【年末年始おススメの本・書評】『ファイブ・5年後、あなたはどこにいるのだろう?』ダン・セドラ著(海と月社)

【ブログ更新207回】

2013年日本版発刊。発売当初、書店頭でパッと目を引くビビットな赤の本が膨大な数で平積みされていた。

ファイブ 5年後、あなたはどこにいるのだろう?ダン・セドラ著(海と月社)

帯のことばに一瞬で気持ちが持っていかれる~先延ばしの人生は今日で終わろう!~とある。「見る」「読む」「書く」であなたの可能性に火をつける!と。

これは、デザインの本でもなく、絵本みたいな形だが児童書ではなく、完全な自己啓発の本なのだ。

冒頭にこうある。

「人生で次に起きることを決めるのは、わたし。それを実現するための戦略を立てるのも、わたし。」

これからの5年間で、本当にしたいことは何かを考えようと。これが大筋のテーマである。

7つの習慣」の「主体性を発揮する」「人生の脚本を書くのは自分」と似通っている。

過去の偉人たち(ヘレンケラーやピカソ)が5年という時間で成し遂げたことや、人生における基本的な価値を定める必要性についての説明がある。

【書籍概要】

この本の特徴は、Q&Aで書籍本体に書く行為で、行動を促す本だ。たとえば、こんな質問が著者から投げかけられる。

Q,あなたが人生で、もっとも高い価値を置いているものは何か?

  1. 自分自身について、いちばん気に入っているところを3つ、いちばん気に入らないところを3つ挙げよう。
  2. 知り合いのなかで、いちばん幸せな人は誰か?
  3. いちばん好きな人、尊敬している人を2人挙げよう。その理由は?
  4. わたしは何者か? 

より具体的に応えることで、自分自身の棚卸しが叶う。

この質問だけでも、軽く30分ぐらいはかかるだろうな・・・(ふぅ~~笑)それでも棚卸しだから、充分に自分のために時間をかけてあげたい。

もちろん、わたしも5年後をにらんでの自問自答をせっせとやろうと考えている。

冒頭で人生の軸となるキーワードがわかるのがいい。

「人生のミッションステートメント」「目標・夢」「自分にとっての成功の定義」といった質問にどんどん答えてみたくなった。

古今東西の著名人の「勇気が湧いてくる言葉」と「書き込み式の問い」が続くのだ。

「HOW WILL YOU(あなたならどうやって)」「CHANGE THE WORLD?(世界を変える?)」著者からのメッセージに気持ちも盛り上がる。

それから質問を答えていくうちに、今まで考えたこともなかった「見えなかった本当の自分」が自然に可視化されてゆくのだ。

実際にやってみなければ、この本の即効性や効果は実感できない。

特に「この先どうしよう・・・」と、未来について不安に思うなど、考えてることが多い人におすすめの一書だ。

最後に裏表紙のアブラハム・マズローの言葉から

人生は何のためにあるのか?それは、あなたのため

● 海と月社の書籍紹介

数年に一度は大ヒットを出す出版社で、わたしのこのブログもフォローして頂いている。

前回の書評のブログをもう一度ここに添付しよう。




自分に合った勉強スタイル→持続する~身につくブレイクスルーとは 【自己啓発・ブレークスル―術】

【ブログ新規追加183回】

● 自分に合った勉強スタイル→持続する→身につくブレイクスルーとは?

行き詰まりを突破する」~簡単に言うと、そういう意味のブレイクスルーという言葉がある。

科学的知識が飛躍的に発展したり雲間から太陽が出現するような、そんな意味がある希望の言葉だ。

割と、しょっちゅう、営業先でも難題にぶち当たったりして頭が煮詰まる。

逃げてしまうわけではないのにせよ、「どうやってブレイクスルーしようか?」と、考えを巡らせるもの。

そこで、思い浮かぶのが「勉強軸」でブレイクスル―して、角度を変えて問題を解決しようと。

ここで言う勉強するとは、状況を打開してくれる材料となる知識を得ること。

その知識の何を、どういう組み合わせて、どう自分にフィットさせていくか?を考えないと、ブレイクスルーは進まない。

学生的方法ではない大人の勉強スタイルとして、身に付きやすくストレスの少ないやり方で、しかも効率的に学びたいものだ。

プロセスにすると次のようになる。

◉ 自分に合った勉強スタイル→持続する→身につくブレイクスルー

と、こんな感じになる。

さて、ブレイクスル―する場面は、なにも仕事の現場ばかりではない。

大昔、こんなことがあった。ここに書き留めておこう。

                                                            ★                           

30年前、NYのレストランで、英会話の本を元に食事のコースを2人分頼んだはずだったが、どうみてもメインだけが3人分出てきた!

で、何度言い直しても、まったく動じない。要するに「ファーストで聞いた注文だ!」と、言い張るのだ。

結局、その3人前のエッグベネディクト風のビッグな肉料理を夫と二人でヒーヒーしながら食べた記憶が蘇ってきた。

なんて苦い経験(とほほ~)

                                                          ★


やっぱり英語ができなくちゃ!っと帰国後は意気込んでみたが、まったく続かず。すぐに撃沈となってしまった。

この場合のブレークスル―は、すぐに次の海外旅行を決めてしまう!これに尽きる。必然性とやる気を掛け合わせて、今後は失敗しない料理の頼み方を身につけよう!とか。

忙しい毎日に勉強軸を落とし込むのは本当に難儀中の難儀。

今まで何度も中断してきた英会話などは、やはり、仕事などで必然性が生まれなければ、全くやる気もしないもんよね。

 観光程度で海外へ行っても、単語を並べることでやり過ごしてしまえるし、ぶっつけ本番の緊張感を伴う旅もそれはそれで楽しいもので、身を入れてやる気が起らない。

しかし、先のエッグベネディクト風料理の話ではないが、こういった場面で、スラスラと英語で対話できたらどんなに楽しいだろうと想像する。あっ!妄想か(笑)

相手だってきっと同じ。東洋からきた言葉の通じない宇宙人みたいな人を相手にするのはさぞ、辛いだろう。

で、平和的解決=ブレークスル―は、できないほうが、できるようになる!たったこれだけ。

● 大人の勉強法~ブレークスル―だけではない基本的思考

自分の頭で考えて自分の意志で、自分に必要な勉強は何か❓を考察する。

やはり、こうしたことが学業終了以降の大人には断然必要だと感じる。

 当面のライバルがいるわけでもないし、他に何の縛りもない。

「何もやらない」という選択もできるのだが、期限をつけて大学課程でもう一度勉強し直す、なんてことも可能だ。

自分の強みは何か❓を見極めて、仕事の幅を広げ人生を豊かにしていくのも、すべて勉強次第。

勉強に取り組むスタイルは生き方の姿勢に通じていくものだろう。

 そこで、私は何を使ってどんなスタイルで勉強に取り組んでいこうか?と自分自身に問い直してみた。

何処かで誰かの講義を聴く時間と、身近なWEB記事や新聞からの極力加工されていない一次情報をしっかりと毎日頭に入れていくと決めた。

書籍紹介

僕らがやっている最強の読み方」東洋経済新聞社・池上彰氏×佐藤優氏が、新聞・書籍・ネットなどからの情報をどうやって有効に取り込むのが良いか?という秘訣を、惜しげもなく披露してくれている。2016年出版だが、自分の知見で正しい情報をつかむ、コロナ禍の今に断然フィットする内容だ。

【書籍概要】

まずは最低限、自分の読んでいる新聞の元の思想やニュース源がなんであるか?ということをしっかりと捉えておかないといけない。


新聞はWebを併用して1紙5分でざっと読む。雑誌は週刊誌中心でOK。ネットは使いやすいお気に入りサイトを選りすぐる。

 ◉ 世の中で起きていることを「知る」には新聞で。
 ◉ 世の中で起きていることを「理解」するには本で。

 結局、身近な新聞各紙で勉強する!と簡単な方法に落ち着いた。

知的好奇心を揺さぶる知識は自分を守るためのツールであると同時に、心が喜ぶ栄養だろう。


 さて、手始めにまず、新聞の4コマ漫画読むぞ!(笑)

 

自分を捨ててどうなりたいか~最速でエゴを捨て去る方法 / こんな考え方があったのか!【書評・自己啓発】

【ブログ新規追加166回】

● 自分のエゴを捨て去る技術を書いた2冊を紹介

① 自分を捨てる仕事術~鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド~アニメプロデューサー 石井朋彦・著(WAVE出版)

[概要]

著者、石井氏は一度は落ちたジブリに再度挑戦し、晴れて入社。

しばらくして鈴木敏夫氏と職場で出会う。憧れであり、いつかは一緒に仕事をしたいと願う石井。そこで戦略を練った。

それは、毎日深夜に行われる会議のコーヒー出し。そこで名前を憶えてもらった。

その後、名プロデューサー鈴木敏夫氏の下についた石井。

実はそれは鈴木氏に拾われたのだった。そこから鈴木氏の「3年間、自分を捨てて、オレの真似だけしてろ! 」の言を実行していく石井だった。

それを言語化したのが本書である。

あえていうならば、「何もない石井の意見は誰にも必要のないもの」鈴木氏の迅速かつ鋭く厳しい英断は、これも1つの仕事の仕方だと思った。

高畑勲氏や宮崎駿氏も凄まじいほど先人を真似してきたのだと。

先人の文字の形まで真似て、真似てゆく。「真似る」これは、表面的ではない、本音の部分まで見通す力を蓄えられるのだそうだ。

映画には、本当の主人公がいる・・・この話も相当面白かった。「千と千尋の神隠し」の主人公は、「えっ!?」「あの〇〇〇〇」だと。

そこに作者の本音が隠されているのだよ、と鈴木氏は石井を諭す。

しかし、チームの仕事で全員が真似だけをしたら、うまく行くはずはなく、その後は真似ではなく自分の得意技で生きていけるようになれ!と、アドバイスをされた。

アンガーマネジメント論「怒りを10段階に分ける」や「無闇に相槌しない」は誰にとっても参考、また手本となるだろう。

② 40歳を過ぎたら「これ」を捨てよう。中谷彰宏・著 (PHP研究所

[概要]

思考と物の整理にばっちりなタイミングは40代だ!と語る著者。

捨てる? 捨てない ?これまでの自分が、こういった捨てる行為ができているかが確認できる一冊だ。

60項目もあるチェックを全部終えての感想・・・結構、柔軟にできるようになっていたと思っていたが、いいや、まだまだだ。

煮詰まる時点までTRYを続けよう。

何でも大切な気がして捨てるものを決められない、そんな決断できない自分を少しずつ捨てられる。

捨てる という言葉に罪悪感に似た感情をもつが、それこそ捨ててよい大きなもののひとつ 。

「力を入れないでできる仕組みをつくる」

「 負担に感じるのは努力しているから」

「努力している時点で好きな事ではない」

「 努力より工夫をしよう」

など、ハッとさせられるキーワードがいっぱいの一書。

まず、本書を手に入れて「60項目の捨てるべき」をやってみてほしい。

いかに執着=エゴにまみれていたのかが分かる!

SNSは個人の信用を格付けするインフラ~自分の思考の転換を迫られた2冊 【書評・自己啓発】

【ブログ更新151回】

なぜゴッホは貧乏でピカソは金持ちだったのか?」山口揚平・著(ダイヤモンド社/2013年版)

1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」山口揚平・著(プレジデント社)2冊をこの週末に読んだ。

驚きなのは、1冊目にはタイトルのピカソの話は一切出てこない

2冊目、3時間だけ働く具体的なやり方は最後まで、どこにも書かれていなかった

ちょっとお~~、タイトルから内容が連想できない、誇大表現じゃないの!?っと、いぶかしい面持ちで読み始めた。

著者の真骨頂というか、著作の目指す意図はここだ。「読者に考えさせる

わかった!よ~く考えてみるよ!と、難しいディケンズの話とか居眠りしながら読み切った・笑

では、まとめてみよう。

【本書2冊の概要と説明】

1、なぜゴッホは貧乏でピカソは金持ちだったのか

本書で、一般的なお金へのイメージを良くも悪くも新しい目線で読み取れる。


例えば、お金がなくても価値を交換できる→この発想は現在でいえばメルカリかなあ。

自分には価値がなくなったモノをメルカリの様な「金銭」を介しての「仕組み」に流通させる。なかば物々交換みたいな古来からある方法に、取って代わっただけなんだろう。

著者の山口揚平氏は、こういった物々交換的なネットショップ、仮想通貨、インターネットのフォロワーなど、何でも金銭価値、より経済的な目線で時代の先を読んで執筆されているようだ。

過去に外資系M&Aコンサルタント会社に勤め、現在は独立して新しい複数のビジネスの試みを行っているそうだ。

本書では、お金の持つ本来の意味、また在り方について、過去~現在、そしてこれからの日本や世界の状況を見据え、考察・実践している事がらをエッセイとしてわかりやすく書かれている。

近年インターネットの発達と、金融システムの IT化によって、お金の在り方はスピードアップ、より抽象化し、流動的になっている。

資産運用術に長けた大手外資大資本はそれにいち早く気づき、他国の経済に踏み込み一部は大儲けし、その他大勢は損を被る歪んだ経済状況になってしまっている・・・と、著者はいう。

前半では、その歪みとはいかにして生み出されたのか?わたしたちがやり取りしているお金の本質とはなんなのか。

お金の何が価値を創造しているのか、それらについて自身の体験談も含め、丁寧にお金の本質、在り方について解説している。

後半では、お金の本質を定義した上で、お金を用いて事業を行うとはどういう展開なのだろう?そして、それは人々の幸せといかに関連してくるのか、を解説。

つまり、生きる事とはなんなのか。

結論は『生きる事とは創造する事』

ここでやっと、芸術家を使ったタイトルの所以が出てくるのだ。

しかし、ゴッホとピカソをタイトルに使い、「その由縁は創造」そこに着地して、独自の論理を繋ぐ一連の流れはとても明快だった。

まあ、ちょっと思考の回路がめんどうくさいタイプかも・笑

働く事に例えようのない疑問や、不安を抱える人に最適な一書だ。

それで、この著者が書いていたのが、SNSのフォロワー数を経済価値として強烈に認めているのだそうだ。

今では、SNS関連の会社が増え、フォロワーを大量に持つインフルエンサー(ネット上で影響力を放つ人)を雇うのだ。

ちなみにわたしの勤め先でもフリーランスのインスタグラマーやユーチューバーが働いてくれている。本の解説に戻る。

例えば、こんな文章に出くわした。

2013年当時「SNSは個人の信用を格付けするインフラになる」と、未来展望的に記されていた。

まさに、2020年の現在はその通りになった。(と本書には書かれている)

そして、さらに付け加えると、「フォロワー数とつながりの密度は偏差値として換算され、個人の時価総額や時間単価の計算に利用される」と。

もう、この一文にびっくり!だって、ちょっと前までSNS自体を遊びの延長というか、通信機器を使って繋がり合う、そうね・・・やっぱり遊びだと思っていたのだもの。

どんなに「大事」なSNSであっても、どこか真剣に向き合うのではなく、軽くストレスにならない程度がいいと、今でもちょっと思う。こういう思考が甘いのかしら?

よって、フォロワー数の価値とかって確かにの数だけれど、リアルに個人の時価総額に触れたり、偏差値に置き換えて考えるなんて思考は、まったくなかった。(わたしはね)

※偏差値とは何者?/https://www.youtube.com/watch?v=-0cwkyEhkqI

2,1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法(プレデント社)

※ かなり仮想でシュミレーションされた近未来の話がすごかった。

もう一冊は、概要ではなく、本文から、どれくらいぶっ飛んでいるか抜き出してみよう。

未来予想的に、「フォロワー数が3000人以上いないとこのイベントには参加できません」といった、大学入試センターが試験対策の足切りに利用するようなことが、様々な場面で見られるようになるだろう」って。

「へっ?」

「何それ?」

「SNSとかの数基準を入試に持ち込むか?」って、疑心暗鬼になった。

確かにちょっと前までは、こんなに中学生や高校生がSNSにいたっけ???というほど爆発的に増えている感じ。

わたしのツイッターやフェイスブックでは「高校生や中学生」はフォローしないように気をつけている。そのあたりに対しての分別は持っている。

しっかし、今の高校生や中学生が一心不乱にフォロワーを必死で増やしているのはなぜ?

上記に書いたような、フォロワ―数がその子を決める基準値になっている場面があるのかな。そうだとしたら歪んでる~。

彼らが何と戦っているのかちょっと知りたくなった。

今では、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどで、個人の信用残高なるものが計れてしまうらしい。

でも、そんなことはまったく思考の先にもなかった。

わたしが、ある意味本気でコミットしている「ブログ」は資産価値としてはとても高いものだそうだ。(本書から)

例えば、現在では、就職活動で個人ブログを上手く使って履歴書に花を添えるアピールポイントとして活用している学生も多いと漏れ聞く。

まさにブログ履歴書だ。

文体からその人なりが見え、嘘や偽りは一切書けないから、かえって信憑性があるということだそうだ。

また、反対に大学入試や就活時にすべてのSNSアカウントを抹消する学生も。

単なるコミニュケーションツールが、生きるための生活インフラに取って代わった。

今後、それを使うユーザー側のリテラシーが整っていなければいけなくなった。

                                                                  

取り留めなく書いたけれど、誰かが、いっていた言葉を。

人間の不幸には2種類ある。それは「自分に降りかかる不幸」と「他人に降りかかる幸福」だと。

SNSはこの2番目の不幸を誘う。

最後に、パスカルの言葉を。

「幸せとは物量のことではなく、一体性のことである。人と心がつながった時、もしくは期待と実態が一致した時、人はこの上ない幸福感を感じる」

(2800文字)

男と女の理不尽な愉しみ~これを読んで壇蜜さんのミステリアスな謎がわかりました【書評・自己啓発】

【ブログ新規更新142回】

何とも、地味な新書だが、女流作家林真理子氏とエロチシズムと才覚がミックスされた、全男性のミューズと謳われる壇蜜氏のベストセラー対談集。

圧倒的な聞き手に徹した真理子氏と、どんな質問にもさらりと打ち返す頭の回転が速く鋭い壇蜜氏。

最後まで、お二人のトークは情報満載で読み飽きることなどない。

特に、女性の生き方や男性とのお付き合いやら、思考の違う次元で生きる男性のことを、より深く洞察する内容は必見。

そして、一番の読みどころは最後の章。ここで、壇蜜氏の「妖艶×賢い×ミステリアス×静謐さ」これらすべてをなぜ、持つことになったのかがわかる本。

読み飽きない書籍とは、こういうものだ。最後まで読んだ人にはちゃ~んとご褒美を用意しているのよ。

恐るべし。

しかし、新書という地味な形態はいったい誰が箴言したのだろう。そして、中に申し訳程度に挟まれたお二人のモノクロ写真。

ごめんなさい。ちっともきれいじゃない。

紺色の着物と紺色のドレス。色を絞った写真でこんなに黒が多いと、どんなに素敵な人でもみ~んな沈んで見えてしまう。

真理子氏の(たぶん相当高価な) お着物や壇蜜さんのレーシーなドレスも、ちゃんときれいな色なんだろうに。なのにどうして・・・?

と、いろいろと冒頭から本の作られ方に異論を呈してしまった。だって、あまりにも残念だったから。

それと、最後のあとがきは壇蜜氏なのだが、急に言葉づかいが普通になっていて、それまでの丁寧語から発せられる上品な爆弾トーク(笑)を楽しんで読んでいたのに、急に安っぽく書かれている感じも至極残念。

しかし、今回は中途半端な出だしだったのにも関わらず、素晴らしい内容だったので、2回通読して書評にした。まず、簡単にこの本の概要を。

男と女の理不尽な愉しみ 林 真理子壇蜜 集英社新書(2017年1月初版)

【書籍概要】

下衆不倫叩きから、熟年離婚まで・・・。

世の中は、かくも男女の問題に満ち溢れている。甘美で魅力的なはずの関係はなぜ、今でも絶望的なまでに我々を追い詰めているのか?

男女の機微を知り尽くした女流作家と、タレント兼エッセイストのお二人が、男女の出会いから恋愛の作法、不倫の在り方、看取りの瞬間まで、男女を取り巻くあらゆる問題を徹底討論!

しなやかでありながら、したたかでもある男女の愉しみ方を提言する。古典的な男女観ともフェミニストとも異なる視点を持つお二人が、世知辛い今の日本社会を喝破する。

【もくじ】

まえがき・林真理子氏

第一章 結婚したい女たち

第二章 男と女の利害関係

第三章 女は「損」なのか?

第四章 人はなぜ不倫を許さないのか

第五章 女はどう育つのか

第六章 死ぬことと、生きること

あとがき・壇蜜氏

ここで、読後感を少し抜粋して書いてみよう。

● 第三章 女は「損」なのか?について / 林 真理子氏の凄さ

わたしが、何度も読み返してしまったのは第三章 女は「損」なのか? だ。なぜなら、女は男より「らしさ」を未だに求められているというか、強制される場面ってあるよね。

そういった理不尽さをお二人が論破してくれている。

また、ベッキーの不倫騒動では世間からの風当たりは相当なものだったはず。

しかし、意外なほど、有名人や文化人の不倫騒動はあっけらかん!と萎んで行っちゃう。

ベッキーは完全に世間から血祭りの生贄にされたも同然なのに。

このあたりは、わたしが思うに、「週刊文春」という大規模メディアが絡んだ不倫だったからだと当時推測した。

やはり、お二人も同意見で、「センテンス・スプリング」という言葉が独り歩きしたキーワードとLINEが生み出した現代版不倫劇。

あの宇野元総理大臣の「指三本不倫劇」もやはりキーワードが先行した形だった。ちなみに指三本とは、月30万円という隠語だそう。

しかし、この章でわたしが、圧倒されたのは、林真理子氏が言う、「ハイリスク×ノーリターン」から蘇る真理子氏の凄さだ。

例えば、真理子氏、ある方から「作品が売れるようにお祈りするから家にいらっしゃらない?」と誘われたのだそう。かなり怪しい・・・。

普通なら胡散臭い案件はスル―でしょ?

いやいや、真理子氏の場合は違う。彼女の心の声が「いいよいいよ、たまには人に騙されてみよう」っとなる。

要するに「清濁併せ呑む」行動。これが、彼女の作風だし、作品の魅力なのだとわかった。

机上の空論やフェイクじゃない部分を大量に持つことで作品が光輝き、損して得を取る究極の方法なのだ。でも、ほとんど騙されないそうだ。

ああ、すごいな。

それだけ、人としての器が大きくあるのだろうな。

わたしなどは、超合理的になり過ぎて、無駄なことだとつい思いがちだしスルーが得意だ・笑

その無駄かもしれない出会いに馳せ参じる真理子氏はやっぱり、只者ではなかった。

第六章 死ぬことと、生きること/ なんで壇蜜なのか?壇蜜氏の謎に迫る!

さて、クライマックスは、壇蜜氏のミステリアスな謎解きから対談は始まる。

20代の頃、壇蜜氏は夜、銀座でホステスをしながら、昼はまったく異次元の職場で働いていた。そこは、大学病院の研究室。主な仕事はエンパ―ミング(遺体衛生保全)ご遺体の組織を保存する仕事!

臓器を切り刻むのが日常で、ご遺体の洗浄や死装束のお仕度などもしていたのだそうだ。

亡くなった方の爪のお手入れをして差し上げる時が、もっとも、この仕事をして良かったと、優しい温かな気持ちになったという部分がとても印象的。

ご本人いわく、あの世とこの世の境目にいつもいるようで、半分死んでいたのだと。昼間は死んで、夜は蝶となる人生だったのだ。

そこで知った人として生きることの本質、死生観をある意味達観されてしまったのだろう。

しかし、すごい仕事をしていたのね。驚き。

● 最後に

この本では、真理子氏の絶妙な問いかけで、壇蜜氏の持つユニークな世界観がそこかしこに現れていて、真理子氏、話の引き出し方がすごく上手いなあ~と感じた。

一流の書き手は一流の聞き手でもあった。

謎の多い壇蜜氏、3年前は独身だったが、今年、一般男性とご結婚されたばかり。

この本によると、壇蜜氏のお好きな男性は 辺 真一氏。ワイドショーでおなじみの在日コリアン三世。

そして、看取り受け人まで、ご用意されているのだと。その人は芥川賞作家の羽田圭介氏。飲む機会があった時に、お願いしてみたら即答で「いいですよ」と言って下さったのだそうだ。

こういった人生最後の話から子ども時代の話。今では連載も持つエッセストの壇蜜氏。物書き論トークも尽きることはなかったようだ。

壇蜜氏と同じ匂いのする芸能人さんは2人いると思っているのだそう。

お一人目は、長身でクールな「菜々緒」さん。

お二人目は、みんなのみな実の「田中みな実」さん。

たまにはこんな、下衆や人情満載な「本」の紹介をしてみました。

あ~~楽しかった🎶

写真は2018年9月 京成バラ園で撮影。

 

読書の秋「運命の一冊」を探す旅~読書で人生は変えられる 【書評・自己啓発】

【ブログ更新125回】

● さまざまな人生問題の95%以上は本で解決できる

今の現状に満足している人はほとんどいない。

もっと、収入があれば・・・

もっと、やりたいことがあるし、天職をみつけたい・・・

もっと、家族や同僚・友達との関係もよくしたい・・・

このもっともっともっと・・・の希望はいくらでも上げられるし、キリがないだろう。

このもっとを解決する唯一の方法は読書だ。今、もやもやする生活から速攻で脱出するには読書をおススメする。

なぜなら、「本」の世界は驚くほど深淵なもの。この世のありとあらゆる問題を解決できるのではないだろうか?

この「本」で、さまざまな問題を解決できる!論は精神科医/樺沢紫苑氏の論説だ。しかも氏、曰く95%にも及ぶのだそうだ。

驚き。

自分の頭でいくら状況を打開しようと首をひねっても、それには、今までの蓄積が足りてなければ、すぐに限界値が見えてしまうもの。

わたしも経験豊富な人を頼る場面がないわけではないが、大抵のことは「本」で解決できてきた。

それは、人の知恵と本の知恵を掛け合わせて問題解決を続けてきたともいえる。

たった1500円前後の本に何千、いいや、何万という人たちの経験や事例、失敗した、上手く行ったなど、いくらでもお手本例を引き出せるものだからだ。

先人の知恵は本屋に行けばいくらでも売っているのよ・笑

ただ、フロー情報という新しい流れてしまうものはネット検索など、いわゆる一次情報で充分かもしれない。

しかし、手元にストックして置きたい知識や先人の知恵は、本でしっかりと押さえておきたいものだ。

● 知識の貯蓄してる?

お金の貯蓄ならどんな人でも興味津々で、話を聞くだろうが、いざ、知識の貯蓄って?はて?と、首をひねるだろう。

ここでいう、知識の貯蓄の源もやはり「本」だ。数々の困難も、本の知恵の貯蓄で乗り越えて来れたと自負している。

今まで、相当の数の「本」を読み続けてきて、「本」のあれこれを詰め込んだ特化ブログを継続中。

わたしのやりたいことはこれだったんだと「本」が教えてくれた。

わたしの知識の貯蓄法3選

① 純粋に今の仕事に活かせる本を選ぶ。(仕事が変われば読む本も変わる)

② 物語や小説の類(これは、文体の好み、趣味し好に準じている。わたしは片岡義男氏&村上春樹氏&村上龍氏の作品は、表面的にはほぼ読み尽くしてきた。けっして男性的思考ではないが)

③ 運命の一冊 (文字通り、己の人生を変えた!揺るがす!一冊。人により複数冊ある場合もあり)

と、こんな3つの「本」から得る知識の貯蓄を、かれこれ40年近く重ねてきた。

この3つにすべてが収まっているとは、自分で書いてみて驚きだ。

● わたしの「運命の一冊」

さて、わたしの運命の一冊を紹介しよう。

さあ、才能(自分)に目覚めよう

コロナ禍で不安定な今だからこそ、自分を知ろう

【書籍概要】

累計96万部突破。

隠れた才能を開花させるための戦略やアイデア、ヒントが満載!

あなたは毎日、最も得意な仕事をする機会に恵まれているか?

全世界で2,351万人が活用したストレングスファインダー考案。

ウェブテストで、あなたの強みを「見える化」しよう。

巻末にストレングスファインダーテストコードが添付されている。

このコードを使って、あなた個人の強みを知る事ができる。

それは、一つではなく、多角的に強みを導いてくれる優れたテストなのだ。

人生で、様々なテストを受けてきたであろうが、自分の強みを知るテストはほとんどの人は受けてはいない。

であれば、今すぐにでも自分の強みを知って、仕事や家庭、人間関係などに活かしてみてはいかがだろうか?

毎日、自分の強みを使うチャンスがあるだろうか。おそらくないだろう。

多くの場合、才能は未開発のままだ。ゆりかごから職場まで、私たちは強みを伸ばすよりも欠点を直すために多くの時間を割いている。


人が才能や強みなど「その人の良いところ」を見出すには、まず、それらについて自分自身やまわりの人たちに説明できるように「言語化」する必要がある。

2001年に出版し、人々が持つ「34の資質」を明らかにした『さあ、才能に目覚めよう』は国内で累計50万部のベストセラーとなり、世界中で話題となった。

あなたの強みを「見える化」してくれるツール〈ストレングス・ファインダー〉を使って「トップ5の資質」を発見した人の数はいまや数百万人に及ぶ。

著者について

トム・ラス
優れたビジネス思想家であり、ベストセラー作家のひとり。

著書に、本書のリーダーシップ編にあたる『ストレングス・リーダーシップ』や、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストで第1位を獲得した『心のなかの幸福のバケツ』(いずれも共著、日本経済新聞出版社)、『幸福の習慣』(共著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

ミシガン大学とペンシルベニア大学で学位を取得。現在はワシントンDCで家族と暮らす。

● なぜ、「運命の一冊」なのか

なぜ、わたしの運命の一冊になったなのか。それは12年前の脳出血発病後、退院し家に帰った時のこと.。

これから、この麻痺がある身体と共に、一生、どうやって生きていけばいいのか?すべての仕事にどうやって戻るか?一日中うなされるように考え続けていた。

その時、本棚に倒れる前に買っていた、「さあ、才能に目覚めよう」が目に入ったのだ。ピン!ときて、もう、貪るように読んだ。

そこには、数々の困難を独自の方法で乗り越えた人達のレポート集が載っていたのだ。

そのレポートの中に、ひとりの弁護士(男性・40代)がいた。

彼は、ある日突然脳の病気で倒れた。症状はわたしとよく似ていて、運よく命は取り留めたっものの、重度の言語障害を患ってしまう。50音の「か」行が発音できず全滅だったと。

その後、燃えるような激しいリハビリを自分に課して、見事、法廷の現場に弁護士として戻る。

彼の言語障害の克服方法は「すべての言葉をゆっくりと話す」これだけだった。そして、その後、彼はすべての弁護で勝訴を勝ち取るのだった。

1音1音ゆっくりと話すことで勝訴できる!言語障害をどう克服するかがすべての課題だったわたしは、一筋の光明を見出したのだ。

彼独自のスピーキングで、身振り手振りを入れながら、向き合う相手に真摯な言葉かけをしていったそうだ。

その姿に周りは感動する。話を聞き逃さないようにしながら一生懸命聞いてくれるのだ。

こういった、周りを巻き込みながら、自分の主張を伝えていく過程は、その後のわたしの大きな礎となった。

わたしは、この方法を自分の仕事復活の第一に応用しようと決め、その日から彼の取り組んだ方法を日本語に変換して、まず、50音をひとつ、ひとつ、ゆっくりと大きな声で発音することから始めた。

猛然とというか狂ったように、一日何時間も言葉を紡ぐ練習をした。

現実に弁護士が職場に戻っている!と。この事実に圧倒されたし、希望の未来を描けるようにわたし自身が生まれ変われたのだ。

そして、彼の体験を信じて圧倒的に練習に取り組むことで、会社との約束であった6ヶ月後に営業に復帰できた。

たった一冊の「運命の本」との出会いで、わたしの人生は開かれた。

やはり事実に勝るものはない。「事実は小説よりも奇なり」だと。また、ネットとは違う本の持つ信憑性の高さにも評価がなされるものだ。

さて、この秋、新たな運命の一冊を探す旅をはじめよう。

起きていることはすべて正しい~最悪な時に学んだ、運を戦略的につかむ方法 【書評・自己啓発】

【ブログ更新110回】

※ 2019年3月3日のブログを加筆して再登場させました。

2009年真夏の8月、突然の脳出血で倒れた私は、意識が戻り麻痺した半身を抱えながらこの先どうやって仕事に復帰するか?こんな事ばかり入院中考えていた。

厳しいリハビリにも泣いている暇はなく「家に帰ったらまず、真っ先に読もう!」と決めていたのがそれまで3回以上再読していた、この勝間和代氏の著作「起きていることはすべて正しい」だった。

この作品が出版された2008年は、わたしが今の出版社に転職を果たした年。

この作品に書かれている彼女の座右の銘起きていることはすべて正しい」の新骨頂は、自分に降りかかってきた物事の捉え方ひとつでどんな風にも生き方は変わってしまう、セレンディピティ(偶然の引き寄せ)までもコントロールできる法則・・・との内容に飛びついた作品だった。

わたしがピアノ教師からある日突然、転職をはじめ、勢いのあるなかで、出会った出版社と大好きな本への道。このあたりは3年前に初出版した電子書籍にも詳しく記したが、この本から得たヒントがどれだけ転職に有利に働いたのか計り知れない。

女性が、仕事をしなくては食べていけない状況になった時、メンタルからキャリア構成まで社会の一部として機能するためのノウハウ、そこから収入と自分自身の持つキャリアの対価など、仕事そのものだけでなく、働くために必要な働き脳を育成できる書籍だ

では、「起きていることはすべて正しい」の紹介をしよう。

 まず、「運を戦略的につかむ」という発想のヒントになるもくじの羅列をしてみる。


はじめに~メンタル筋力と運をつかむ勝間式4つの技術

● 第1章「偶然を幸運に変える」

「セレンディピティの技術」女優、黒木瞳さんとの出会いから、この1年に起きた「8つの偶然」をいかに幸運に変えたのか?

「効率化すると疲れる、大変ですね!」の大いなる誤解

「メンタル筋力」が強い人、5つの特長

20年間「打たれ弱かった」私の幼少~大学時代「ひきこもり」を脱した3つの問題解決法

21歳、出産・育児で世界観が一変・・・etc.


技術面をサポートするメンタル筋力をつける方法3つの柱からなるメンタル筋力を鍛えるメソッド。


第2章 あなたの潜在意識が目覚める脳内フレーム120%活用法(97%の潜在意識の活用で成果が10倍に)


第3章 99%捨て、1%の本質をつかむ即断即決法※わたしはこの章は繰り返し今でも読んでいる重要な章。


● 第4章 「4つのダイヤ」を引き寄せるパーソナル資産増強法※資産の概念が変わるここも重要章。


● 第5章 勝間式人間関係の兵法「5つのわがまま力」で年収が20倍になった秘密。

と、こんな煽りとも取れそうな目次だが、10年前のビジネス本なんて、もう今の時代には通用しない場合がほとんど。

しかし、意外なほどこれはまだまだイケる。

なぜなら古いビジネス書の書き出しとはまるで違う勝間氏自身のエピソードが満載で、読み物としても面白い。で、新しい自分の構築に取り掛かりたいならば、すぐに取り組むのが効果的な思考変革だという。ある意味メソッド(教科書)として使うには最適な教材だと思う。

今回はあえて、内容には触れずにおこう。

彼女が文中で繰り返し語っているのは「運を実力に変えることは誰もが習慣と訓練で習得可能だ」ということ。

実際、わたしも病後11年を迎えた今年、まだまだ若干の身体の麻痺、言語障害などが後遺症として残るものの、見た目は変わらず、かえって元気になった感じさえする。

運が良かっただけかもしれないけど、事前に読んでいたおかげで、運を引き寄せたのかもしれない。


そうか!変えられるんだ!と、思ったら騙されたと思って読んでみて(笑)




自己啓発のやり方~思考チャンネルを変えれば飛躍的に考え方は改善される 【書評・自己啓発】

今回の選書はこれまで、3度、再読してきた2冊の自己啓発系ビジネス本を元に思考のビルドアップ(自前で考えたWord)を狙い、体系立てて紹介する。今年もすでに半年があっという間に過ぎてしまった。

しまった・・・というのは、新型コロナウイルス感染という前代未聞の疫病に全世界が振り回されているからだ。しかも、この夏、第2波の恐れも出てきた。まだまだ、まったく油断はできない。

そんな中、経済もしっかりと回さなければならないし、こんな世相だからキッチリと人生設計をして行きたいと、右往左往する人も多いことだろう。

不安な気持ちを払拭するには、ビジネス本を読んでみることをお勧めする。ビジネス本には、トップ経営者や学者や様々な分野の専門家が汗水たらして得た、最良な生き方、仕事術などどこを取っても学ぶべき内容の詰まった宝庫だからだ。

で、今回は思考をビルドアップさせる2冊の自己啓発・ビジネス書籍を紹介する。

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エッセンシャル思考 ~最少の時間で成果を最大にする~ 著;グレッグ・マキュー かんき出版

簡単にレビューすると・・・エッセンシャル思考の秘密は「今、何が重要か」を考え、自分で優先順位を決め成果を生まない努力をやめることだ。

エッセンシャル思考とは、まさにより少なく、しかしより良くを追求する生き方だ。
ときどき思い出したようにやるだけでは、エッセンシャル思考とは言えない。


今、自分は正しいことに力を注いでいるか?と絶えず問いつづけるのが、エッセンシャル思考の生き方である。


エッセ ンシャル思考を学べば、玉石混交のなかから、本質的なことだけを見分けらるようになる。

向上心はときに絶えざるプレッシャーとなってあなたを襲う。あれもこれも試したい、いいことは全部生活に取り入れたい。

だが、そんなやり方では人は進歩できない。何事も中途半端に終わるのがオチだ。この苦境を抜け出すための鍵は、人生を本質要素だけに絞り込むこと。

エッセンシャル思考 本書は、自分にとっての本質的要素を見つけ出す手がかりとなる。

※ここで重要な思考となる、エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考の違いを述べておく。

どんなに辛くても苦しくても、与えられた仕事をやらなければいけない・・・と、考えるビジネスマンが大半だろう。

一方、できないことをできないと言うことや、時間的に無理なことを理論的に論破して不利だと思える要求に対してはキッチリと断る、こんなある意味自己中心的なビジネスマンもわずかだが存在している。

これは、すべて受け入れてしまう不毛なやり方が辞められないビジネスマンは非エッセンシャル思考の持ち主で、ただちに改めていかなければ己の首がどんどん締まっていくだけだ。

反対に、勇気のいることだが、きちんと理論的に断ることができるビジネススキルを武器として持つビジネスマンだったら、エッセンシャル思考を持つ有益な人材なのだ。

ここで言えることは、賢く生きる者は、不要なものを排除するのだということである。

そこから、自分ならではのオリジナリティの創出に最大限に大事な時間を割こう。そのために本書は大いに役立つだろう。

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「 3か月」の使い方で人生は変わる Googleで学び、シェア№1クラウド会計ソフトfreeeを生み出した「3か月ルール」著;佐々木大輔 日本実業出版社

この本の要旨を簡単に述べると・・・「3ヵ月」は確実に変化を起こせる最小単位。3ヵ月間、「今まで本気で取り組んだことのないテーマ」に取り組む。

時間術やタイムマネージメントと言えば、できるだけ短縮した濃密な時間で仕事を処理するための効率第一のテクニックをイメージするだろう。

しかし、この書籍では、巷に溢れる効率を求めた時間術やいわゆるタイムマネージメントとは一線を画した、ルーティン(定型業務)の効率をアップし、「非効率的なこと」いわゆる企画など、クリエイティブなことがらに時間や情熱を注ぐことをゴールに据えてる。

2冊の目指す思考のビルドアップとは

エッセンシャル思考で学んだ、無駄・無理を省く最強の効率化で得た時間を、この3ヵ月ルールに則って、かつてない本気で取り組めるテーマに取り組もう、というビルドアップ提案だ。

思考のビルドアップ=構築はこうして、様々な角度から攻めてゆくのがいい。

今回、わたしは自分の強みである最も詳しい書籍の積み上げでビルドアップを図る提案をしてみた。

※ エッセンシャル思考から学べること・・・生活の無駄・無理を見直し、最適な時間を得る。

※ 「3か月」の使い方で人生は変わるから学べること・・・人生は100日で変えられると唱える。本気で挑戦する意欲や勇気が湧く本である。

2冊から得られるもの

時間という不思議な概念は、自分の頭の中でいくらでも作り出せるもの。だったら、今まで本気で取り組まなかったことを軸に己の目を開眼させるべきだ。

3か月単位でひとつのことに集中して取り組む・・・これは、趣味からはじめる小さな仕事にはピッタリの思考じゃないだろうか。

わたしも本書を元に思考のビルドアップを実践、小さな起業を始めているが、毎日わずかでも収益が出て、やりがいを感じる3か月となった。今、この3か月を振り返ってひとり、お疲れ様をしている最中だ。

まずは、一周してみる。回りが走り続ける中、緩急を3か月ごとに迎えて、新陳代謝する。一歩立ち止まるのもおつなものだ。

今日、久しぶりに借りた本

BIG MAGIC 「夢中になる」ことからはじめよう。【書評・自己啓発】

エリザベス・ギルバート・著 神奈川夏子・訳(ディスカバートゥエンティワン)

著者本人は、読者のためではなく「自分自身のために書いた」と本書の中で強調している。本書奥付より。

著者のエリザベス・ギルバートは、アメリカの小説家。
代表作『食べて、祈って、恋をして』は、1200万部という大ベストセラーを記録した。
同作品は映画化され、ジュリア・ロバーツが主演を務めた。

著者はTEDに2回登壇している。こちらの再生回数は、なんと1600万回に上る。私自身もTEDを拝聴して、BIG MAGIC を読もうと決めた。

BIG MAG の導入部

都立小宮公園内のホール

著者が語る BIG MAGIC とは何だろう?
それは 地球にはアイデアも棲んでいる ということにまつわる様々な奇跡のことだと理解ができる。

まず、アイデアは生命体である という観点をあらゆる角度から引き出した一書だ。

要するに簡単に言ってしまえば、あらゆるクリエイターが生み出し続ける創作物には、地球からの生きたアイデア=生命体が寄り添いもたらしたものだという観点。

(文中から)地球上には、動物や植物、バクテリア、そしてウイルスが共に棲息している。しかし、それだけではなく、地球にはアイデアも棲みついているのだ。

アイデアは固有の肉体をもたない、ただのエネルギーを持つ生命体だと考えられる。しかも、わたし達人間からは、完全に切り離された存在で、やり取りが可能なのである。

エネルギーを持つ生命体「アイデア」には切望していることがある。それは、誰かによって自分を形(作品)にしてもらうことだ。アイデアの持つ資質を誰か優秀な書き手に具現化して欲しがっているのだと言い切っている。(文中より)

ここでの誰かとは、画家・ミュージシャン・小説家などのクリエイターたちを指し述べている。

著者自身の体験からBIG MAGIC をひも解く

市内の自然公園前

彼女は、自然科学を取り入れた小説を書く作家として生計を立てている。ある朝、突然小説のアイデアが降り注いできたのだ。

しかし、彼女はまだ早い・・・と感じ、しばらく自身の様子を見ていたのだ。すると、あっという間に別の作家がほぼ、同じ内容のアイデアをふんだんに盛り込んだ小説を出版してしまった。

このことから、2つの着目点が考えられたのだそうだ。

① まだ、時期が来ていなかったから、ジャストな人のところに作品の種は落ちて行ったのだと。この観点はもろにアイデアは生命体だという彼女の持論だ。

同時に同じ事を考える偶然もBIG MAGICの特徴のようだ。だから、アイデアを盗まれた!と騒ぐ場合もいたしかりしかもしれない。

② いいや、アイデアのしっぽを掴みそこなったのはタイミングを逃した自分だと。原理原則に忠実な彼女のごく普通の観点。さて、どっち?

その時の著者自身の気持ちを文中から拾ってみよう。

(文中から)そしてアイデアは、ある日唐突に誰かの元にやってくる。普通は、アイデアがやってきても他のことをしていて気がつかない。

もしくは、気がついても「そんなの自分の手には負えない」とお断りしてしまう。

しかし、アイデアと戯れることを決意したとき、創造は始まる。 まるで禁じられた恋のように、熱烈に。(文中より)

この文面から2つの観点が明確に表現されていた。①に対してはまだ早い~今回は見送ろうと逃す自分。②に対しては、アイデアを受け入れることを恐れずに決意すると、創造が始まる前向きな自分だと。

これではっきりわかったことは、どんな小さな発見やアイデアであっても、すぐに着手すべきだということなのだ。②が本心だ。

やって失敗するより、やらなかった後悔であれば、やって失敗のほうが100%前向きな決断なのだ。

しかも、アイデアという生命体は、誰かの手によって作品に生んでほしい!と願っているのだから、それを叶えてあげないといけない。

文中より著者の体験のまとめを書き出す。

まとめ

ふいにアイデアが自分のところに現れたら、これからよろしく!と握手をし、それが作品となる日まで決して喧嘩をせず、見捨てずに、自分の持てる力を最大限に発揮して互いに協力すべきだ

努力を怠って放っておくと、アイデアは待ちくたびれて、どこかに去ってしまうこともあるから要注意。

● クリエイティブという魔法~書評

品川 mango tree

すべての人の奥底に創造の種という贈り物は眠っている。それを目覚めさせて、大きく育てるためのキャンバスを持ち、描き出す勇気を持つ人だけが、このBIG MAGICという魔法の虜になれる。

それは、たとえば作家などのクリエイター職ばかりじゃなく、庭師や料理人など、自分自身の人生を充実させるものすべてを指すのだ。自分の人生をより、クリエイティブなものとして考えることができるかどうかで、BIG MAGIC を掴めるかどうかが決まってしまう。

手前みそだが、わたしはブログを運営してる。最近、ブログ執筆がとてもクリエイティブな作業だと感じている。それを持てたことが幸せだと実感できたのだ。小さなBIG MAGIC を経験し掴み切れたからこそ、夢中という幸せが手に入るのだとわかった。

また、どんなひとにでも発揮できる創造性だと読み取った。だから特別な能力とも、すごい学歴ともまったく違う。

それは、自分のできる事を全力でやる事と、やり切った後に見える景色をきちんと見ておかないといけないのだと。

BIG MAGICは、きちんと見ている人の元に降臨するのだ。

著者の願いとは

浜松町からの東京タワーと満月

本書のメッセージは、あくまで、著者自身が作家としての教訓を交えながら自分の内面と向かい合って対話している、と言えばわかりやすい。

思い込みが多く、不安定な著者が作家として生きると決めた決心の場面は靜かながらもとても情熱的で印象深かった。

自分の人生に忠実であり続けることができるのか? 移ろいやすいクリエイティビティをつなぎとめるための考え方とは?悩みや葛藤さえも美しかった。

創造的に生きるということは、名声を得るとか、才能を使ってお金持ちになるとか、そういうことではないのだと、著者は繰り返えす。

むしろ自分の中の創造性を、社会で換金しようという目的を第一にしてしまうと、創造性は痩せおとろえてしまうとも言っている。

わたしの話だが、ブログを書くことが楽しくて毎回、何を書こうかと考えるとワクワクが止まらない。

書きあげて推敲、撮影しておいた写真を入れてのアップでウキウキは最高潮に(笑)

それでいいのだ、それがいいのだ、それを続けなさい、と著者が私の背中をポンポンと軽く叩いてくれるのだ。


さらに、 見えないけれど私の周りにアイデア、好奇心の種が満ち溢れていることも教えてくれる。

完璧なアーティストではない、私たちだからこそ共感できる、個人的かつ創造的生き方の告白。それが本書なのだ。

【もくじ】

Chapter 1 「恐れ」を乗り越え、充実した人生を送るには

Chapter 2   インスピレーションとともに生きる

Chapter 3   誰もが「やりたいことをやる自由」を持っている

Chapter 4  決してあきらめない

Chapter 5  好奇心を信じ続ける

Chapter6  ビッグマジックが起こした奇跡

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ストーリー思考で奇跡が起きる 1%の成功者だけが知っている人生の脚本の作り方【選書・自己啓発】

脳の仕組みを理解することで誰にでも奇跡は起こせる。行動をしていないから結果が出ない この考え方は半分が正解で半分が間違いなのだ。

では、結果を出すのにはどうしたらいいのでしょう・・・。この書籍の最重要な箇所ではこう書かれています。

今、必要なことだけに絞って学び、必要なことを得るのに重要な人を探すことです。

それには道筋を示す人生のストーリーが必要です。 さあ、結果を出す、奇跡を起こすために「人生の脚本」を書いてみましょう。人生を一変させる奇跡のロジックをモノにしてみましょう。

ストーリー思考で奇跡が起きる 1%の成功者だけが知っている人生の脚本の作り方」小山竜央・著(大和出版)2015年8月初版

神奈川県開成町 瀬戸屋敷にて、2016年6月1日 撮影

【もくじ】

序章 目標を捨てると人生が変わる

第1章 1%の人が大事にしている習慣~ステップ1「テーマ」を決める

第2章 たったひとつの行動が奇跡を起こす~ステップ2 「イベント」を起こす

第3章 あなたが変化する瞬間にフォーカスする~ステップ3「ストーリーボード」を書く

第4章 自分を育てる時間を作る~ステップ4「種」をまく

第5章 人生を性格にとらえて夢実現の精度を高める~ステップ5「見直し」をする

第6章 夢の実現を最速で引き寄せる~ステップ6「協力者」をつくる

第7章 夢を叶える4つのツール

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