東京の最果て書店「多摩書房」訪問~緑あふれるレトロな青梅宿【写真で綴る旅・沿線探訪】

【ブログ更新93回目】

今日の多摩書房

ここが、東京で一番西の端にある本屋さん「多摩書房」ずうっと来たかった創業53年の老舗個人書店だ。

わたしの本職は、出版社の営業。客先は書店だ。だから、旅先でも必ず書店巡りをスケジュールに組むほど、仕事もだが、元々書店が大好きなのだ。

やはりというか意外なのは、業界の話で申し訳ないが、書店様がほぼ加入している全国書店商業組合(東京都)に加盟されていない

個人で書店を営む数少ないタイプの書店だ。さきほど、お店の前で多数貼ってある張り紙の中、ひと際目立つ張り紙がすごかったので一枚撮ってきた。それがこれ。

店先のポップがすごい

今、大流行中の「鬼滅の刃」がなんと、全巻揃っている…恐るべし。

出版物は、お店さんの欲しいものが簡単には搬入できない仕組みがある。そこを商業組合未加入のこちらは、店主が自ら出版社に掛け合って全巻揃えているのだそうだ。

しかも、これまで長いこと、コミックを入れていなかったのだそう。これだけでも驚きなのに、この全巻揃っています!の張り紙(POP)を書いてから、お客様が絶えない毎日になったのだそうだ。

残念なことに今日はお休み!JR青梅線の終点「奥多摩駅」の2つ手前。それも無人駅がお店のすぐそばにある。

JR青梅線・二俣尾駅(無人)

わたしは車で、いつもの営業を拡大した気分。家から1時間とちょっとで着いた。しかし、かなりの山合い。


屋根の上の、古くて大きな看板が目を引く。ペンキで「主婦の友」
その下に「多摩書房」開店当時、主婦の友が大ヒット。

この山奥でも飛ぶように売れて、主婦の友社さんが、書店の名前を入れてプレゼントして下さったのだ。

だから感謝の思いで看板を外さないのだといわれている。他にも講談社小学館からも看板が提供された。
現在、多摩書房の「多」の字が風雨でハゲ落ちているのも風情を感じる。

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新型コロナウイルスの影響はどれほどだっただろう。私事だが、自粛中の2ヶ月の間にわたしの客先も3件が閉店した。

東京の最果てでいつまで営業を続けて下さるのだろうか。辞めるのは案外簡単だ。継続が一番難しいことだ。

「おじさん!まだやってたの?」と、地元を離れていった子どもたちが時折顔を出せる懐かしい本屋さん。

本屋さんがなくなるのは悲しいしさみしい。

本屋さんは、町の文化なんだから。

さて、せっかく青梅へ行ったのだから、昭和レトロな町づくりで名立たる青梅駅周辺を合わせて紹介しよう。

青梅駅周辺

JR中央線の立川駅で青梅線に乗り換えること30分。降り立つのは昭和レトロなJR青梅駅。駅構内がすでに昭和ムード。東映の映画看板や昔の待合室にはレトロなベンチが置かれている。

電車の発車音は「ひみつのアッコちゃん」早速町へ出てみる。小さな沿道には数多くの映画看板や青梅市に縁のある赤塚不二夫氏の漫画キャラクターを眺めて、「わあ~!懐かしい!」と思わず声をあげてしまう。

現在40代∼50代にとっては、子どもの頃の思い出を手繰り寄せる材料に事欠かないだろう。それが青梅の町づくりの魅力だ。

漫画キャラクターが楽しい沿道

青梅市は、織物で栄えた町。江戸時代には絹と綿を経糸と横糸に使った青梅、戦後は夜具地(布団生地)の一大生産地として知られた。

そんな当時の古い建物が今では、おしゃれなcafeやレストラン、生活雑貨のショップなどにリニューアルを果たし、古き良き昭和のレトロ感を醸しだす。

東京の最果て書店と昭和レトロな町。いつもと違う旅先を探しているのなら、ぜひ、青梅市へ。終点の奥多摩まで行けば、東京を忘れる大自然があるし、無人駅探訪も非日常感を味わうにはぴったり。

豊かな文化と自然があり個性的な青梅市。

東京がこんなにも広く、奥深いところだと再認識した旅。

“東京の最果て書店「多摩書房」訪問~緑あふれるレトロな青梅宿【写真で綴る旅・沿線探訪】” への2件の返信

  1. 「遠い日の セピアの記憶 夏帽子」 清流
     この青梅という街は、人間の証明という作品で、西条八十の「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」というフレーズが思い出されるほど、レトロで懐かしい感じが付きまとってきますね。

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