山帰来(サンキライ)の葉っぱ~この葉っぱで 「子どもの日」のお餅を包む~あなたの地方ではどの葉っぱ?【写真で綴る旅・植物】

【ブログ新規追加362回】

数年前、この写真を近所の公園で撮影した。

撮った目的は放射状に延びた先についた青い実がたわわで可愛らしかったから。

名前も知らないその葉っぱと実の写真を、当時参加していた「植物コミュニティ」に投稿したら、びっくりするような「いいね!」を貰い、延々続く書き込みの多さにさらに驚いた。

その内容のほとんどが、「実」ではなく「葉っぱ」のことだったのだ。

この植物はその名を山帰来というのだとコミュニティで教わった。

「実」は、冬になる前に真っ赤に染まり、鳥が不思議とつぐまないことから、クリスマスのリースを作る貴重な素材として親しまれてきたのも。

で、「葉っぱ」の部分だが、「子どもの日」に頂く柏餅の外葉として使うのだと。

そのコミュニティでの書き込みで最も多かったのが、関西圏の方々の「ああ、サルトリイバラの葉っぱだね」という誰でも知っているかのような書き込み。

もちろん、わたしは東京以外に住んだこともないし、サルトリイバラの柏餅なんて見たこともない。

コミュニティのある方が、自宅で塩漬けにしたサルトリイバラの葉っぱを写真に撮り、アップしてくれた。

そのまあるいつやつやとした葉っぱが白いお餅をくるむ姿を思わず連想した。

ああ~~、美味しそう(笑)

 (上記の写真はフリー画像から拝借)

                ★

さて、なぜ柏餅の葉がそれほど地方によって違うのかと言えば、元来食べ物を盛る葉っぱのことを、日本では「カシワ」と呼んできたそう。

関西圏では、滅菌作用のあるサルトリイバラの葉が最も使いやすく、どこでも手に入ることから普及した。

ちなみに、東北~寒地圏ではホオノキの葉、沖縄圏ではゲットウの葉だそうだ。

以前、奄美大島の空港でゲットウ(月桃)の葉にくるまれたお餅を買って食べた経験がある。

みんな、似ているようで違うのは、その地方特有の葉っぱの香りが違うからだろう。

江戸時代にカシワの葉でくるむお餅が大流行した背景には、江戸の持つ気質が育てた粋な香りがしたのではないだろうか。

これから、山帰来の葉っぱが5月下旬~梅雨前に青々と茂る。意外と身近にあるかもしれないから、探してみるのも楽しいかも。

名前の違いで、よくわからないのが、山帰来=サルトリイバラだというところ。

まったく違う名前を持つ同じ植物だから。

このあたりは、今後、詳しく調べてみようと考えている。

地方ごとに違う柏餅の葉っぱ。

次は関西圏で見つけて食べたいね。

今は、ひたすら我慢。

写真だけでもど~ぞ(笑)

※ 葉っぱからひも解く植物のあれこれならこの本!

葉っぱで見わけ五感で楽しむ 樹木図鑑」ネイチャー編集室・著

簡単レビュー

●野外で使える樹木図鑑の決定版

気軽に持ち歩けるハンディ版。

身の回りで見られる代表的な樹木375種(画像掲載325)を掲載。

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樹木の種類から、特長、名前の由来、繋がっている生き物を知ろう。

「見る、聴く、嗅ぐ、触る、味わう」アウトドアの醍醐味である五感を使って観察をするための必読書である。

眺めているだけで楽しく、美しいデザインだ。

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別冊として、樹木観察の経緯を書き込めるノートがついている。

本書でオリジナルな樹木観察帳を書きつつ、山歩きのお供にぜひ!

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クマガイソウの群生を訪ねて~自生の絶滅危惧種を初めて見に行く/ 裏高尾、うかい鳥山の自然・ボタニカルライフ⑮【植物 / 絶滅危惧種Ⅱ】

【ブログ新規追加343回】

緊急事態宣言の真っただ中、市内にクマガイソウの群生が見られるところを発見してしまった。

これは、もう見に行くしかない!と、今朝早く、裏高尾に行って目的を果たしてさっさと帰ってきた。

誰もいない石造りの鳥居の裏に、クマガイソウはひっそりと、咲き乱れていた。

クマガイソウとは・・・ラン科アツモリソウ属に分類される多年草の一種だ。大きな花をつけ、扇型の特徴的な葉をつける。

クマガイソウ(和名)の由来だが、レブンアツモリソウと共に、膨らんだ形の唇弁を昔の武士に見立てて、背中に背負った母衣を思いなずけられたそうだ。

• レブンアツモリソウとは・・・樺太・礼文発祥の敦盛草。下の写真はレブンアツモリ群生地。(花&群生地 / 画像拝借)

また、源平合戦の熊谷直実(くまがい なおざね)と、一の谷の戦いで直実に討たれた平敦盛(たいらのあつもり)に充ててつけられたという説もある。(資料先→https://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia より)

クマガイソウは、地元の保全活動をされてる方々に保護されている。

一帯には100輪近く(数えてはいない)のクマガイソウが群生していた。

あの高級料亭「うかい鳥山」がすぐそこにある。

クマガイソウを見るために、近所の家々の前には駐車はできないが、神社の前の空き地には駐車しても良いと、地元の方から聞けた。

クマガイソウ、昔は高尾山で普通に咲いていたそうだ。

しかし、環境変化や乱獲などの影響により、自生のクマガイソウは激減してしまった。

こうして保護されていたり、人が足を踏み入れないところでひっそりと咲いている姿でしか見かけることが難しい状態。

ここも、ロープが貼られ保護されていた。

それでもかなり接近でき、初クマガイソウの撮影ができて嬉しかった。

※ 撮影場所・・・菊一吉高稲荷の鳥居の後ろ(うかい鳥山の看板標識を見つけたら左折してすぐ左手)
 

5月1日 午前9時。

うかい鳥山の手入れされた至極の庭園を眺めてきた。もちろん、食事はしない。

コロナだもの(笑)

★2024年4月19日更新 野山に自生する妖精キンラン~ボタニカルライフ⑭【植物・キンラン】

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キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)はラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。和名は黄色(黄金色)の花をつけることに由来する。資料先→https://ja.wikipedia.org/wiki/

特長だが、山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30-70cmのの先端に4月から6月にかけて直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の総状につける。

花は全開せず、半開き状態のままである。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。柄は無くを抱き、7、8枚が互生する。(Wikipediaより)

                  ★

雨上がりの日曜。近所の都立公園は朝から2つの駐車場は満杯。それでもどんどん入ってきて大渋滞。わたしは、混雑を見越して徒歩で出向く。

先週の山吹の山は、ほんの数日で新緑だけの森になっていた。そんな中、森の妖精と謳われる「キンラン」が咲き始めたとの情報をキャッチした。ぷっくりとしたつぼみが可愛いラン科の自生植物である。

雨あとで、足元どうかな・・・と案じて家に閉じ篭っていようか?と考えたが、せっかくのいいお天気、一人、都立公園に出かけた。

新緑が眩しい都立公園。お目当てはキンランだけ。

咲いていそうな場所はすでに押さえてある。

ものの1分で発見! 

今年もちゃんと咲いていた。 自生地(しろはらの小道)を知っていたとはいえ、なかなか運がいい(笑)

全部で5株を発見。  

人の手がまったく入っていない場所ではないが、このあとの道では多くの熊笹に占領されて、

ほとんどキンランは見つけられなかった。全部で6つの散策ロードがあるから、他でも多分見られるのではないだろうか。 

出会えただけで、充分に幸せな気分になれる黄色の美人草。

「キンラン」の花言葉

~華やかな美人~

棘のないバラ「モッコウバラ」~昨日の雨に打たれるも満開~ボタニカル・ライフ⑫【植物・モッコウバラ】

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モッコウバラは棘のない優しい茨(ばら)だ。

皇室におかれましては「眞子さま」のお印となった。

※ お印とは・・・日本皇族が身の回りの品などに用いる徽章シンボルマーク

民間人の小室圭さんとのご婚約から今日までご困難が絶えない中、どことなく儚く、清廉さを常に失わないお姿に、「お印通りのお人柄」を感ぜざるを得ない。

モッコウバラは文字通り、「茨」を表す。しかし、棘を持たないその様相は不思議なほど、優しい樹木の花だ。

どうか、お幸せになって欲しいと願う。

他、皇族の方々のお印に興味があり調べてみた。

  • 上皇さま:えい(文字)
  • 上皇后さま:白樺しらかば
  • 天皇陛下:あずさ 
  • 皇后陛下:ハマナス
  • 愛子さま:ゴヨウツツジ
  • 皇嗣殿下:つが 
  • 皇嗣妃殿下:檜扇菖蒲ひおうぎあやめ
  • 眞子さま:木香茨もっこうばら
  • 佳子さま:ゆうな 
  • 悠仁さま:高野槇こうやまき
  • 常陸宮正仁親王殿下:黄心樹おがたま
  • 常陸宮華子さま:石南花しゃくなげ
  • 三笠宮百合子さま:桐
  • 寬仁親王妃信子さま:花桃
  • 彬子さま:雪
  • 瑶子さま:星
  • 高円宮憲仁親王妃久子さま:扇
  • 承子さま:はぎ 
  • 明治天皇:えい(文字)
  • 昭憲皇太后:若葉
  • 大正天皇:じゅ(文字)
  • 貞明皇后:藤
  • 昭和天皇:若竹
  • 香淳皇后:桃
  • 秩父宮雍仁親王:若松
  • 勢津子妃:菊
  • 高松宮宣仁親王:若梅
  • 喜久子妃:撫子なでしこ
  • 三笠宮崇仁親王:若杉
  • 寬仁親王:かしわ 
  • 桂宮宜仁親王:桂
  • 高円宮憲仁親王:ひいらき 
  • 紀宮清子さま:未草ひつじぐさ
  • 高円宮典子さま:らん 
  • 高円宮絢子さま:くず  ※資料先→https://tsumugu.yomiuri.co.jp/learn/【ボンボニエールの物語vol-20】

植物を大切にされる皇族の方々。みな、ご自分のお印を、そりゃあ、大切にされているのであろう。

一般庶民のわたしも、自分だけの印を考えてみよう。

その花を生涯愛し、慈しみ続けて行ける・・・素敵かもしれない。

★2024年4月8日更新 今年もワダソウに出会えた~ボタニカルライフ⑪【植物・ワダソウ】

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スマホで撮ったワダソウ。

今年もワダソウ(和田草)に出会えた。

毎年、Xデーは4月10日あたり。

しかし、今年の花は咲き始めがみ~んな早い。

昨日、7日は素晴らしいお天気で、朝からソワソワしながら仕事へ行った。

約80Kコース。それでも4時には帰り、急いで家から徒歩5分の「都立小宮公園」に出向いた。

いつもの場所に「あった!」と、山野草ハンターは狂喜乱舞(笑)

ここで、ワダソウの歴史をすこし。

                     ★

1990年代に多摩丘陵での自生が確認されたナデシコ科の多年草。
長野県、和田峠が発祥地。

いずれにしても大変希少な植物なのだが、
都立小宮公園で見ることができる。1㎝にも満たない小さな5枚の
桜みたいな花弁に赤いおしべが1つづ付く。

多摩丘陵では都立小宮公園と高尾山に自生している。

                     ★


カメラではZoomせずに撮る。

朝10時を過ぎると花は閉じてしまうと聞いていたが、今日は午後4時過ぎひっそりと可愛く咲いているところを写真に収められた。

この花を今年も見られて幸せ💛

明日のブログもボタニカルライフを。

「満開の山吹、大根草」を愛でると、題して書こう。

森を愛するこころ~ボタニカルライフ⑩【植物エッセイ】

【ブログ新規追加308回】

満開の桜を見逃すまい!と、朝からわたしの住む街の森(都立公園)にも人出がわんさか。

3月31日までは、コロナ禍で公園駐車場の閉鎖が続くが、徒歩や自転車とか、近隣の方々だろう、みんなお弁当持ちで出かけている。

わたしも散歩がてら、森を一回りしてきた。森に一歩入ると、しんと静寂な中、数々の野鳥のさえずりが響き渡る空間。

なんとも贅沢極まりない日常だ。

                 ☆彡

森を愛する理由

森の最も気に入っている点は、都内有数のバードウオッチングの聖地であるだけでなく、とても珍しい山野草が見られるところだ。

毎年4月上旬から咲き始める山野草たちに出会えるのが、今、一番の楽しみ。

今朝は、可憐なピンクと白のイカリソウを山野草園で見てきた。

また、森(公園)のランドスケープデザインも良く、古い枕木を使った足に優しい木道が森の中に張めぐらされ、そういった部分もとても質の高い公園設備ではないだろうか?と、思う。

雑木林を抜け山を登ると、丘陵の頂上には小規模だがフィールドアスレチックや畑などもあり、広々とした原っぱから里山を下ると、深い雑木林の森が延々と続いているのだ。

それは公園を整備する前からある加住丘陵の一角で、起伏の激しい谷間を何本も有する小さな森なのである。

冬には落葉の絨毯ができて、春に芽吹き、夏には蜩などセミの大合唱が響き、秋の紅葉も見事なものだ。

この森には生命の息吹を感じさせる何かが未だに存在する。

その中を夫と散策しながら季節を目一杯全身で受け取る。

何気ない会話のひとときが宝物のように感じられる。

                  ☆彡

● 森と自然環境保全のはなし

 森は 二酸化炭素の吸収源であり自然の代謝も担っている。

また水質の浄化や洪水、渇水などを緩和して土砂の流出や崩壊を防止するという非常に大事な役目があり、季節ごとに江戸の昔から、ふもとの弁天池ではその祭りがとり行われている。

一方、今では地球温暖化の影響で世界的規模の様々な影響から森は失われつつある事も事実である。

ある意味、森はあらゆる環境問題の重要度や深刻度を示す指標となるものであろう。

自然の保護とか言っても、ではどこから?何から?手をつけていけばいいのか?

わたしは日ごろ、出版社に勤務している。

主に紙の書籍を営業販売して歩いているわけで、現在の出版不況は嘆かわしいものだが、森林保護などの環境配慮に対する姿勢は最大限共有して、仕事上のペーパーレスなど微量だが貢献している。

2004年、ノーベル平和賞受賞、世界的環境擁 護者の故ワンガリ・マータイ氏のもったいない精神を見習いたいものだ。

何事にもバランスがとても大切。

やり過ぎれば、どこかが歪む。

今更ながらウイン・ウインの関係を環境にも当てはめて、美しく生きてゆきたい。

高尾梅郷を巡る観梅トレッキング~木下沢特別解放にて / ボタニカルライフ⑨【植物・裏高尾梅郷】

【ブログ新規追加295回】

昨日の春の雨嵐が収まった今日。朝、夫が「高尾に梅を見に行かないと!」と言われ、急いで仕度し高尾目指し、GO!

すごい晴天だからか、JR高尾駅からウォ―キングで高尾山を目指す人が沿道にいっぱい。密だね(怖)

わたしも行くまで知らなかったのが、木下沢の梅林特別解放が8日から始まっていた。9時40分頃、車を沿道に停めて解放時間を待つ列に並ぶ。

ここで、高尾梅郷の情報を書いておこう。

                 ★

毎年3月に裏高尾の旧甲州街道沿いで行われる「高尾梅郷梅まつり」。
今年(2021年)は3月13・14日に開催の予定だったが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止となった。


一方で、まつり自体はなくなったが、梅まつり実行委員会では3月8日(月)〜21日(日)の期間に、裏高尾に点在する梅林を自由散策する「観梅ウォーク」を開催中。

高尾梅郷へのアクセスは、梅林周辺には駐車場がないので、高尾駅北口から「小仏」行きのバス に乗るか、歩いていくかになる。

※ ただし、木下沢梅郷では、特別解放中のみ沿道に車を停められる(NXSCOの誘導もあり・おおよそ30台・無料)
(高尾山口駅からも「小仏」行きのバスは出ているが本数はかなり限られる)


歩きであれば高尾駅からでも高尾山口駅からでも同じくらいの距離。(約4,5キロ)

高尾山の帰りに高尾山口駅からふらりと寄ってみるのもいいかもしれない。

ただし、木下沢梅林は結構勾配がキツイ。ちょっとした低山だからウォ―キング感覚じゃなくてトレッキング。

登山あとだと、疲れもピークだから、入口の荒井梅林などの低地梅林がおススメ。

【電車+ウォ―キングで目指す例として】
スタートは高尾駅北口。ここから8つの梅林すべてを回って、一番奥の「小仏梅林」まで歩いていく行程。
距離にして4.5kmで、単純に歩くだけだと所要時間はだいたい1時間ですが、いろんな梅林に寄ると1時間30分〜2時間ほどかかる行程になるだろう。

木下沢梅林までの道すがら、ルアーフィッシングのマス釣り場があったり、裏高尾名物「するさしの豆腐」峰尾商店もある。

また、地元取れたて野菜の無人販売スタンドがいくつもある。

魅力的だからと、ついつい買い込んでしまうと荷物になって大変!

と、旧甲州街道をぶらぶら歩きながら、8つの梅林を訪ねるスロウな旅がいい。途中、景信山登山口とかある。高尾から小仏峠を抜け景信山への縦走ができる。

しかし、梅郷を楽しみ尽くすのなら今回は登山はスル―がいい。

梅の見終わりを楽しむ3月。裏高尾の梅は咲き終わりが遅く、かなり長い間楽しめるけれど、登山と合わせるとまず、時間が足りないし、急こう配な道を延々歩くのには閉口するだろう。

いっぺんに済まそうとせず、最高の見頃を迎えた「梅郷」の梅花と香りを楽しもう。

最後に。

高尾梅郷と源氏物語を掛け合わせた以前のブログから。

紅梅♡♡♡源氏物語の香り」→http://lifetour.blog.jp/archives/1052534765.html

              

満開のマグノリアを見る~春告げる白い花の散り際に立ち会う/ ボタニカルライフ⑧ 【植物・コブシの花】

【ブログ新規追加295回】

家からすぐの低山「ひよどり山」のシンボルツリーである「コブシ」の花が満開を迎えた。

コブシとは・・・和名を辛夷といい、学名をマグノリアという。モクレン科モクレン属の高木だ。早春に他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせる。(wikipediaより)

北海道から九州、朝鮮半島南部の山地に自生する落葉性の樹木で、高さは大きくなると20mにも達する。 3月中旬頃に葉が出てくる前に6枚の花びらをもった大きくて白い花をたくさん咲かせる。 花には芳香があり、満開時期の枝いっぱいに花を付けた様子は遠目からもよく目立つことから、田園などではシンボルツリーとして重用されている。

                 ★

わさわさと、日常を時間が通り過ぎて行くけど、この春告げる樹木の花を見逃すわけにはいかない!と、昨日朝、仕事に出る前に一目見ておこうとひよどり山へ。

大木が離れて3本ある。一番大きい樹木の傘の下に小人みたいに入る。どんどん散っている花の姿を写真に撮りたかった。

ハラハラと散るその様は、まるで雪が降り注いでいるみたいで印象的。

しかし、散る花を撮りたかったのだけど、ふ~ん、難しい。

樹木の花を撮るのがまだまだ苦手。どこをどう撮ったらいいのかわからなくなる(笑)

そんな時は、写真映りからいったん引いて、花の香りや形を楽しむ。

コブシの花にも薄っすらと、青臭いバナナみたいな香りがある。花そのものより、枝先をチョッとへし折り香ってみる。

少し、埃くさい、青臭さはまさに「春を告げるため」に咲く花の香りだ。

小さなベンチで、散り行くコブシをしばし見届ける。

今日の午後から明日の一日は春の嵐だそうだ。雨と風にやられてしまう。

柔らかな白い花がきれいなうちに見ておきたかった、たった10分間、至福のボタニカルタイムだ。

では、また来年、ここで会おう。

★2024年3月3日更新 雨のロックガーデンでクリスマスローズを愛でる~相模原北公園 / ボタニカルライフ⑦ 【植物・雨の日】

【ブログ新規追加286回】

春嵐の日。身近な岩の庭(ロックガーデン)に咲くクリスマスローズを見てきた。クリスマスローズと言えばあの「うつむいた姿」が好き!可愛い!という人も多い。

クリスマスローズとは・・・別名「ヘレボレス」キンポウゲ科の植物。

ヘレボルスは、キンポウゲ科クリスマスローズ属に分類される植物の総称。ヘレボラスともいう。

「クリスマスローズ」という呼称は、クリスマスのころに開花するヘレボルス・ニゲル だけを指した呼称であるが、日本の園芸市場では、「レンテンローズ」と呼ばれるヘレボルス・オリエンタリス なども「クリスマスローズ」の名前で出回る。

ウィキペディアより

ものすごい風と雨。出ようかどうしようかと思う春の嵐の日。

ただ、せっかく出たのだから、今が旬のクリスマスローズだけでも見て来ようと、あえて雨の日、仕事終わりに相模原北公園に出向いた。

晴れていればなあ・・・とか、花を前に散々思い巡らせたが、なにぜ悪天候。比較的雨のしのげる雑木林の中のロックガーデンを歩きに行ってみた。

ロックガーデンとは・・・ロックガーデン は岩石を配置した庭園のことであり、通常は植物を配置する。

規模は個人の庭から大規模な公園まである。日本では、ロッククライミングの練習場となるような自然の岩石がある場所についてロックガーデンと名付けることがある。

ウィキペディアより

大粒の雨を避けきれなくてずぶ濡れ(泣)それでも、クリスマスローズのうつむきに合わせてしゃがみ込みカメラを向けた。

あまりの風と雨にそのまま帰ろうかと思ったのだが、同じ時期に可愛く咲く、山野草のミスミソウや見頃を過ぎた梅林も歩き、今年もこの場所の花達に会えた幸せを嚙みしめた。

季節の自然の中を歩き回れるのは、たとえ雨でも感激至極。

まさに「一期一会」の出会い。

雨と風の日に行ってよかったのかも。

園芸種のクリスマスローズが、ロックガーデンで大雨に降られながら群生する粗野な姿に感動し、ミスミソウの雨の中、肩を寄せ合って咲く健気な群生に出会えて幸せ。

しかし、わたしもあまのじゃくだね(笑)

● 最後に

※クリスマスローズの花言葉は「いたわり」「追憶」

ミスミソウ(雪割草・三角草)の花言葉は「自信」「信頼」

★ 2024年3月1日更新 節分草 ~ 2・28 やっと出会えた春を告げる山野草/ボタニカルライフ⑥【植物・節分草】

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● 節分草の花言葉・・・ 「気品」「光輝「微笑み」「人間嫌い」

今年の節分草を待ち焦がれていた。

あっという間に過ぎ去る2月最終日。

そのはかない姿をある野山で発見できた。

そこは、表の太陽がほとんど射さない薄暗い山道。

わたしがカメラを向けてあーだ、こーだと格闘していると、横からギャラリーさんが、

「どう?きれいに撮れる?」

「ここはダメでしょ。だって、花が全員別の方向を向いちゃってるんだもの」と。

わたしは、すかさず「そうなんですよね。でも、恥じらいを感じる「ここの節分草」が好きなんですよ」と話すと、苦笑いを返された。

そんな話をしていると、通りがかりのギャラリーさんたちが、「ここの節分草はまったく映えないね」と言い、まるで「被写体としての価値だけ」があるかないかの話して通り去って行く。

きれいに撮れるか?よりも、今年もここで「種の保存」を健気に繰り返すこの春告げ草の役割りに感動するわたし。

俗世間の「映え」とか、一瞬で魅力をわしづかみにするショットがそんなに価値があるの?

わたしには、丸一年じっくりと、この薄暗い森で息を繋ぐ節分草のしぶとさには「映え」なんか、まったく適うものではないなと、密かに価値を置き換えてきた。

節分草で有名な「国営昭和記念公園」「都立野川公園」は節分草の咲く2月は満員御礼。

花が華と化しているその場所には、まったくと言っていいほど、日陰や薄明りが射す場所はない。

可哀想なぐらいに、陽の光を浴びてしまい、早々に散り行く。それは、人の手で操作された現象だ。

はかなさをなぜ、待ちわびないのだろう?

そんなに急かさなくても、スプリングエフェメラルは、草花なのに、まるで勤勉で忠実な人のようにに真面目にきちんと咲くのに。

わたしが、見に行った節分草は「都立片倉城跡公園」でひっそり咲いている。

資料先(山Reco)→https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2222888.html

「映え」を望むのは難しいぐらい、ぽつぽつとささやかに咲いている。

しかし、目を凝らしてよ~く見ていると、無数に咲くその花の小さな蕾が見えてくるのだ。

それは、カメラに納められるものではなく、心に納めるものなんだろう。

大事なものは、簡単には目には見えないようだ。