣予防改善のためのカロリー控えめで栄養バランスの優れた食事を考案し続け「たまねぎ氷」「にんたまジャム」など健康に良いアイデアレシピを創ってきた。

ちゃんと食べて、ちゃんと生きる

現在までぶれない考えが生まれたのは、30代後半で顎骨の骨髄炎を患ったときだった。

40代に入って病名が判明し、10回の手術で抜歯18本。闘病生活は4年に渡ったのだ。

「華やかなごちそうよりも、おしゃれなメニューよりも、堅実な食生活が大切」と。

憑き物が落ちたように、食べる意味を悟りました。

現在78歳。

子どもたちは独立し夫は6年前に先立ち、後期高齢者のひとり暮らし。

1日3食ちゃんと食べているけれど、手間は省いて簡単に。材料をマグカップに入れ電子レンジでチン! の「マグカップごはん」など。

肉、魚、野菜をフリーザーバックに入れる「1人分冷凍パック」も必須だ。

料理教室で生徒のニーズを知って編み出したメニューを私生活でも実践してきた。

よって、体調は絶好調である。子どもたちの食育と、自立するシニアのための料理教室に力を注いでいる。

80代の夢は、美味しいランチを提供する「村上食堂」のオープン。

世界のおばあちゃんを取材して、とっておきのお菓子の作り方を本にまとめること。

好きなことを続けるために、ちゃんと食べ続けているのだ。

人生を振り返りながら、気負わない毎日の暮らしぶりを紹介、実際に食べているごはんのレシピをお届けする。

●著者について
村上祥子(むらかみさちこ) 料理研究家、管理栄養士、福岡女子大学客員教授。

1985年より福岡女子大学で栄養指導講座を15年担当。

治療食の開発で、油控えめでも1人分でも短時間でおいしく調理できる電子レンジに着目。

以来、研鑽を重ね、電子レンジ調理の第一人者になる。

                   ★

さて、3人の後期高齢者の皆様の珠玉の一冊を紹介させて頂いた。

読むだけで元気が出る書籍の数々。

嘘だと思うなら、ぜひお試しあれ!

彼女たちのパワーの虜になるハズ(笑)

● おまけ

エベレスト女性初登頂登山家・田部井淳子氏の名言が生んだ一書。

人生は8合目からがおもしろい」(主婦の友社)

田部井氏が60歳の時に書いた銘書。常にチャレンジをし続けてきた登山家。60歳になってやりたいことが爆発!それを見事にやりきって逝去。

こちらもタイトルが素晴らしい!

● 簡単レビュー

59歳までに登った海外の山……約85
60歳以降に登った海外の山……約85
女性としてエベレストに初登頂を果たした登山家・田部井淳子氏。

70歳を超えるも、年に数回の海外登山や、NHK を中心としたテレビ出演、講演会、健康山歩き教室の開催など、元気に活躍されてきた。

本書は、これまでの「登山ガイド」とは異なり、60歳からの「ドキドキわくわく」な人生について語ったエッセイ集だ。
大切な友人や家族の話。

60歳を過ぎてからチャレンジしたアレコレ、海外登山のエピソードなど、田部井淳子氏のギュッと濃縮された日々が綴られている。

この春はお姉さまがたの本で人生勉強中!

わたしなどは、まだまだ「ハナタレ小僧」だもんで(笑)

★2025年4月14日更新 「職業としての小説家」でわかった村上春樹の仕事術【書評・ワークスタイル】

【新規追加326回】

村上春樹氏は稀代の小説家だ。

わたしがもっとも村上氏に共感するのが「仕事術」なる部分。

ベストセラー小説をどう、生み出しているのか?といった俗世間的な目線ではなく、しっかりとしたルーティンを作って、執筆という仕事を生活に落とし込んでいる真摯な姿勢に共感してきた。

例えば、

起床・・・午前4時。そこからコーヒーを淹れ、一気に原稿用紙10枚ほど書く。

朝食からランチまで・・・書けるかぎり書く。

午後から夜・・・自由な思索の時間(雑務やランニングなどをこなす)

と、一年中、この繰り返し。SNSはやらないそうだし、あまりTVも観ないそうだ。

まあ、今ではSNSはさておき、TVに夢中なんて人は少ないだろう。

ここでは、村上氏の「職業としての小説家」という村上氏の仕事術を網羅した一書を取り上げてみる。

職業としての小説家

簡単レビュー           ★

いま、村上春樹が語り始める~小説家は寛容な人種なのか……。

村上氏は小説家になった頃を振り返り、文学賞について、オリジナリティーについて深く独自の思考を書き表す。

さて、何を書けばいいのか? どんな人物を登場させようか? 誰のために書くのか? と問いかけ、時間を味方につけて長編小説を書くこと、小説とはどこまでも個人的でフィジカルな営みなのだと具体的に順々と語る。

小説が翻訳され、海外へ出て行って新しいフロンティアを切り拓いた体験、学校について思うこと、故・河合隼雄先生との出会いや物語論など、この本には小説家村上春樹の生きる姿勢、アイデンティティーの在り処がすべて刻印されている。

生き生きと、真摯に誠実に。

もくじ

第一回 小説家は寛容な人種なのか

第二回 小説家になった頃

第三回 文学賞について

第四回 オリジナリティーについて

第五回 さて、何を書けばいいのか?

第六回 時間を味方につける──長編小説を書くこと

第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み

第八回 学校について

第九回 どんな人物を登場させようか?

第十回 誰のために書くのか?

第十一回 海外へ出て行く。新しいフロンティア

第十二回 物語があるところ・河合隼雄先生の思い出

あとがき

                 ★

文中の「仕事術」に注目して抜粋してみよう。

~小説をひとつふたつ書くのは、それほどむずかしくはない。しかし小説を長く書き続けること、小説を書いて生活していくこと、小説家として生き残っていくこと、これは至難の業です。普通の人間にはまずできないことだ、と言ってしまってもいいかもしれません。そこには、なんと言えばいいのだろう、「何か特別なもの」が必要になってくるからです。それなりの才能はもちろん必要ですし、そこそこの気概も必要です。また、人生のほかのいろんな事象と同じように、運やめぐり合わせも大事な要素になります。しかしそれにも増して、そこにはある種の「資格」のようなものが求められます。これは備わっている人には備わっているし、備わっていない人には備わっていません~(文中抜粋)

ちょっと、村上氏の書く、回りくどい小説みたいな「本心」というか「核心」の部分だ。

この部分を解釈すると、「小説家には、小説を書き続ける能力(資格)が必要だ」と。

村上氏は30年以上も小説を書き続けている。

そして、30年前も今もベストセラーを連発している。こんな小説家は他にいない。

村上春樹はこれだけ長い間、どのように、この資格を維持しているのか?本書には、3つの仕事術が書かれている。

① ルーティンを固める・・・(小説家は不規則な生活をして夜中に原稿を書くなどの通例を否定する氏。当然、締切前になると何日も徹夜で書き上げるなんてまったくない。それこそ、ルーティンに落とし込むために長編を書く時には環境を替えるべく「海外」で書く。ノルウエイの森はイタリアで3年間住み込んで書き上げた大ベストセラーだ)

② 肉体を鍛える・・・村上氏の最重要ルーティンは毎日1時間のランニング。文中にはこう書かれている~肉体的運動と知的作業の日常的なコンビネーションがもっとも重要。クリエイティブな労働には運動が理想的な影響を及ぼすのだそうだ。

③ 最善を尽くす・・・驚くのは村上氏の推敲力だ。氏は丸2年も費やして書いた小説をそれこそ、ごりごりに書き直したり、推敲につぐ推敲を何百回と続ける。で、ある日まったく違う作品に生まれ変わるものも出てくるそうだ。どんな時にも、飽きず懲りず最善を尽くすのだ。

この3つが仕事術の柱である。

                 ★

この3つの柱を打ち立てて、小説家として売れる前の、この先どうなるかわからないという時期のことですら並々ならぬ覚悟で臨んだのだろうと推測する。

なる前から、もうなっている、なってしまっているのが、この「仕事術」の恐るべし効果なのだ。

わたしは、この「職業としての小説家」を発刊すぐに手に入れて、熟読しつつそのストイックかつ熱の籠る靜かな仕事の姿勢に感動し、自分の仕事の仕方にもどんどん取り入れてきたのだ。

例えば、毎日早朝に書く(ブログやその他記事を約2000文字程度)と、村上氏はランニングだが、わたしはトレッキングやウォ―キングなど、歩く行為を続けるなどだ。


作品ではなく、その人の仕事術に惚れ込んでしまった例外な話。

でもね。完全に「村上春樹ワールド=上質で丁寧な時間の使い方と暮らし」を知りたくて好奇心を搔き立てられた。

これも、村上春樹氏の罠なんだろう。恐るべし。

まんまと村上沼にハマった(笑)

   

★2024年4月1日更新 「憂鬱でなければ、仕事じゃない」見城徹/藤田晋(講談社)新年度、まずこれを読んでスタートした【書評・仕事・ワークスタイル】

【ブログ新規追加313回】

新年度、はじめの仕事は、一番やりたくない役所での打ち合わせ。朝8時30分開いてすぐの市役所へ出向く。

毎日の営業仕事でも、一番困難な案件、嫌いな(お互いにかも・笑)客先は、朝一番で伺う。これが、わたし流「仕事の流儀」なのだ。

朝なら、誰でも話をすんなりいかせるよう配慮の塊になっている。一番、WIN-WINの関係に持ち込みやすい。

そして、昨年の自粛からの活動停止を考えれば、こうして何不自由なく仕事に出られることに感謝しかない。

ああ~ありがたや、ありがたや(笑)

で、こんな新年度にピッタリな書籍の紹介をしておこう。

憂鬱でなければ、仕事じゃない』見城徹・藤田晋 (講談社+α文庫)

見城 徹 (著), 藤田 晋 (著)

● 書籍概要

小さなことにくよくよしないで、大きな仕事ができるわけがない。

「極端」こそわが命。憂鬱なことが三つ以上ないと不安になる見城徹氏。

たぎる情熱をクールなオブラートに包んで激しくスウイングする藤田晋氏。

ふたつの魂が交錯した瞬間、とてつもないビジネスマンの聖書が誕生した。

何が大切で、何が無駄か?あなたの臓腑をえぐる35の言葉。

● 簡単レビュー

幻冬舎を立ち上げた見城徹氏とサイバーエージェント社長の藤田晋氏の共著。9年前の刊行。

当時はブラック企業という言葉が流行っていた。未払い残業代や長時間労働が社会問題になっているが、著者の仕事に対する使命感、責任感に圧倒される。

経営者と労働者では価値観が全く異なるが、労働者としても経営者の視点を理解し、これに近づく努力をすることが、より良い仕事をするための一つの手段だろう。

もくじ

第一章 人としての基本

第二章 自分を鍛える

第三章 人心を掴む

第四章 人を動かす

第五章 勝に行く

第六章 成功への動機付け

                   ★

多くの異論を巻き起こした本書。それは、成功者ゆえの強い姿勢が、最も苦手な=嫌いな当時のゆるい若者層から沸き起こった異論だったのだった。例えば、「タイトルがねえ・・・」とか、「何、気取ってんだか!」とか。

そんな一部の非難ともいえるブーイングをよそに、本書はその年のベストセラーに駆け上がった。推定部数19万部。

さて、2021年の今、コロナの影響が大きく仕事観を変えたのは周知の通り。

今後6~7年の間には、真新しい仕事の「出現」が頻繁に起こるだろうと言われている。そう、
Uber Eats
のような仕事がね。

今の仕事の半分も現存しないのではないか?とも言われている。

では、今までの仕事の流儀はもう、通用しないのか?使えないのであろうか?わたしは、そうは思わない。

一切の仕事に通じるメンタルや流儀は、生き残るものだと考えている。

                  ★

この書籍の中で、大変、同感し、共感した場面がある。それは、第一章「人としての基本」の中にある。

見城氏は大変約束に固い男だ。以前、幻冬舎の入っているビルに勤める清掃の女性から「永遠の仔」上巻を読んだと、声をかけられた。その女性は、はつらつと、こう言い放った。

「面白くて一気に読んじゃったわ。下巻も必ず買いに行きますよ!」と。

それを聞いた見城氏。「おお~有難い。でも、もう買わなくていいんだ。こちらから下巻を贈るよ!」と言い、その場で、清掃の女性の名前、住所を聞き、メモり、その足で書店へ行き購入。すぐに郵送で送ったのだ。

見城氏にしてみれば、直接本の感想を下さり、その場で下巻を買って頂けると聞いた。それがファンの信情だから、その急所に答えなければ!と全力で「コト」に当たる。

清掃の女性からしてみれば、「ビジネストーク」だと思っていた見城氏からのまさかの献本がサイン入りで速攻に届く。

どうだろうか。相手の信情を捉えて、相手の気持ちを引き寄せるのには、本書の中に度々登場する「小さなことにくよくよしろ!」こういった気持ちがなければ、小さな約束など吹っ飛んでしまう。

朝、起きた時に「憂鬱になることがら」が最低2~3個なければいけないと見城氏は言う。要するに「戦いがい」をひたすらに求める熱き信条の持ち主なのだ。

先の清掃の女性への速攻の献本への行動は真似したいベストな仕事の流儀だろう。

これは、「面倒を後回しにしない、すぐにやる」という一連の行動にほかならない。

冒頭のこの第一章に感動してしまい再再・再読中。

「言ったことは必ずやる」これでしか信用は築けない。


★2025年3月26日更新 幸福の素はこの3つ!~「精神科医が見つけた3つの幸福」miniレビュー【書評・文化】

【ブログ新規追加307回】

今月、読んだ書籍の中で一番勉強になり、心に伝わった一書だ。

幸せには脳内ホルモンが必須だ。それも3つ。

この3つを知り、常に意識して暮らせるようになると、無用な不安や焦り、他人との比較に悩む必要がなくなるのだそうだ。

精神科医が見つけた3つの幸福』樺澤紫苑・著

【書籍概要】

これは「幸福論」ではなく、初めての「幸福の実用書」である。
「幸福」の元素とは、実は「脳内物質」だった!(樺沢氏の研究発見した理論)

コロナ禍、人生100年時代、AI化、スマホ依存など、目に見えない恐怖、 現代のあらゆる問題を1冊で解決すべく書かれた渾身の一書!

簡単にできる習慣だけ! 最新データとエビデンスをもとに、人生を充実させる方法を具体的にわかりやすく教えるまったく新しい本である。

もくじ(抜粋)

・なぜ5分に1回スマホをチェックする人は、健康、仕事、人間関係のすべてを失うのか?
・朝散歩するだけで人生が変わるこれだけの理由
・「成功」イコール「幸福」の時代は終わった!
・すべての課題を解決する「幸せの3段重理論」とは

~今、再び自分の「幸福観」を見直すチャンス到来!

                  ★

さっそく、「3つの幸福」脳内物質を紹介しよう。

セロトニン的幸福

セロトニン的幸福とは、ひとことで言うと「心と身体の健康」の幸福を意味する。

「体調がいい」「気分がいい」「清々しい」「爽やか」など、日々の生活の基盤となる幸福の総称。

セロトニン的幸福とは、健康で気分がいいなど、一見すると「当たり前」と感じるような幸福である。

要するに、いかにストレスの少ない環境(仕事・家族・知人等の人脈)を持てるかが鍵となる幸福物質成分だ。

オキシトシン的幸福

オキシトシン的幸福とは、ひとことで言うと「つながりによる幸福」である。

他者との交流、関係によって生まれる幸福を感じるとき、脳内ではオキシトシンが盛んに分泌されている。

夫婦関係、パートナーシップ、親子関係、スキンシップによる安心感、幸福感。

友人や仲間との連帯感、信頼感、一体感や、コミュニケーションによる楽しさ、コミュニティへの帰属意識。

SNSの運用も重要なポイントだろう。見ず知らずの人とWEBを介して交流できる。要するに、実際のコミュニケーションで、会って失敗したくない人に最適なツールだ。

対比させてみよう。自分一人で感じるのがセロトニン的幸福だとすると、誰かと一緒にいて「楽しい」「安らぐ」「癒される」と感じるのがオキシトシン的幸福である。

ドーパミン的幸福

ドーパミン的幸福とは、ひとことで言うと「成功」「達成」の幸福と総称される。

ドーパミンは脳を高ぶらせる作用が強い。それゆえドーパミン的幸福には「高揚感」が伴う。

そして、ドーパミン的幸福を得るためには、努力や行動といった「対価」が必要になる。

セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福は「静かな幸福」であるのに対して、ドーパミン的幸福は高揚感が激しく、それ自体が幸福だと感じるものだ。

だからこそ、多くの人はドーパミン的幸福こそが「幸福」と考え、そこを目指すのである。

お金、財産、富、仕事での成功、目標達成、地位や名誉などの社会的成功、学び、物欲、承認欲求、食欲、金銭欲など。

ドーパミンは我々の「モチベーション」「やる気」の源であり、ドーパミンが出るからこそ頑張ることができ、結果として自己成長にも繋がる。

しかし、ドーパミンに関しては危険な一面もある。

それは「依存性」が高い物質成分ゆえの「もっと!もっと!」と、高みを目指して自分の脳内にどんどん要求するといった、危険な側面がある。

ここで、わたしの体験を書いた以前のブログを添付しておこう。

闘わない生き方」→http://lifetour.blog.jp/archives/1030095691.html 2018年5月

※ 12年前に、脳出血を発症した時、わたしのアドレナリン中毒の疑いが発覚したのだ。その時の主治医の処置や、それからのわたしの来し方などをまとめて書いた記事となっている。記事の巻末には「アドレナリン中毒セルフチェック」も入れてあるよ(笑)

というわけで、3つの脳内成分(セロトニン・オキシトシン・ドーパミン)が幸福度をアップするのだという研究結果の書籍の紹介をした。

最後に。

3つの脳内成分の云々をリンクしておく。ぜひ、興味のある脳内物質をひも解いてみよう!

セロトニン→https://www.minamitohoku.or.jp/information/minamitouhoku/201411/nav

オキシトシン→https://www.terumozaidan.or.jp/labo/class/s2_11/interview02.html

ドーパミン→https://ja.wikipedia.org/wiki/

※ セロトニンは安心ホルモン、オキシトシンは幸せホルモン、ドーパミンはやる気ホルモンと、覚えておくといい。

運動、食事や睡眠など、基礎的な部分を補強するのが一番かも。

ウイズコロナ~変化の速さに惑わされないために本を読もう~おススメ3冊【選書・文化】

【ブログ新規追加287回】

もうすぐ3・11が来る。

あの驚愕の一日から早や,10年。

そして、新型コロナウィルスの世界的な感染。

もう、世界は変わったんだ。

10年後があっという間にやってきた。

2021年、わたしたちは新しい生き方のスタート地点に立つ。

                  ★

何しろ、今までのように働くことや、人と会う、食事を共にする、遊びに行く・・・こういった何気ない楽しみを奪い去ったコロナウィスル。

自然界からの警鐘は、わたし達に新しい生活様式を促すことだったのかもしれない。

で、あればわたし達も、10年後の2030年に備えた未来思考の書籍を読んでおくことは必須だろう。

10年後も生き残っていると思われる選り抜きの3冊を紹介する。

                  ★

FACTFULNESS (ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

2019年、ベストセラーとなった書籍。

知識不足で不安な人、事実と噂話の違いを見分けられない人、ネットやTVの情報に流されて鵜呑みにしがちな人におススメの一書。

疑心暗鬼になりやすい人の特徴は、「情報と感情が錯綜している」と、著者は言う。世界中の人々が真実に基づいて世界を見渡せるようにと願い執筆したのだそうだ。

疑心暗鬼に陥りやすい人もそうでない人も、改めて読みたい一冊。

ファクトフルネスの大まかなルール
1)分断本能を抑えるには、
2)ネガティブ本能を抑えるには、
3)直線本能を抑えるには、
4)恐怖本能を抑えるには、
5)過大視本能を抑えるには、
6)パターン化本能を抑えるには、
7)宿命本能を抑えるには、
8)単純化本能を抑えるには、
9)犯人探し本能を抑えるには、
10)焦り本能を抑えるには、

以前のブログ記事も添付しておこう。詳しくはこの記事からどうぞ。

■ 2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

著者は、大学准教授であり世界的メディアアーティストの落合陽一氏

最近よく目にするようになったSDGs(Sustainable Development Goals)とは、具体的にどう世界に反映されてゆくのか?2030年をターゲットに書かれているのが興味深い一書だ。

現代の世界の持つ目線と、そこに暮すわたし達の生活全般への「思考の架け橋」となっている。

SDGsは、持続可能な開発目標で、今後人類社会が達成していくべき17の目標。この本では、イメージしにくい世界的な目標の解像度をあげて思考する人に非常に役立つだろう。

~速度をあげ進みゆく社会の目指すべき方向を明解に理解し、ドリブンしていく~こんなスタイルの提案書籍だ。

エクサスケールの衝撃 次世代スーパーコンピュータが壮大な新世界の扉を開く

「エクサスケール・コンピューティング」によって、すべてが変わる。

をテーマに、テクノロジーが駆使された結果、社会がどうなるかを想定した書籍。

衝撃と書かれているが、内容はかなりディストピアなところまで踏み込んでいる。

今の倫理観もテクノロジーが変えていく可能性がある。

読んでみて実際のところ、この本が想定する社会がいいと思えるかは別れるところだと思う。

個人的にはここまでの変容を60歳になった私が理解し、認めることができるとは思えないな。とも思う内容だ。

3冊目は、10年後、本棚に残らないかもしれない。

● 現在、書店頭では、統計学に関する書籍が目白押しだ。

子どもにもわかる統計学https://amzn.to/3bm2AfTなど、斬新な切り口で読者を増やしている。

児童書だが、より統計学に寄り添ったわかりやすい内容だ。書店で見かけたらぜひ、手に取ってみて。

世間の変化が加速する今。

今まで触れてこなかったことがらを書籍で吸収しよう。

そこに新しい思考が見つかったらもうけもん(笑)