『女はいつも四十雀』林 真理子・著(光文社文庫)【選書・ワークスタイル/文化】

【ブログ新規追加1353回】

『女はいつも四十雀』林 真理子・著(光文社文庫)

簡単レビュー

女の四十代は、子育ても仕事も社交もおしゃれもとなると、本当に忙しくて大変だ。

だが楽しく有意義な四十代を迎えれば、その延長としての五十代がやってくると著者は語る。

~そう、女の人生、勝負はいつも四十から~(冒頭の「はじめに」引用。

ここでの積み重ねが、その後の人生を豊穣にする。

10年以上にわたって「STORY」の巻頭を飾る人気エッセイ、平成最後の5年分収載。

                ★★★

林 真理子女史の小説とエッセイは全巻読み終わっているわたし・・・が!この1冊を完全に見落としていたことが、先週判明した(笑)

で、さっそく、先週末から夜な夜な読みふけって、もう「はらを抱えて笑った・笑った?」1冊だった。

とはいえ、エッセイのすべてがお笑いなんではなく、たまに、ひょっこりとおかしみが顔を出す。

たとえば、本書ではないのだが、真理子女史の好む表現に「どっさり」という言葉。わたしは、林 真理子女史の文章でしか出会ったことがない。

わたしの祖母の口グセだったから、脳裏に焼き付いていたし。

しかも、だいたいが美味しい物や高級ワインを頂く時に限って「どっさり」が出てくるんだもの(笑)

どれだけ食い意地が張ってるんだか!と思わせつつ、本当に素晴らしいお料理を頂いている情景がリアルに浮かぶのがすごい。

だから「はらを抱えて笑う」との意味は、「可笑しさに耐えられないでつい、ニヤニヤ、クスクス笑ってしまう」と言い換えられる。

文章で表現される「おかしみ」を味わえるのが、林真理子本の醍醐味だとずうっと、思っていたのよね。

下世話な、ともすれば、くだらない話であっても、真理子女史の文章マジックにかかると、一気に読ませる内容に大変身してしまう。

中タイトルに内容の暗示されているのも一案だわ。

二つ上げてみよう。

•「料理のうまい女」の条件が~頭がよいこと~だったとは!

• 四十代の今こそ、すべきこと。それは、「年をとったら、絶対にこういうことはすまい」と思うことを記憶に刻んでいく作業

と、こんな中タイトルがついていると、内容が知りたくなるってものよね。

40代女性の仕事・子育て・女友だち・品性・お金の払い方・ファッションや美容・エンタメなど2014年~2019年までの話題がぎゅっと!詰まっていた。

また、同じ時期の世間を知っていることで、こんなにも共感できるんだ!と、改めて過去の記憶の「総ざらい」ができ、ちょっと得した気分。

本タイトルの「四十雀」とは、四十代の言い当て妙だが、ご本家の四十雀はたいそう可愛らしい鳥だ。

ほっぺが白くてふっくら~💛

わたしも、四十雀みたいに、いつも「きれいでかわいいほっぺ」をしていたい!と思って、せっせと「顔や首」などのお肌を、お手入れし始めたわ(笑)

                   ★

本書の最終章「グレイヘアは甘いもんじゃない。ありのままでいるための努力は厳しいものだから」について、少々語る。

言っちゃえば、「何もせずでいられるほどありのままは易しくはない」ということだ。

「ありのまま」で行けるほどの自信を、ひとつぐらいは持ちたいと願ってはいるが、努力なくして「ありのまま」はまず、手に入らない。

これは、中年女性なら誰でも、実感しているというかわかっている。

わたしも、これまで通り、精進の日々はなんら変わらないけれど、時には、ありのままで、本書のような「人生指南のエッセイ」を読んで大笑いして、貯め込んだストレスを解消していこうと思う。

林真理子女史の書籍は、わたしにとっては、恰好の「解毒剤」なのだから~~~(笑)

ああ、いつもながら単純なわたし(笑)

それでは、また!

---------------------------------------------旧記事更新

『SunTAMA Style』2021年5月26日記事

『SunTAMA Style』2022年5月26日記事

『SunTAMA Style』2023年5月26日記事

『Life Tour21st』2017年5月26日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1066135138.html 「積極的スポーツウォ―キングのススメ」

『みいこStyle』2019年5月26日記事

https://miikostyle.blog.jp/archives/18558754.html 「ただ、運が良かっただけ」

『fika フイーカ 世界一幸せな北欧の休み方・働き方』芳子・ピューイル・著(キラジュンヌ株式会社)【選書・文化】

『fika フイーカ 世界一幸せな北欧の休み方・働き方』芳子・ピューイル・著(キラジュンヌ株式会社)

簡単レビュー

仕事も家庭も、素敵な「休息」があなたの人生を変える!
毎日が慌ただしいと感じる人たちにおくる
“北欧流のゆったり過ごすライフスタイル”を提唱する一冊。

その著作『世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし』において
いち早く“ヒュッゲ“を日本に紹介した、北欧流ワークライフデザイナーとしても活躍する芳子ビューエルさんの最新刊。


北欧・スウェーデンにある「fika(フィーカ)」という習慣を通して、
毎日が忙しく過ぎていく全日本人に捧げる「休み方改革」を提唱する一冊だ。


これからの時代の働き方や仕事について見つめ直すために、改めて休み方について考えてみよう!

            ★★★

5月GWが終わったばかりで何なんだが、すでに「仕事のし過ぎ」というか走り過ぎている毎日。

そして心の中は、次の旅(楽しみ)に向けて、優先順位をつけて次々と予定をこなしているのだけれど、わたしのこうした「詰め込み体質を見直す時期」が来ていることを、このところ猛烈に感じている。

やっぱり、体力が持たないな・・・と、思う。

それでも、「旅」という楽しみを目の前にぶら下げてひたすら走ってしまう。

しかし、今のわたしに必要なことは、たぶん実質の休みを取ることよりも、頭の中の思考=貧乏体質をリセットするのが一番重要だと感じる。

例えば、「半日、ぼ~っとする」ことになっても、無駄だとか・罪悪感を抱かないとか(笑)

わたしは外営業のくせに、あまりカフェなどに入って、仕事をしたり客先のアポまで時間を潰したりという無駄をすることはほぼない。

その一方で、同僚がよく言っているのは「アポって本当にイヤ!だって飲みたくもないコーヒー頼んで時間をつぶさなきゃならないでしょ?」って(笑)

そんな無駄な時間と費用はわたしの場合、まったくない。

事前にアポ先の周辺に行きたいカフェや図書館、公園などを探しておいて、ミニトリップしているから。

もちろん、カフェも飲みたくないコーヒーなどではなく、あえて飲みたくなる珈琲を見つけておくので、それを頂いた時の満足感はかなりのものよ。

さ、ここまで己の事前準備、いわゆる「情報強者のうぬぼれ」的な話を書いているが、それも「もう、いいんじゃない?」と、最近は溜飲が下がってきているのも確か。

同僚のぼやきも容易に聞き流して行けばいいよ~~ってね。1つ1つ真面目に捉え過ぎないのも大事だと思える。

でも、これって加齢のせいかも!?

で、少々、生き方・働き方の新提案を求めていたら出会った、「fika」という言葉。

少し「fika」について、調べてみたので記載する。

• フィーカ (fika) とは、スウェーデン語で「甘いものを食べながらコーヒーを飲む」という意味です。スウェーデンでは、1日の間に数回、家族、友人、同僚などとフィーカの時間を取ることが一般的で、短い休憩時間の中でリフレッシュし、コミュニケーションを深めるための大切な習慣です。

• フィーカの時間は、15分から30分程度で、特に午前10時頃と午後3時頃が一般的です。フィーカでは、コーヒーとクッキーやケーキなどを一緒に楽しむのが一般的ですが、甘いものが苦手な人は、サンドイッチやレモネードなど、他の飲み物や軽食で代用することもあります。

◎ フィーカは、単なる休憩ではなく、気分転換やコミュニケーションを深めるための大切な時間であり、スウェーデン社会の重要な文化の一つとして根付いています。例えば、フィーカを通して、同僚と雑談をしたり、親しい友人との間で、個人的な話題をしたりする中で、円滑な人間関係を築くきっかけにもなります。(資料元→https://ideasforgood.jp/glossary/fika/

なるほど、いうなれば、「おやつ」と「人間関係」を上手に生活の中に組み入れて、緩急にメリハリをつけて暮らそう!という習慣。

たった15分の他愛無いおしゃべりとお茶時間でも人を誘い、人生の軌道修正をちょこっとする「小さな幸せ」をつかむ習慣ってわけ!

わたしは、よほどの理由がない限り、外仕事で忙しいので(そう思い込んでいる)人を簡単のお茶に誘うことはない。

でも、先週急に思いついて、ある方に連絡を取り、ランチに誘ったら一発快諾!こうしてフィーカの扉を開いてみた(笑)

他愛ない話を、滅多に会えない友だちとする、なんて贅沢な休息時間だろう。

               ★★★

今回、紹介した書籍『fika フイーカ 世界一幸せな北欧の休み方・働き方』では、上手に暮らしの中に休息を取り入れることで、それまでの「働き方」や「生き方」ひいては「考え方」までもが一筋の繋がりを持つようになっていくのだという。

それが、自分らしい生き方であり、自分ファーストなんだと。

仕事だけがやりがいじゃなくて、身近な暮らしの中でやりがいを見つけて生きる・・・って感じかしら。

この本の中で醍醐味を感じた部分は、著者自身が、仕事(会社経営)や子育てに行き詰った時、必ず誰かに相談を持ち掛けて解決の糸口を探る場面だ。

そして、「旅」に出て、大いに発散して元気を取り戻して帰ってくる様など。

そして、失敗談も成功談もどれも読みごたえのある内容だった。

わたしも、こうした書籍をお手本に少しづつ、「仕事を減らし生活を真から楽しむ術」を身につけている最中。

それでも本音は、働ける限り「仕事というガソリン」は切らしたくはない。

ま、仕事もお金も時間も限られた中で、「本当の幸せを掴む努力」だけは怠らないで行く(笑)

北欧の人たちだって、国が人生のアレコレを「保障」してくれるから、さぞかし楽で優雅な暮らしが実現できる!とか思っていたのだけれど、消費税24%の「国」だってことを忘れていた!

だから、普段は慎ましく暮らしている。そして白夜の国でもあって、いつでも出かけられるわけでもない。

み~んな、制約のあるなかで、知恵と工夫で「世界一の幸せ」を実現しているのだ。

わたしもまだまだ、頑張ろう。

だって、変えられるのは「自分」と「未来」だけだから。

それでは、また!

ー--------------------------------------------

旧記事更新

『SunTAMA Style』2023年5月23日記事

『Life Tour21st』2017年5月23日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1066102252.html 「10年後何してる?を考えた1日」

『火山のふもとで』松家 仁之・著(株式会社新潮社)【選書・文化】

【ブログ新規追加1346回】

『火山のふもとで』松家 仁之・著(株式会社新潮社)

大事なことは、聞き逃してしまうほど平凡な言葉で語られる。
日本語の美しさを限界まで引き出した、鮮烈なデビュー作。

簡単レビュー(文中引用)

「夏の家」では、先生(フランク・ロイドの弟子)が一番早起きだった。物語は1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。

ぼくが入社した村井設計事務所は、ひと夏の間、北浅間にある「夏の家」へ移動する。そこでは稀有な感性をもつ先生のもと、国立現代図書館の設計コンペに向けての作業が行われていた。

もの静かだけれど情熱的な先生の下で働く喜びと、胸に秘めた恋。そして大詰めに迫った中で訪れる劇的な結末。

ただ夏が過ぎても物語は終わらなかった。かけがえのない記憶と生命の瞬きを綴る。

               ★★★

美しい日本語が読みたい!と思っていたところ、とある建築関係のWEB雑誌から、この名作を知った。

発刊からすでに、12年が経っていたので、書店で探す前に図書館で蔵書を調べてリクエストを出していた。

忘れていたところ、GWの後半に届いたので早速、読み始めてみたら、何しろ一つのシーンに費やす文章がな・が・い(笑)

GWや夏休み、飛行機や新幹線の移動のお供にぴったりだ。

ありと、あらゆる手段を使って表現しているという感じが面白い。

しかし、上品で美しい表現は、読み込むほどに芳醇な薫りを放つ。そして読むのを止められなくなる(笑)

東京の建築事務所が夏の間は、群馬県の浅間山のふもとに仕事場を移すというシチュエーションが物語を一気に旅気分にさせてくれる。

建築のうんちくや専門用語が満載の一冊。

建築好きにはたまらない書籍かもしれない。

そして、浅間山を浅間山とも日本百名山とも書かず、「火山」と表現したところがわたしの肝を抑えた。

そのものをどう、表現するか?

小説を読む喜びが、ひとつひとつのディティールに満ち溢れた、類まれな書籍だといえよう。

なるほど!と、唸ってしまった一冊を紹介。

それでは、また!

------------------------------------旧記事更新

『SunTAMA Style』2020年5月7日記事

同じ料理研究家の本を集める趣味~料理本は連続して読む・見るを繰り返すことで身に着く~定期的に楽しみ料理センスを磨く~書籍紹介もあり🎶【暮らし/選書・文化】

【ブログ新規追加1335回】

わたしの数少ない書籍コレクション(笑)

有元葉子さんはかなり長い間、料理研究家と名乗らずに、現在も不定期に主催を続ける料理教室の主宰とご本人を紹介されていた記憶がある。

有元葉子さんは、大好きな料理研究家。

料理のセンスも器のセンスも、なにより著書の紙面の作り方、表現方法がわたしの肝にズバッと入り込んできた、ここ数十年。

だいたい、料理本にはその著者の持つ背景(撮影場所が自宅だったり、器や家具が私物だったりなど)がまるっと記載されていて、ライフスタイル好きにはたまらない内容となっている。

で、有元葉子さんの料理本を図書館で「見つけては欲しくなり購入」を繰り返してきた。

また、「イタリアと東京」またそれ以降の「長野県と東京」の2拠点に暮らす背景あたりを描いた書籍では、おおいにその生き方に触発された。

今ではYou Tubeチャンネルで長野での暮らしぶりを季節の料理とともに発信している。

滅多にチャンネル登録しないわたしも、チャンネル登録をし、動画を観ている。

実際に地元の食材を農家さんから手に入れる、地産地消に取り組む、雪国での暮らしぶりなど、一人暮らしだからこその、「大人の豊かな時間」をYou Tube越しに眺めるのが楽しみになっている。

※最新版の番組。

ここで数少ないコレクションの中から1冊、紹介しよう。

有元葉子の料理教室 春夏秋冬レシピ』有元葉子・著(KADOKAWA)

簡単レビュー

告知と同時に満席になる憧れ料理教室!レッスンの真髄をまとめた決定版

全国から申し込みが殺到し、告知と同時に満席になる有元葉子の料理教室。玉川田園調布で開催される少人数のその教室のとっておきレシピをまとめた決定版が登場。

春夏秋冬の季節ごとに厳選したレシピに加え、台所や道具の工夫、献立の立て方、準備と段取り、器のコーディネートもアドバイス。

                ★★★

~素材の持ち味を生かしながら、余分なものを入れない「引き算」の料理が美しい~

大好きな著者さんの本&動画を紹介してみた。

心と身体に納得がいくお料理を求めている方は、ぜひ、手に取ってみて!

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新

『SunTAMA Style』2021年4月14日記事

『SunTAMA Style』2022年4月14日記事

『SunTAMA Style』2023年4月14日記事

『言葉にできるは武器になる。』株式会社 電通 コピーライター 梅田慎司・著(日本経済新聞出版社)【選書・文化】

【ブログ新規追加1325回】

『言葉にできるは武器になる。』株式会社 電通 コピーライター 梅田慎司・著(日本経済新聞出版社)

簡単レビュー


★読み継がれて35万部突破★
★新編<現代の国語>高校教科書にも採用される圧倒的名著★
★中学入試から高校入試、大学入試まで続々採用★
★言葉にできる=生き抜く力を手に入れよう★

第一線で活躍するコピーライターが公開する「もやもやした気持ち」を言葉にする技術!新人からベテランまで、プレゼン・面接から日常生活まで、どんな時も役に立つ一生モノの伝える力を手に入れよう!

【できる人は「内なる言葉」を磨いている】
〇なぜ、伝わる言葉と、伝わらない言葉があるのか?
〇心を動かす言葉に、テクニックはいらない
〇伝えたい思いを自ら認識することからはじまる
〇T字型思考法で、自分の意志を、言葉に込める

「うまく自分の言葉で話せない」「人の心に刺さる表現力を身につけたい」――志や思い、自分のなかにあるビジョンを言語化するために何をすればよいのか? そんな悩みを抱えている全ての人に、いま注目のコピーライターが独自の手法をわかりやすく開示する、人の心を動かす言葉の法則。

 人は、その言葉の中に自分の思いを発見したときに心を動かされるのであり、技巧を凝らした表現などいらない。自身が手がけた広告コピー、古今東西の有名事例を、「メッセージとしての明確性」「そこにいかに自分を投影するか」「伝えたい想いをいかに生み出すか」という視点から分解、「意志を言葉に込める技術」を解説する。


【目次】

第1章 「内なる言葉」と向き合う
・言葉で評価される時代
・言葉には2つの種類がある「外に向かう言葉」と「内なる言葉」
・「内なる言葉」と向き合う
・「人を動かす」から「人が動く」へ
・最後は「言葉にできる」が武器になる

第2章 正しく考えを深める「思考サイクル」
・内なる言葉の解像度を上げる
・「思考サイクル」で正しく考えを深める
・「T字型思考法」で考えを進める
・自分との会議時間を確保する

第3章 プロが行う「言葉にするプロセス」
・思いをさらけ出す2つの戦略
・戦略1:日本語の「型」を知る
・戦略2:言葉を生み出す「心構え」を持つ

               ★★★

今月読みたくて取り寄せていた本3冊を今一度紹介する。

1冊目は世界で活躍中である装飾デザイナーが取り組む「SDGsの仕事本」

2冊目は、大人になってからの友だちづくりのコツを謳った「ゆる友活本」

3冊目が「言葉を武器にする思考本」だ。

今回の3冊は、よりよい「人生を生き抜くために必要な道案内」だと思い、連続でレビューをした。

よろしければ、ブログを読んで頂きたいし、本書たちを書店で見つけるか取り寄せて頂きたい。

後悔のない読書案内を目指している。

前回、前々回のブログもここに貼っておく。

弥生3月、読書をお供に春爛漫しよう!

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新

『SunTAMA Style』2021年3月19日記事

『僕には鳥の言葉がわかる』鈴木俊貴・著(小学館)~現在大ヒット中の動物観察記(essei )【選書・文化】

【ブログ新規追加1315回】

『僕には鳥の言葉がわかる』鈴木俊貴・著(小学館)

簡単レビュー

ようこそ シジュウカラの言葉の世界へ

山極壽一先生(総合地球環境学研究所所長)絶賛!
類人猿を超える鳥の言語の秘密を探り当てたフィールドワークは
現代のドリトル先生による新しい動物言語学の誕生だ。

NHK『ダーウィンが来た!』をはじめ国内外のメディアが注目する気鋭の若き動物言語学者による初の単著、ついに刊行!

古代ギリシャ時代から現代に至るまで、言葉を持つのは人間だけであり、鳥は感情で鳴いているとしか認識されていなかった。


その「常識」を覆し、「シジュウカラが20以上の単語を組み合わせて文を作っている」ことを世界で初めて解明した研究者による科学エッセイ。


動物学者を志したきっかけ、楽しくも激ヤセした森でのシジュウカラ観察の日々、鳥の言葉を科学的に解明するための実験方法などを、軽快に綴る。

シジュウカラへの情熱と愛情あふれるみずみずしい視点に導かれるうちに、動物たちの豊かな世界への扉が開かれる。

読後に世界の見え方が変わる一書だ。

また、巻頭口絵にはシジュウカラたちのカラー写真が、巻末にはシジュウカラの言葉を聞ける二次元コードつきなのも嬉しい。

                 ★★★

2025年1月に発刊されたばかり、わずか2週間で4刷5万部を売り上げ脅威の大ヒットとなった作品を取り上げてみた。

本書担当編集者が目からウロコが落ちたともいえる視点が、著者の鈴木氏が「シジュウカラのことが好きだ、もっと知りたい」というまっすぐな気持ちで自然の中に身を置いて、「根気強く鳥たちを観察するフィールドワークの姿勢」を真近で見て大変に驚き・感動したのだそうだ。

文系、理系、アウトドア派、インドア派問わず、何かを「好き」と思う気持ちを大事にすることは、何よりも重要かつ幸せなことではないだろうか?

日常生活の中でも新鮮な驚きや気づきが得られ、ひいては世界的な発見にまで繋がる。

これは本書の読者にとっても、ポジティブなメッセージとなることと思うと述べられていた。

ちなみに、初の単著となる本文内のイラストはすべて鈴木氏ご自身によるもの!

こまかなところまでかわいらしく描かれているのは、愛と興味をもって丁寧に相手を観察する鈴木氏ならではのタッチ。

そんな背景までも楽しめる素晴らしい名書である。

児童書を専門に出版営業を生業とするわたしの、今、最も注目する一書を紹介した♪

ぜひ、書店(児童書コーナー)で探してみて!

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新

『SunTAMA Style』2021年2月24日記事

『SunTAMA Style』2022年2月24日記事

『SunTAMA Style』2023年2月24日記事

『Life Tour21st』2017年2月24日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1064481786.html 「冬の関西旅 後編 京都」

『みいこStyle』2020年2月24日記事

https://miikostyle.blog.jp/archives/23668026.html 「わたしの春の見つけ方」

『雑草と恋愛 れんげ荘物語』群ようこ・著(角川春樹事務所)~群ようこさんと原田ひ香さんの女流作家対談を読んで紹介【選書・文化】

【ブログ新規追加1311回】

『雑草と恋愛』群ようこ・著(KADOKAWA)

簡単レビュー

有名広告代理店を早期退職し、月十万円ずつ蓄えを切り崩しながら穏やかな暮らしを送るキョウコ。
おかめの手ぬぐいで頬被りしてアパートの庭の雑草抜きに勤しんだり、隣人のチユキさんの悩みを聞いてあげたり、友だちのマユちゃんが遊びにきたり……と、楽しく自由な日々。
小さな幸せを大切にするロングセラー「れんげ荘物語」シリーズ、みなさんに愛されて待望の第9弾。
書き下ろし最新長篇。

★★★

久しぶりに女流作家同志の対談を角川の冊子、「ランティエ」で読んだ。

60代後半の群ようこさんと、50代後半の原田ひ香さんの興味深い対談。

丁度10歳違いのいい感じのお二人。

お互いの作品のファンでもあり、女性作家ならではの「仕事と家庭」「人生と経済」などの視点が多く盛り込まれた対談は、仕事中の休憩などにピッタリの内容で「得した気分」になれた。

また、群ようこさんの執筆に関する秘話もあり、そのあたりを書いたエッセイも紹介されていた。

手に入れたら、良~く読んで(笑)レビューしようと思う。

群ようこさんと原田ひ香さんの対談だけでなく、連載陣も多数。

特に、あさのあつこさん、天童荒太氏の連載がおすすめ。

新連載は、山口恵以子さんと楽しみが尽きない。

よりどりみどりの作家陣で構成される「ランティエ」は書店等のレジ付近にサービス(無料)でおかれている。

書店頭で見つけたら、ぜひ1冊頂いてみて!

1冊に色々な作風の小説が掲載されていて、自分好みの作家がみつかるかもしれない!?

そんな、1冊で二度三度美味しい冊子の紹介をした。

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新

『SunTAMA Style』2024年2月14日記事

『フランス女性は太らない: 好きなものを食べ、人生を楽しむ秘訣』ミレイユ ジュリアーノ (著), 羽田 詩津子 (翻訳)日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版)【選書・文化/旧記事更新204】

【ブログ新規追加1298回】

フランス女性は太らない: 好きなものを食べ、人生を楽しむ秘訣』ミレイユ ジュリアーノ (著), 羽田 詩津子 (翻訳)日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版)

簡単レビュー

太らないためにフランス女性がやっていることとは?

食では★バランス重視で毎日3食、栄養あるものを適量、心から味わって食べる。

運動では★楽しく歩き、階段を上るなど、ちょっとずつ動く。

フランス女性の優雅な健康生活は「食と運動」でできている。

全世界で300万部のベストセラー待望の文庫化。

もくじ

はじめに

1、アメリカの生活

2、龐統娘の帰郷

3、最初の三ヵ月で体質改善

4、三人の女性の物語

5、儀式の必要性

6、季節を味わい、スパイスを学ぶ

7、さらにあなたをだますレシピ

8、液体の利点

9、パンとチョコレートを食べても太らない

10、フランス女性のようにふるまう

11、生きる喜びを追求する

12、ライフステージのさまざまな局面

補足 継続してバランスを保つために~体重管理は生活の一部

あとがき

              ★★★

全米でこれまで売れに売れ、社会現象を引き起こしているダイエット&ライフスタイル本を紹介。

フランス女性の食事&生活哲学を身に付けて無理せず痩せられる!

(簡単ヘルシー・フレンチのレシピつき)

ずっと気になっていた本をやっと手に入れて、お正月から少しずつ読んでいた。

簡単な食べ方のお手本では、「1度作ってアレンジし3回食べる」とか、「スパイスを活用する」などが活用大。

わたしもさっそく、トライしてみたくなった。

載っているレシピもどれも美味しそうだし。ミモザスープを作ろうと思っている。ミモザスープは自己流で、大好きなタイカレーにもアレンジしてみたいな。

サラダやお魚料理には、くるみオイルや ヘーゼルナッツオイルも試してみたい・・・など食に対する好奇心がムクムクと湧いてきた。

というわけで、いつもと違うレビューだけれど、興味があったら、ぜひ手に取ってみてね。

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新903

『SunTAMA Style』2021~2023年1月15日記事 更新済み

『SunTAMA Style』2024年1月15日記事

『Life Tour21st』2015~2018年1月15日 記事更新済み

『みいこStyle』記事更新なし

『音楽が人智を超える瞬間』篠崎史紀・著(ポプラ社)【選書・文化/旧記事更新202】

【ブログ新規追加1296回】

音楽が人智を超える瞬間』篠崎史紀・著(ポプラ社)

簡単レビュー


「マロ」の愛称で知られ26年間務めあげた
「N響第1コンサートマスター」

現在、肩書を超えて様々な活動で知られる、唯一無二のヴァイオリニスト。

人生、音楽、教育、多彩すぎる趣味……
ダース・ベイダーにはなれなかったが、
そのおかげで音楽に導かれて辿り着いた最高の居場所とは?

●北九州で育まれた「特異体質」
●ウィーンで学んだ音楽の神髄
●N響で磨かれたコンマスの流儀
●偉大なマエストロたちとの秘話

「スター・ウォーズ」「ウルトラセブン」など幼少期の憧れと
音楽の魅力を同列で語れる著者ならではの独特の感性が満載。
クラシック音楽愛好家はもちろん、
これまで触れる機会がなかった方々も愉しく読める一冊!

(もくじ)

第1章 ウィーンが「音楽の流儀」を教えてくれた

16歳、目の前に積まれた100万円でヨーロッパに
ヴァイオリン教師の楽譜をこっそり盗んでは練習する日々
路上演奏で腕試し
イヴリー・ギトリスとの出会い

第2章 ウィーンで身につけたマロ流妄想力

「モルダウ」と「新世界」の妄想的背景
芸を極めるには妄想力を育てよ
ウィーンをより理解するためのワルツのレッスン

第3章 北九州が「人生の流儀」を育んでくれた

故郷、小倉はイタリアの港町?
ヴァイオリンを弾くのは歯磨きと同じ
動物園の象の檻の前でヴァイオリンを披露

第4章 N響が「コンサートマスターの流儀」を確立させてくれた

指揮者から本音を聞きだすコンマスは007?
サヴァリッシュとの思い出と堀さんの思い
フェドセーエフを救った「くるみ割り人形」

第5章 偉大なマエストロたちが音楽の流儀を教えてくれた

シャルル・デュトワ
ウラディーミル・アシュケナージ
アンドレ・プレヴィン
パーヴォ・ヤルヴィ
ファビオ・ルイージ
ヴォルフガング・サヴァリッシュ
ヘルベルト・ブロムシュテット
ロリン・マゼール
ロジャー・ノリントン
トゥガン・ソヒエフ
ネッロ・サンティ
ワレリー・ゲルギエフ

第6章 いま、日本の音楽界に、そして故郷に伝えたい思い

自分が憧れていたジュニアオーケストラを作る
指導者にも子どもたちにも必要な精神「守破離」

             ★★★

毎年、大晦日の顔である、NHK交響楽団のコンサートマスター篠崎史紀氏。

彼の「第9」でこの1年を振り返り締める方々も多い。

わたしもその一人。

12月31日は、どこにも出かけず、それまでに大掃除を終わらせ、午前中には、我が家の味である10種類の「お煮しめ」を丹精込めて作り、午後はしばしゆっくり。

夕方、早めのお風呂に入って身を清め(笑)夕食には鍋を囲みながら一年の労をねぎらう。

そして、食事の片づけを終わらせて、とっておきのシングルモルトと一粒チョコレートを用意して、8時からの「第9」に備える。

飽きもせず、毎年やっている大晦日の一日だ。

その第9を神がかった演奏に仕上げるのは、指揮者の力量にかかっている。

しかし、日本のオーケストラの歴史を伝承しながらも、新時代の幕開けを予感させる篠崎氏のコンサートマスターぶりは、必見の価値に相当するものだ。

とかいいつつ、1杯だけの旨いお酒とともに、己の一年を「第9」を聴きながら振り返る・・・。

素晴らしい「生き方」を生活に取り入れられていることに、感謝している。

そして、演奏会が終わると、年越しそばとビールを頂き、ほろ酔いで就寝。

これが我が家の31日。

というわけで、我が家にかかせない「第9」の顔、篠崎史紀氏の書籍を紹介した。

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新202

『SunTAMA Style』2021年~2023年記事 更新済み。

『SunTAMA Style』2024年1月10日記事

https://www.aylife.site/post-20093 「なぜわたしは文章を書き続けているのか?~テキストでコミュニケーションを図るのが目的~書くメリットや効能について【紙上講座・ブログやアナログ手帳を書く理由/旧記事更新15】


『Life Tour21st』2017年1月7日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1063619244.html 「ノンアルコールへの道

『ゲリラガーデニング 境界なき庭づくりのためのハンドブック』リチャード・レイノルズ ・著/甘糟智子 ・翻訳(現代書館)【選書・文化/旧記事更新193】

【ブログ新規追加1287回】

ゲリラガーデニング 境界なき庭づくりのためのハンドブック』リチャード・レイノルズ ・著/甘糟智子 ・翻訳(現代書館)

簡単レビュー

世界にはいろんなことをしている人たちが存在している。
本書に登場する人たちが耕しているのは自分の庭ではないのだ。
見つからないようにこっそりと、空き地、手入れのされていない花壇、道路の中央分離帯、行政区分のあいまいな土地、いつの間にかゴミ捨て場と化しているスポット……、そんな土地を「庭へと変えてしまう」、これがゲリラガーデニングの真相だと。

その土地の成り立ちを調べ、見つからないように細心の注意を払い、無断で、創造的に、まるで魔法のように、ふさわしい植物で街を飾るアナーキーな庭づくり。
世界中の実例を紹介しながら、伐られていく世界の中で「植えていく」ことに突き進む。

読んだらやってみたくなる?!ことまちがいなしの一冊。

土を掘る、種をまく、水をやり植物を育てる。
こうし た 人間として の 当然の営みは、 土地を所有せずとも実現可能だ。


【もくじ】
はじめに
第1部*ムーブメント ゲリラガーデンという運動
1. ゲリラガーデンとは?
2. なぜ闘うのか
3.何と闘うのか
4. 歴史

第2部*マニュアル ゲリラガーデニングの手引き
5. 武器(アーセナル)
6. 戦場(フィールド)
7. 宣伝(プロパガンダ)
8. 勝利(ビクトリー)
特別寄稿:境界のゲリラガーデン(東京大学だめライフ愛好会)
境界を越えて耕すということ(くまたろう)

             ★★★

なに?この本!?

仕事先で偶然見つけて、しばし立ち読み~~~~~~~~( ´艸`)

仕事上、立ち読みは、やっちゃいけないのだけど、他ジャンルだからね!ちょっぴり読んでから、急いで帰って電子書籍でとりあえず読み流して、レビューを書いた。

今年、9月に出たばかりのアナーキーな新刊を紹介した。

土地といえば「所有」しているとか、「権利」があるとか。そういった規律が立ちはだかっているものだろう。

しかし、世界には放置された土地を見つけて、「しれっと!」(ここ大事・笑)自分の好きなように草花を植えるガーデナーがたくさんいるらしい。

「所有?」興味なしなんだね。

要するに勝手気ままにガーデンライフを送りたい!という自由発想の人たちのやっていることを一冊の本にまとめてみたそうだ。

しかも、やり方も記載されているし、東大の愛好会なども紹介されているんだよね。

すこし、文中引用する~

都市生活者は、植物を愛でる、作物を育てるという人間の根源的ともいえる行為を禁止されている。

これは街の中でスケートボードが禁止されていたり、街の壁にグラフィティを描くことが禁止されていることに少し似ている。

大きな者の権利が守られ、小さき者たちの自由は制限される。

 本書の著者がゲリラガーデニングのことを皮肉も込めて「闘い」と表現するのは、「土地の権利」や「土地を所有すること」の既成概念を揺さぶることで世界を少しでもマシなものに変えることを目的としているからだ~文中引用。

不思議なんだけど、本来「持っている人は勝ち組で自由を得ている」と思うが、これを読んだ限り、「持たない自由は無限に広がる」んだ。

勝ち負けなんかないよ。街で植物を育てたいだけなんだもの。

というわけで、ちょっとロックな書籍を紹介してみた。

それと、この本を読んで、世界的な落書きアーティスト「バンクシー」を思い出した。

バンクシー作・「風船と少女」

「風船と少女」は、世界3か所で書かれている。

ロンドン南部のサウスバンクス・テムズ川沿いの階段の壁

パレスチナとイスラエルを隔てる分離壁

渋谷の「世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公」

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新193

『SunTAMA Style』2020年12月18日記事

『SunTAMA Style』2021年12月18日記事

『SunTAMA Style』2022年12月18日記事

『SunTAMA Stye』2023年12月18日記事